桑木野幸司のレビュー一覧
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面白かったです。これまで聞いたことのない話が多く、純粋に知的好奇心が満たされました。本書は「ありがちな」ルネサンス解説本とは一線を画しています。「ありがち」な本というのは、ルネサンスを芸術やヒューマニズムの視点から論じたり、ルネサンス時代の光と闇という切り口で分析するものです。そうではなく、本書では...続きを読むPosted by ブクログ
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見に行きたいと思ってすぐに行けるところばかりではないけれど。それに、行ったらみられるものばかりではないけれど。
造園が、作庭が途方もなくお金のかかる趣味である限り、その時代の思想が反映される。花壇の幾何学的な形状は手入れのためだけではないと。
庭園が、世界のミニチュアであるばかりか、錬金術が占星術が...続きを読むPosted by ブクログ -
いまの日本だとゼネラリストよりスペシャリストに重きを置く方向になっているように思うがやはり学術に限らずビジネスも繋がりがあることを考えるとルネサンス期などのように満遍なく学んでいくことが大切だということを再認識した。スペシャリストでもその前提としてゼネラリストであること。
そしてwebやSNSの普...続きを読むPosted by ブクログ -
自分たちとは遠い時代遠い国の謎を軽妙な語り口で解き明かしてくれる。ときどきクスッとさせられる一文も。博物館の歴史を最近調べていたので、ブンダーカンマーの話はとても興味深かった。情報が膨大すぎるから体系づけの必要にせまられたというのは、現代にも十分通じる話Posted by ブクログ
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面白かったです。
記憶術の起源から、そのもっとも盛えたルネサンス、近代に近づくにつれ衰微していく文字通りの「全史」を辿った本。
ここから、ルネサンス的な美術・建築にいくこともできるし、情動と記憶の関係を追っかけても良いし、エーコ的な記号論につなげることも可能です。Posted by ブクログ -
中世からの記憶術についての本、
前から気にはなっていましたが、
思った以上に具体的な精神内のロクスに
イメージを配置したり消去したりは
イメージ力があればできそうな気がしてきます。
催眠などで、トラウマを抱かされた相手を殺すような技法がありますが、
忘却術に似ているかもしれません。
本を閉じたら忘...続きを読むPosted by ブクログ -
ルネサンス時代の研究で特に博物誌としての書籍を説明した本である。情報革命がルネサンスで起こったといわれるが、その情報革命の定義が書かれていないような気がする。ひとつひとつ見ていけば面白いものがあるのかもしれない。ルネサンス史として読んだ方がいいと思われる。Posted by ブクログ
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紀元前からある記憶術の全史。記憶術のノウハウ本ではないし、ややオカルトっぽい内容もあったりする。今のように紙も筆記用具もパソコンも記憶媒体もcloudもない時代に、長編詩や神話や大王の物語を記憶だけで何百年も語り継いだ記憶術。著者の主張で膝を打ったのは「ルネッサンス期に人類史に残る美を生み出したのは...続きを読むPosted by ブクログ
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記憶術というテーマに惹かれて読んだ。なるほどと思うが、学術なので面白くはない。哲学書を読むのが苦痛でないと、読むのは辛いかもしれない。Posted by ブクログ