モーパッサンのレビュー一覧

  • オルラ/オリーヴ園~モーパッサン傑作選~
    不思議な魅力と力を持つ作品集です。

    百年以上前の作家の作品であり、今は、古書店の世界名作全集か、ここBookLiveのような電子書籍でしかあまり購入できないと思います。
    当たり前の日常、当時の時代の香り、生活習慣、文化、文明が繊細に描かれ、独特な深い風情があります。

    そしてさらに精神疾患で苦しん...続きを読む
  • 宝石/遺産~モーパッサン傑作選~
    『男と女の不都合な真実:騙し合う人たち』

    人のズルさ、人の汚い面を、淡々と描いた6編の中・短編集。『遺産』や『悪魔』では、人はお金のためなら、ここまでやるか! と、人の心理の本質を垣間見た気がする。結末がどうだったのか、明示せずに読者に委ねられていて、余韻を楽しめた。
  • 宝石/遺産~モーパッサン傑作選~
    2024/03/27 13:10
    まぁ、古典なのだからやはり名作なのだろう。6篇収められている短編のうち、中編と言ってもいいくらいの長さのものが二つあり、それらは主人公のどうしようもない不甲斐なさのようなものが感じられて、途中読むのが嫌になったくらいなのだが、延々付き合ううちに、何というか底知れない...続きを読む
  • 宝石/遺産~モーパッサン傑作選~
    モーパッサンによる、約150年前の短編、中編小説集。どれもとても興味深く読めたが、特に「遺産」と「パラン氏」がよかった。遺産は、夫婦と、それを取り巻く人間たちがめまくるしく変わっていくところに楽しさを感じ、落とし所がとても気になって一気に読んでしまう。一方、パラン氏の方は大きな変化はないがやはり結末...続きを読む
  • オルラ/オリーヴ園~モーパッサン傑作選~
    大学のフランス文学講義の予習のため。

    部屋の中にいる見えない何ものかが本をめくるイメージが不気味に想像できた。
    自然の描写と、炎の描写が豊かで美しいと感じた。



  • 宝石/遺産~モーパッサン傑作選~
    古典と任命されたら、例え理解できなくとも面白くなくとも、味わえないお前が駄目なんだ、黙って読め、もしくは読み直せ、とばかりの変なしがらみが自分にはある。しかしこの本は本当に素晴らしく話が面白くて、読み終えるのに怒りすら感じる。解説で、初めてわが国に紹介したのが明治の落語家だという。その点からしても、...続きを読む
  • 宝石/遺産~モーパッサン傑作選~
    面白かった!!
    基本的に全ての登場人物がドタバタあくせくしていて、語り手は離れたところからそれを見ていて客観的に語っている。その落差が、別にふざけているわけではないのにコミカルさやユーモアを生んでいて面白い。
    19世紀フランス下級官吏の心情にも共感できるのが、文学のいいところでありモーパッサンのすご...続きを読む
  • オルラ/オリーヴ園~モーパッサン傑作選~
    作者のことは好きで何冊読んだが記憶してないが、どの作品もらしさが出ていて良かった。変に登場人物を作ったり、その説明がなくて読みやすいんだよな。やっぱり西洋人のコミュニケーション能力は成熟していて、自分の考えを見極めて生きている気がする。
  • 宝石/遺産~モーパッサン傑作選~
     各編、キラリと光るものがあり、それぞれ面白いが、何と言っても、中編の『遺産』。

     フランス文学では、持参金や遺産相続を巡るスッタモンダを描いた作品が多いが、『遺産』も、伯母の遺言のせいで家族間に生じる悲喜劇を、著者ならではの辛辣な筆で描いた作品。

     その他の作品も、現代との時代の違いは感じるも...続きを読む
  • オルラ/オリーヴ園~モーパッサン傑作選~
     大学時代、フランス語の授業で初めて読んだ作品が、モーパッサンの『オルラ』であった。辞書を引いて、一語一語確認しながら読み進めていったが、ル・オルラと怪しいモノの名前が判明したところで、ゾッ〜とした記憶が残っている。

     モーパッサン晩期の中、短編になるが、コメディ調のもの、悲劇的なもの、ホッコリさ...続きを読む