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三人と一匹のボート旅。
軽妙洒脱な文章。愛すべきあほらしさにクスッと笑ってしまう古典ユーモア。
ジーヴスシリーズが好きな人は好きだと思う。楽しい作品だった。
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その時いたのは、ジョージとハリスとぼくの三人、そして犬のモンモランシーだった。
三人でどうも最近体の具合がよくないなあなんて話し合っていたんだ。ジョージもハリスも不調を訴えていたが、ぼくなんてもっと重症だよ、病床図鑑を調べたら全部が当てはまるんだ!
ぼくたちには休暇が必要だ。だからぼくたちはテムズ河に出ることにした。
キングストンからオクスフォードへ、ボートをひきながら河を漕ぎ上がる。そしてキングストンへ漕ぎ下がる一週間の旅。
こうしてぼくたち、ボートの三人と一匹の休暇が始まったんだ。
***
イギリスのユーモア小説。
読んでいる最中には頭の中で「ボートの上には三人男~~♪犬もいるよボートの上に~~♪」とかいう感じ歌が流れていました(メロディーは適当に/笑)
翻訳は丸谷才一、表紙絵は和田誠、解説は井上ひさしというメンバーがなかなか豪華。
ボートを漕ぐ男たちの楽しい騒動。
楽しいといっても大袈裟な事件が起こるわけではありません。
家の壁に釘を打つとか、夕食会の余興で歌を披露するとか、初めてボートを漕いだ時のこととか、新しい趣味として楽器を習うとか、そのような日常が作者の語り口により実に賑やかで楽しい大騒動に変わります。
語り手である"J"も、回りの人たちを好き勝手に面白可笑しく語っていますが、彼自身もなかなかの身勝手っぷり。この本でに出てくるイギリス人は、みんなが好き勝手にしてお互い迷惑かけつつみんなが楽しいという、なかなか前向きな生活ですね。
さらに犬のモンモランシーは、小さいフォックステリアながらも近所ではボス犬、他の犬猫相手に暴君ぶりを発揮したり、キャンプの湯沸かし器相手に喧嘩を吹っ掛けたりとやんちゃ坊主でかわいい。
小説としては、もともとはテムズ河周辺の歴史的地理的旅行案内のようなものだったようで、そのためにユーモアも気取ったりわざとらしいところがなく、読者も一緒に自然に楽しい日々を過ごせます。
さらにイギリス人の生活様相、イギリス人気質、食事の状況、紳士淑女の休暇の過ごし方など、イギリス人の日常風景も感じられます。
ちょうどいい時に父なるテムズ河に入り、ちょうどいい時にボートから逃げ出した三人男に乾杯!
わん!
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軽妙な話
モンモランシーを含めてみんないいキャラクターをしてる
モンモランシーがでかい(?)猫にちょっかい出しかけるあたりが面白かった
コニー・ウィルスの「犬は勘定に入れません」を読む前に読んでおきたかったので読んだ
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フォローしているb-matatabiさんの感想に共感して手にした。英国ユーモア小説の古典と言う事だが、今読んでも、変わらない人間の本質とかが描かれていてドキッとさせられる。バカバカしい小説の様だが鋭い人間観察が面白かった。
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井上ひさしの解説に惹かれて借りた。イギリスの地歴に詳しいとより面白く読めそう。英語でも気軽に楽しく読めそうな本なので英語で読んでみようかな。
流し読み。
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三人の病弱な紳士たち、ジョージとハリスとぼく、それから犬のモンモランシーは、休息と気分転換が必要だという理由で、テムズ河をボートで漕ぎ出すことに。
寝泊まりする場所や、持って行く物や食糧について、三人の間で議論が交わされるのだが、すぐに話が横道にそれるし、ドタバタ喜劇みたいで笑わずにはいられない。
ボートに乗る前から、何やら珍道中が始まる予感がする。
19世紀に書かれた古典だが、ユーモアのせいか垢抜けた感じがして楽しめたし、各章の始まる前に要約された文章がつけられてあるので、内容が分かりやすくなっていた。
