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Posted by ブクログ 2024年01月20日
森田真生さんのエッセイに出てきたのを見て購入した。森田さんは、この問題集をテキストに、小学生と「数学」の勉強会を開いているそうだ。元々、ロシアの数学教育の人々が、既存の教科書に対抗して作った教科書で、日本の数学教科書に見慣れた素人からすると、「数学」というものの世界観が全く違っていて、面白かった。
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「75センチの棒をシャクトリムシが登る。1日で5センチ上り、寝ている間に4センチ滑り落ちてしまう。何日で上りきることができるか。」
一番衝撃的だったのは、「グラフ」の章だった。自分の今までのイメージだと、「グラフ」といえば、x軸とy軸のある棒グラフや折れ線グラフだったが、ここで定義される「グラフ」は全く違う。
「グラフ」というのは、物事の関係を点と線で表したもので、点つなぎのような図形がたくさん描かれている。
日本で算数・数学を学んだ人間からすると、「数学」というのは、積み上げ教科だと思う。だけれども、この問題集の問題には、順番というものがない。一つの概念が定義されて、それでもって出された問題群を解いていく。だからこそ、どこからでも数学的に考えることができる構成になっている。
数学の友達に聞いたら、日本の「数学」が、積み上げ教科になっているのは、教科書で言う「数学」がイコール「解析数学」になってしまっているからだと言う。
本当に「数学」を好きな人たちに、読んでもらいたい。そして、学校で勉強したものとは違った、もっと広い「数学」の世界に触れてほしい。