会社では営業職一筋です。暗黙知は無くとも、整理する意味を込めて自分なりに自分の所属する営業マニュアルを作るとしたら、どのようにまとめるか?
そのような気持ちを持って読むと参考になる原則がたくさん書かれています。
ノウハウな箇所は営業の形が違うので(作中の言葉を借りると、著者は生産財ですが自分は消費財
...続きを読む)腹に落ちない部分も多少ありました。自分の営業観を創る上で参考書となり得る一冊です。
以下に学びのポイントを列挙します。
第一章 あなたは本物の営業マンか
◉広義の意味で『営業とは事業を営むことである』
⇨事業を営む上で大事なこと
・現実を正しく掴む力
・それを関係者に伝える力
・何を為すべきかの構想力
・確実に実行する力
◉生産財と消費財ではマーケティング手法が違う
◉営業=「顧客の支持と満足を得る全社一丸の組織作り」
⇨目的:モノやサービスを売って会社に利益をもたらす事
⇨管理職と担当者では求められる営業のやり方が違う。
‥‥視野の広さと深さ。管理職では広さ、担当者では深さが求められている
・最終判断を下すのは管理職だが、判断材料を提供するのは担当者。
▶顧客が何をいくらでどれだけ買いたいかによって企業の活動が決まる。
営業とはそのことを素早く掴み、利益を上げる活動である。
◉営業は「売る」ではなく「知る」が基本
⇨常に顧客の視点から、現実を見て事実を知るのが基本
=ファクトファイディング
▶「数字」の読み方に通ずることが重要
⇨売上推移、利益管理、業界・市場動向を数字から認識する能力
◉営業と販売は違う
販売=単に商品を売ること
営業=継続的に事業を営む
◉営業の真の役割は客は何を提供したら喜ぶか?の「何」を見つけること
⇨商品が売れるたのは、営業の努力以上にそれを作った人の功績が高い。
売れている間に次の売れる商品の土台を築くのが営業の仕事。
・土台とは需要のある商品は何か?販売ルートを開拓する、認知を高める事
▶売れる商品を見つけるにはエンドユーザーが考えている事をキャッチする
▶上手くいかないときは「今のやり方は間違いか?」と立ち止まること
◉礼儀作法という基本的なことを出来る人が「人間力のある人」
⇨人との付き合いは時間の長さではなく、その密度で決まる。
第二章 事実を掴む事からはじめよう
◉情報を掴む為に必要な考え方
▷「市場に聞く」とは、今起こっていることを理解し、将来を予測する事
▶需要の無い商品をいかに売るかより、需要のある商品をいかに作るかが大切
◉5年先は見える
⇨現実、変化などをメモする。
⇨昨年、今年を見比べる
⇨消費者に近いところの話を聞く
◉会話の中から相手の本音を汲み取る
▷優秀な営業マンの腕
▷接待は本音を聞き出す手法の一つ
即効性は求めない。
いずれ役にたつ話、関係を深めるためのモノ
◉情報は疑うことから始める
▷情報から仮説を立てて、結論を検証していく。「事実は何か」が重要になってくる。
第三章 鍛えるべきは社内営業力
◉社外の要望を社内で応える形にするのが社内営業力
⇨営業は会社の司令塔
▶営業力を最大限に発揮するには自社、商品について精通することが必要
⇨原価を知るのも一つである。
▷営業は商品に関する情報を全て握り、方向を決めなければならない
◉力の半分は社内に向ける!
⇨働きかける相手を見極める
◉営業の成否は準備にかかっている
⇨事前のリサーチ
⇨社内のバックアップ体制の構築
◉営業マンが自分の範疇を超えた案件を抱えこんでいては、顧客は会社そのものといつまでも取引出来ない
◉接待すべきは裏方部署
◉生産部門と営業部門の共通言語は「利益」
⇨営業は生産工程を頭に入れておく
⇨共通言語で語る
(利益で事象を考える)
第四章 人柄の良さだけでは戦えない
◉尊敬される人とは常に相手の立場で物事を考えられる人
『部下力』‥‥上司を上手く使う能力
①上司の注文を聴く
②上司の強みを生かす
③上司に応じたコミュニケーションの仕方をする
④上司を驚かせてはならない
▶苦手な上司を避けてコミュニケーションを避けては関係は築けない
▷『顧客対応力』で相手との関係を築く点では同じ
◉事前にその人に関する情報に接しておけば初対面でも深いコミュニケーションが可能になる
⇨時に上司の力を利用することも顧客対応力のひとつ
▶優秀な上司ほど自分を成長をさせてくれるモノはない
◉それぞれの顧客の個性に応じた対応が相手からの評価につながる
◉問題が起きそうな兆候が出た場合、その段階で報告する
▷悪い情報ほど早く報告する
⇨対応の時間が変わる
◉愛されるが信頼・尊敬を受けないのでは意味がない
▷顧客が購入するのはその会社の商品・サービスであり、営業の人柄を購入する訳ではない
▷肩書きとは別の部分での社内の力、裁量の範囲内での社内の調整力が見られる
▷真摯な人柄だけでなく、情報収集力・分析力・構想力・提案力など全人格的な実力が試される
▶一見無駄話に思えるものが実は宝物だという可能性があることを頭に入れておく
◉営業マンは取引先の知りたい情報を持つ必要がある
知りたい情報とは?
①同業者の動向
②ユーザー
情報が差別化のひとつとなり得る
◉重要なのは「聞く力」
二八(にっぱち)
二割話して八割聞くことが出来た商談は成功
◉対等であることと丁寧な対応をすることは全く別のことである
▷自らの要望は明確に伝える
▶「売上高と利益で考える」
相手の主張に負けないための知識をもつための勉強は必須
◉交渉力とは粘り勝ちする能力
◉リーダーとは周囲の人に元気を与え、仕事への意欲を高めてくれる人
▷人を動かすのは志と情熱
第五章 顧客を幸せにして、自らを磨ける仕事
◉営業で必須なことは真摯であること
‥‥真摯とは約束を守る、挨拶をするといった当たり前のことをする事
▷真摯たることを可能にするのが2種類のコミュニケーション
①正しいコミュニケーション
正しく伝えることを心がける。
真意をしっかり聞く、確認する
阿吽の呼吸はビジネスには向かない
②良質なコミュニケーション
相手に配慮する、温情あるコミュニケーション
◉何のために働くか?の解をもつ
▷人は自分を磨くために働く
基本はマズローの欲求五段階説
①生理的欲求
②安全の欲求
▶お金を稼ぐことはこの段階
③所属と愛の欲求
▶相手に受け入れられる、所属している場所がある
④承認の欲求
▶集団から価値ある存在と認められたい
⑤自己実現の欲求
▶持てる能力を最大限発揮し、具体化したい
理想的な愛と尊厳をまとった人になるため、自己を磨く
◉逆境の中に意味を作り出せるかは自分次第
▷左遷を左遷で終わらせるのは自分次第である
◉人間としての理想的な生き方
『上見て生きせ、下見て暮らせ』
いつか〜なりたい、〜したいという高い目標を掲げ実現のために努力して生きる▶上見て生きる
実際の生活は足元をよく見て、給料の範囲内で慎ましく暮らす▶下見て暮らす