小さなコテージをちりばめた並木道や絵のように美しいホテルなど、河の眺めを想像しながら読むのは、まるで観光を楽しんでいるような気分だった。テムズ河の歴史にも触れることができた。
二週間の旅が終わろうとする間際、ジョージが弾くバンジョーが溢れるばかりの哀愁を引き出し、みんなですすり泣いたのも束の間、やっぱり最後も笑いで終わらせてくれていた。
笑いが何よりの癒しであるようだ。
この先も、この仲良し三人組と一匹の犬をふと思い出して、時々笑ってしまうかもしれない。
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p93 しかし現代に生きているわれわれには、この犬の美しさが見えないのである。なぜかと言えば、この犬はあんまり身近な存在すぎるから。つまりそれは、日没や星のようなものだ。ぼくたちの目にとってあんまりあふれているから、その美しさによって畏敬の念を覚えることはないのである。
19世紀イギリスの、膝栗毛のようなユーモアあふれる船遊び。お金持ち紳士の遊び。
落としたワイシャツが誰のものかわかったときの笑いの交代、ほら話や昔話、船に関する笑い話いくつか、自分が働くときはさも重労働で、他人が働くときの手際の悪さを笑い、美味しいもの好きのハリスといつも寝ているジョージ、お互いに雑言を言い合って仲良しなんだなという感じ、読んでいて楽しかったです。この皮肉たっぷりのユーモアが古典になるのも頷ける。
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1889年に書かれたイギリスのユーモア小説。モンティ・パイソンのジョン・クリーズが愛読していたというし、もはや古典。
友人である3人の罵り合いとか、すごくイギリス的なユーモア。
1900年にイギリス留学した夏目漱石は絶対読んでるね(決めつけ)。なにしろ漱石はトリストラム・シャンディだって読んでいるのだし。
本筋とは関係のない回顧談を漫談的に差し挟むのとか、『吾輩は猫である』に通じるところがある。まあ『猫』のネタ元については諸説あるのは知っているが。
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今風に表現するならほっこりする小説といえる。男三人と犬一匹が英国のテムズ川を遠漕する。その珍道中を面白おかしく紹介する。ひたすらアホな旅なのだが、男同士の旅行ってこんな感じだよなあと過去の経験を呼び起こさせる。何かつらいことがあった時やイライラしている時に本作品を読めば、リラックスできそうだ。深いことは考えなくていい。ひたすら流れる文字を(ゆっくりと)追いかけ、アホな男たちを笑おう。ゲラゲラ笑えるものではないが、ゆったりとした笑いが心の中に沸き起こってくる。
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テムズ川をボートで旅する「ぼく」とジョージとハリス。そして犬のモンモランシー。三人衆と一匹の旅は上手くいかないことも多くて現実味にあふれている。それからイギリスっぽいユーモアも会話のあちこちにあふれています。
あーわかるわかる!という箇所も多くて(特に、「ぼく」のおじさんが額縁の絵を壁に掛ける大騒動の話とか)笑いながら読みました。
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ロンドンはいつだって曇り空。憂鬱な天気を吹き飛ばす気概もない夜にはこんな本がよく似合う。ダメ・だめ・駄目な残念三銃士と1匹が繰り広げる、テムズ河におけるボート旅でのズッコケ道中。脱線と回想を繰り返す内容は人生に目的など不要だと諭してくれるダメダメ臭が溢れているはずなのに、時折挟まれる美しい風景描写や詩的な情景がふと我に返させてくれるその絶妙なバランスがたまらない。主人公の仕事に対する、真摯に怠惰であろうとするスタンスもたまらない。見上げればいつだって曇り空、それでも別に構わない。それがユーモアの力なんだ。
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ユーモア小説といったらこれとウッドハウスくらいしか思いつかない。他にもあるのかしら。もしご存知の方がいらっしゃったら、教えてください。
ボートでテムズ川下りというストーリーはあってないようなもので、この本の真髄は枝葉末節にある。これ以上ないほどどうでもいいエピソードが仰々しい美文によって綴られる、それだけで知らず知らずのうちに唇が歪んでしまうではありませんか。神は細部に宿る。違うか。
