唐辺葉介のレビュー一覧

  • つめたいオゾン
    最後まで一気に読んでしまった。
    やはり文章がうまい。
    ただ、少女の境遇は、つらすぎてページを飛ばしてしまった。

    カズオ・イシグロ的感性というか、あらゆる人間集団の思想信条類形から離れた、個人の悲喜劇を、でも個人の力ではどうしようもない大きな力で握りつぶされる、そういう人間を描いている作品を、自分は...続きを読む
  • つめたいオゾン
    絶望感が溢れる物語がわりとすき、あんな絶望が身体中に染み渡ってる感じがとても心地よい。最後はHEだろうかBEだろうか,うまく収めるのならそれはそれで別に構わない。唐辺さんの小説は初めてだが,プロローグだけで一気に読み終わりたくなった。読み易くて、展開も穏やかで、意識と身体の存在意義も見事で、それにタ...続きを読む
  • 電気サーカス
    とにかく退廃的。前向きになりたい時には読んじゃいけない本の代表格。

    だけど、とにかく引き込まれる、そんな小説です。
    共依存で薬物依存、お先真っ暗としか言いようのないモラトリアム期間を過ごす主人公の心情に大いに共感しながら、適度な間隔保って読みましょう。
  • 電気サーカス
    エッジーな世界観の小説で、非常におもしろく読みました。スタイリッシュな文体で、ストーリーも目が離せませんでした。
  • 電気サーカス
    切ない。
    つらい。
    どん底まで落ちていく感じがずっしりきた。
    一歩間違えたら自分もこうなってしまうかもしれないという怖さ。
    中盤ぐらいからどんどんひきこまれた。
    ギークハウス をみても思ったけどシェアハウス自体は楽しそう。
    一生独身だったらシェアハウスで老後過ごしたい。
  • 電気サーカス
    中毒的な莫大な心理描写 病態 退廃 絶望 空虚 依存 怠惰 が脳内に無限膨張し ゲシュタルト崩壊し 最期は最高の虚無感に帰還する
  • 電気サーカス
     自分の少年時代を思い起こさせる少女と出会って、何とかしてあげたくて、入れ込みすぎて、結局お互いズブズブに溺れていく、ただそれだけの話。それだけなのに、なぜか厚い。どうしようもない日々の生活と自分の内面をつらつらと書き連ね、埋め立てていく。

     酒と薬物に逃避して、身体を壊して、そこそこ仕事は出来て...続きを読む
  • 電気サーカス
    大した展開があるわけでもなく半分くらいまで退屈しながら読んでいたのに、いつの間にか主人公に感情移入してぬるま湯気分に浸りながら読んでた。
  • つめたいオゾン
    主人公たちがかかる奇病の作りこまれた設定と丁寧な症状描写は面白かったのだが、不幸設定がちょっと過剰かな。
    絶妙な寂寥感と余韻あふれる終盤はこの作者らしい。
  • 電気サーカス
    PCをマイコンピューターと呼んでいた時代から触れてきて、この小説のダイアルアップ回線時代、テキストサイトなども懐かしく思いつつ読んだ。
    が、その当時のネット利用者がみんなこんな怠惰な生活を送っていたわけではない。
    社会に不適合とも言える青年と彼の周りの人々の退廃的な日常がただつらつらと綴られている。...続きを読む