ポール・J・ザックのレビュー一覧
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オキシトシンって出産のときからお目にかかり過ぎて身近な名前だったから読んでみたら思い当たるところが多くて。産後、前とくらべて考え方や感じ方が大きく変わってるなと思うことが増えたのでいろいろと腑に落ち。経済のお話は3割くらいで、人(と動物)の行動とホルモンの関係についてが殆ど。Posted by ブクログ
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サブタイトルにある「愛と共感の神経経済学」に惹かれ購入。社会や個人が幸福で繁栄の道をたどるのか、広い意味で貧しいままなのかを決めるのは、資源の有無や技術力、軍事力ではなく、互恵関係や信頼性だという。個人的経験に照らして考えても、不幸や出来事に見舞われている状況を見ると、それが映画であっても涙するし、...続きを読むPosted by ブクログ
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人間の道徳的な行動のカギはオキシトシンという化学伝達物質。平均的に女性の方が多い。
オキシトシンを増やすには、信頼を込めて人と接するだけでよい。それだけで相手はオキシトシンが急増する。
自然界では、環境からのシグナルによって、リラックスして安全な事がわかるとオキシトシンが急増する。
オキシトシ...続きを読むPosted by ブクログ -
「あなたは自分がしていることを堂々と母親に告げられますか?」
これはebayが他国に進出する時、倫理規定を考えた時に考え出した言葉である。はっとさせられる言葉である。
コンピュータはプログラムを忠実に実行するだけだが、ヒトは何らかの意図を持ち、複雑な行動を組み合わせて何らかの結果を生む。
海馬により...続きを読むPosted by ブクログ -
人の信頼関係を、小さな分子(ペプチド)で、脳の中で信号を送る神経伝達物質と、血液中でメッセージを運ぶホルモンの両方の働きを持つ「オキシトシン」に着目して、どのような時にそれが分泌されるのか、あるいはそれを注入した場合にどのような影響を与えるのか等の実験から「愛と共感」との相関を導き出し、それこそが経...続きを読むPosted by ブクログ
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信頼とか思いやりとか共感とか。主観的な感情を本気で科学した本。結論部はごく平凡にまとまっちゃった感はありますが、パプアニューギニアの部族からサンプルを採ったり、スカイダイビングをしてみたり、ユニークな実験の数々とその考察はすごく面白かったです。Posted by ブクログ
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脳科学、生物学的な知見も含めた行動経済学に興味があり、新しい社会のモデルについて知りたくなり手に取る。
伝達物質のひとつである「オキシトシン」が信頼と共感を生み、資本主義に代わる新しい経済のあり方について研究の成果に基づいて説明している。
オキシトシンは女性ホルモンであり、他者からの信頼を得るこ...続きを読むPosted by ブクログ -
利己的な行動を取る人間が多くいる市場は、いずれ廃れてしまう。
一方、お互いを信頼し、向社会的行動を多く取る市場は繁栄する。なぜか?
ここで筆者は「善循環」という概念を提示して、この繁栄のメカニズムを説明している。
善循環とは、共感→道徳的行動→信頼→オキシトシンの分泌→共感とサイクルしていくメ...続きを読むPosted by ブクログ -
タイトルのうまさで技ありの本書、実証実験をとおして経済的繁栄のための異なるアプローチを模索する。「振り込め詐欺」が横行する現実社会に鑑みると理想主義的な視点だが、それは魅力的な理想像でもある。ところで「競争」がなければ我々が享受している革新的な技術はどれだけ具現化されていただろうか。Posted by ブクログ