感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ハイジの他者を思いやる気持ち
自分のことより他者の痛み・苦しみに心を寄せる行動に
感動します。
そんなハイジの周りには自然と人が集まってきます。
ハイジの純粋さに惹かれるのだと思います。
私も好きになりました。
ペーターがクララに嫉妬する気持ちもよくわかります。
アニメを観た人も是非手に取ってみてください。
Posted by ブクログ
【アニメにはない宗教的なメッセージ】
多くの方に親しまれているアニメ版のハイジは素晴らしい作品です。しかしながら、原作から削られてしまった部分にも、素晴らしい要素が盛り込まれています。それが宗教的な教えの部分です。
原作では、アニメ版以上にクララのおばあさんが重要な役割を果たしています。アルムへ帰りたいハイジに対し、クララのおばあさんが「神さまに何もかもお話しすること」を教えます。
それ以後、神さまに家へ帰れるようにお祈りするハイジですが、祈りはかなわず、お祈りすることをやめてしまいます。そんなハイジに、おばあさんは再び語りかけます。
神さまは、わたしたちが願ったことでも、ためにならないことであれば叶えてくださらない。どんなときでも祈り続ければ、やがてわたしたちにとって一番良いようにしてくださる。
このおばあさんのメッセージを受けたハイジは、再び祈るようになります。そして、ハイジの思想に大きな影響を与えることになります。
後にクララがアルプスを訪れ、歩けるようになった際、自分が長い間アルプスへ帰れなかったからこそ、クララがアルプスを訪れ、歩けるようになったことのだと考えます。つまり、ハイジの「家へ帰りたい」という願いを神さまがすぐに叶えてくださらなかったからこそ、一番良いようになったと悟ったのです。
ハイジやクララだけでなく、ペーターや、おじいさん、お医者さんたちもこの思想によって救われていきます。
この削られてしまった部分こそ、原作の最大のメッセージのように思います。
Posted by ブクログ
TVの学習塾コマーシャルに『ハイジ』のアニメが、なぜ使われるのか?
長年不思議だったけど、わかった!
まさに「ハイジの修行時代と遍歴時代」だからね。
子供の頃に読んだときは、物語の展開が面白くて印象的だったけど、(例えば「夢遊病」とかクララが歩けるようになるあたり)
今回じっくり読むとまさに成長物語、学習物語、それがなかなか面白く巧みに描かれていて、(ヨハンナ・シュピリもそれを意識して書いたという。)
なおかつ、アルプスの情景も素晴らしいから、観光したくなるし。
Posted by ブクログ
古典新訳文庫の刊行作品はほぼ購入しているのだが、うれしいことの一つはいわゆる有名児童文学作品を新訳で出してくれていること。本書ハイジについても、児童書で読んだこともなければアニメ版も見ていないので、今回読んでやっとあらすじが分かった。
第一部は「ハイジの修業時代と遍歴時代」と題され(ゲーテの作品名が連想される)、母親と死に別れ母の姉の世話を受けてきたハイジが、周りから偏屈との評判を受けている祖父に預けられるところから始まる。素直で、山や花々の自然を愛し、山羊とも仲良くなるハイジは、おじいさんと心を通じ合わせ、また山羊番のペーターやそのおばあさんとも親しくなっていく。
アルプスの大自然の中で伸び伸びと育つハイジであったが、叔母の仲介で車椅子生活をしているお嬢様の遊び相手としてフランクフルトのお屋敷に行くことになる。そのお嬢様がクララ、父親がゼーゼマン氏。慣れないお屋敷生活にいろいろな失敗をしていたハイジであったが、空も花も見ることのできない窮屈な生活に圧し潰されていく。心配したゼーゼマン氏によりアルプスに送り返されたハイジは、元の生活に戻って健康を取り戻し、みんなと明るい生活を送ることができるようになった。ここまでが第一部。
第二部は「ハイジは習ったことを役立てる」。今度は、フランクフルトからゼーゼマン氏の友人のお医者さん、クララとおばあさん、そしてゼーゼマン氏と、ハイジのところを訪れる。その間には、ハイジを取られたように嫉妬心を感じたペーターの悪事などもあるが、クライマックス的にはクララが自分で歩けるようになった出来事を経て、ハッピーエンドへ。
アルプスとフランクフルトが対比的に描かれていて、それだけアルプスの下での生活がハイジにとって自然であったことが強調される。
また、ペーターのおばあさん、そしてクララのおばあさんとの会話により、ハイジが神様を理解し、感謝するところなどは、たぶん作者にとっては大きなテーマだったのだろうなと感じさせられた。
本書では、ルドルフ・ミュンガーの挿絵が多数収録されているが、アニメ版の丸っこくていかにも”かわいい”ハイジの顔かたちとの違いを見ることも面白いと思う。