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「犬は勘定にいれません」が、この本のオマージュだと知ってから、一度は読もうと思ってた。
ユーモア小説というけど本当に面白いかな?と半信半疑だったのだけど、愉快な本だった。吾輩は猫である的な面白さ。洋の東西と時代を問わず、人間のやることを茶化したり皮肉ったりというのは、面白いもんなんだなぁ。
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ゆったりしながら読むのがちょうど良さそうな本。
小話がいっぱい詰まってる。そして、可笑しい。
おいこら、前と言ってることと違うぞと思ったり、間抜けだなと思ったり。
1番チーズの話がくだらなくてお気に入り。
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昔、新聞か雑誌の書評で推薦されていた。いつか読もうと、はじめは、workpad にメモしていて、やがて携帯電話にメモして、iphone にメモして、evernote にメモして、何年ごしかで、やっと先日書店で買った。読んでみて、たしかにユーモア小説としてよくできていると思ったが、俺には必要ないと判断した。第4章で読むのをやめる。""
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解説にこの本はテムズ川の歴史と地理を紹介する目的で書かれたもので、ハナからユーモア小説を目指して書かれたものではないとあった。そのためイギリスの地理・歴史に明るくないとよくわからない。ユーモアの部分は面白い。東海道中膝栗毛に似ている。でも膝栗毛は下ネタがかなり多いけどこっちは下ネタが全くない。
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「話がわきにそれる」というけれど、これはそのわき道寄り道を楽しむ本、かな。
行き先を決め、計画を立て、荷物を選んで詰めて、とここまでだけでもすったもんだどったんばったん、ああでもないこうでもないとひと悶着!
ミョ~なプライドと屁理屈いいわけを共にした3人の紳士(?)と1匹の舟旅。
舟を曳く場面やイギリスの地理や歴史などもうちょっと知っていればと思うところもあって、そのあたり自分自身に対して少々残念。
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英国ユーモア小説の古典。
いろいろオマージュ作品もあるようで、本作品の副題がタイトルの
『犬は勘定に入れません』(コニー・ウィリス)も是非読んでみたい。
・・・実はチラッと最初だけ読んだけど入りがほぼ同じだった。
ちなみに各章の目次的あらすじ的キーワードの羅列は、
既読の『エーミールと探偵たち』にもそのオマージュを見た(と思う)。
↑やっぱり違った(笑)。なんだったかな…
↑判明!『飛ぶ教室』だった!やっぱりケストナーだったかー。
内容については機知に富んだ場面がいくつかあって参考になった(何の?)。
展開に派手さはないけど、ほぼ全編に渡って脱線しまくり(笑)。
そしてストーリーの流れはまさにボートが川を下るかのごとくゆっくりと進む。
解説の一節、「英国人は常に英知と遅鈍の中間にある」というのはとてもいい。
本作品に描かれている三人は正にこんな感じ。
英国で暮らせばボクもこんな風になれるかな。
・・・全然レビューになってないな。
最後に。
基本的に解説はあとから読むタイプだし、
そもそも個人的に解説はそういう位置づけだと思っているんだけど、
本書は解説を先に読むといいかも知れない。
Posted by ブクログ
三人の英国紳士が10日間、ボートでテムズ河を旅する、ただそれだけの話ですが、それぞれのエピソードが声に出して笑ってしまう程面白い。実話に近いみたいです。
面白い話の合間にふと登場する真面目で哲学的な話も印象的。
ただ、テムズ河ほとりの歴史や地理が私にはちょっととっつきにくい箇所がありました(途中まさかと思ったけどこの本はそもそもは旅行案内書になるはずだったとか)。
でもユーモア小説として今も世界中で愛読されているのは納得。本書の井上ひさしさんの解説も良かった。訳者の功績もあるのでしょう。
三人三様に自分勝手な彼ら、あと、モンモランシー(フォックステリア)の活躍もお忘れなく。