著者の高木幹夫氏というのは関東で小学生の子どものいる(かつて持ったことのある)親であればたいてい聞いたことがあるであろう日能研 = 中学受験に特化した私塾の代表。
それにしても誤解を招く題名だ。書面だけ見ると「予習よりも復習が大切」みたいな内容をどうしても想定してしまうが、著者が言う「予習病」とい
...続きを読むうのは、帯に説明があるように、
「すでに知っている領域に固執し、進め方において予定調和を求め、未知の事柄に対して無視したり否定したりする精神の傾向」
のことを指している。
(この要約は私の理解が入っているので、著者の想いと100%正確ではないかもしれません)
※その病に罹っている人の特徴として「いっぱいいっぱいで…」という口癖がある、と著者の指摘。
そういう意味で、この著者の指摘には大変に共感するところがある。
もっと言えば、「生徒」の前に学校の先生たちが著者のいう「予習病」に罹っていると言えるのではないか。日本の、とくに公教育のの学校の多くでは。
と、子どもの教育については、ほんとうに難しい問題で、私自身うまく出来ている自信は全く無いので、批判めいたことを書くことはこれ以上は控えておきますが、考えてみれば「学校」に限らず、日本社会全体が「予習病」に罹っているとも言えるやもしれません。
最後に著者が書かれている、「予習病」の対義語にあたる精神の傾向、姿勢を引用しておきたく思います。
【未知への準備】
予測できないものに出会っても、しっかりと向き合い、必要な対応ができること。また、新しい未来をつくるために、自分ができること、今はできないことをいつも確認しておくこと。
…御意。