言語学の専門家ではないが、東大の言語学科を卒業して、学生のころから30年くらい(?)で100を超える言語を学習するという、まさに外国語学習を愛する著者による体験談、アドバイス。
様々な言語を学ぶために、学生時代はバイト代を外国語学習のための本や辞書につぎ込んで、社会人になってからも電車の通勤時間を
...続きを読む、確立されたスタイルで語学学習の時間を有効活用し、そして何よりも、様々な言語の学習を楽しんでいる姿勢が、とても羨ましいと共に、自分が恥ずかしくなった。というのもおれ自身は、一応言語学をかじり、とりわけ様々な言語にアクセスできる状況にあるのにもかかわらず、すぐに訳本に頼ろうとする、活用の多さに挫折…など。個人的に著者の姿勢から学ぶことはたくさんあり、こういう人こそ言語学の専門家になれば良いのに、という余計なことまで思ってしまった。
さすが多言語学習愛好家だけあって、外国語学習のコツや要領はなるほどと思わされる。「無駄のない学習(「習うべきところは習い、慣れるべきところは慣れよ」)」「耳通し」、「共通文法カテゴリーの作成」…などなど、決して語学の天才しかできない離れ業ではなく、外国語に興味のある誰しもが楽しんでできることを紹介してくれている、非常に読みやすい本。