本間有のレビュー一覧

  • 縮みゆく男
    "2013年6月にお亡くなりになった著者、リチャード・マシスンさんの代表作の一つ。
    ジャンルでいえばSF、冒険談となるのだろう。この本には、人生とは何か?生きることの意味が問いかけられている。ある男の生きざまとして読むこともできる。縮みゆく身体も蜘蛛もスズメも飢えも比喩としてとらえることもできて、あ...続きを読む
  • 縮みゆく男
    初マシスンと思たら、「奇術師の密室」を読んでいた。
    翻訳苦手やけど大変読み易かった記憶が。訳者の方が同じ。
    他界されたのか…追いかけてみようと思う。

    そしてこちらもスラスラ読ませていただいた。面白い…。
    マシスンも追いかける。
  • 縮みゆく男
    主人公のスコットが小さくなるにつれて、
    人間としての存在価値といったものが変質して、
    失われていく様が生々しい。

    一日ごとに少しずつ小さくなるというチープな設定も、
    巧みな心理描写がされているので、
    質の良い思考実験のような印象を受けた。

    安直なSFサスペンスではなく、
    人間の存在意義とは何かと...続きを読む
  • 縮みゆく男
    毎日縮み続けていく男の人話。SFの古典として読んでみたけど、名著と言うだけあって、単なるホラー、SFでは終わらないメッセージが入っているのが伝わってくる。縮み続けて身長がゼロ以下になった時に人間はどうなるのか?
    何となく展開は読めるけど、
    クライマックスまで話のもって行き方や主人公の気持ちのもって行...続きを読む
  • 縮みゆく男
    人間が生きる理由、存在の尊厳、死に対する向き合い方を、虫よりも小さくなっていく主人公という荒唐無稽な設定で緻密に練り上げた物語を通じて考えさせられる、SFの名作。
    景色や心理描写が細かい分、なかなか読むのが個人的に辛い面もありましたが、気付くと物語の世界に入り込んでいて、さすが巨匠って感じです。
  • 縮みゆく男
    1日に3.6mmずつ縮んでいく男の最後の1週間。6日目には3.6㎜だった身長は翌朝には消える運命と思いきや?
    SF的発想はそれだけ。あとは不条理劇です。
    妻の身長を下回った時に夫の尊厳は失われ、娘の身長を下回った時に父親の尊厳が失われ、ドールハウスに暮らすようになると人間としての尊厳さえ失われる。殆...続きを読む
  • 縮みゆく男
    蜘蛛と戦う、発情する、怒号を飛ばす。基本この三つのループ。格ゲーで角に追いやってからのハメ技をずっと見続けてる感覚。アントマンを見た後にあー縮んで見たいって大多数の男が透明人間になりたいのと同じ理由で自分自身考えていたが、その考えを改めるきっかけになった一冊。

    退屈なものをグニョーンと引き伸ばして...続きを読む
  • 縮みゆく男
    タイトル通りの話。どんどんどんどん縮んでゆくスコットの、過去と現在が互い違いに描かれて、過去の絶望感とかやり切れなさとか焦燥と、現在の生きるための奮闘ぶりに、なんかもう応援せざるを得ない。「なんとかならないのか?!」とこっちまでざわざわする。
    このまま終わるかと思いきや、ボロボロになりにらも戦い抜い...続きを読む
  • 縮みゆく男
    これはSFではない。
    ファンタジー系のミステリー。
    主題としては面白いのだが、ぼくとしてはこの先の展開が欲しかった。
    悪くないが、そんなに好きにはなれない。
  • 縮みゆく男
    放射能を含む海霧を浴びて、身体が縮み続ける病気に冒された男の物語。人間の社会は、人間の身体のサイズを基準に成り立っている。家の大きさ、家電や家具や車、洋服や食器などの身の回りの物はもちろん、男女の恋愛や親子関係、さらには職業までもサイズの影響を免れない。

    ただし、どこまで肉体は縮んでも、衣食住に関...続きを読む
  • 縮みゆく男
    初めて読んだリチャード・マシスン。
    最初は、SFもの特有の不可思議や現実離れした空想の世界を楽しむ、ほんと思ってかかったが、それだけではなく考えさせる作品でした。

    それは、人間が“存在する”ということの本質を「或る男が少しずつ縮んでいく」事象を題材に、抉りだそうとしたのではないか、と思う。存在して...続きを読む