行成薫のレビュー一覧

  • スパイの妻
    戦争に向かっていく時代の小説を読むと、息苦しい。
    ザッザッと兵隊の行進の足音が迫ってくるような、暗雲に向かって進んでいくような気がする。

    日本軍がペストを生物兵器にしているという機密事項。
    今のコロナ渦と重ね合わせずにいられなかった。

    優作は妻を裏切るように守ったけれど、結局どうなったんだろう。...続きを読む
  • 名も無き世界のエンドロール
    再読。21歳の時のある事故から10年越しの悲しい復讐の話。現在、過去様々な年代での回想から構成されている。プロポーズ大作戦とはなんなのかヨッチはどうなったのかなぜ爆弾、殺し屋。
    何度読んでも面白い。伏線回収や軽快なトークがすごく好き。
  • 名も無き世界のエンドロール
    初めは「マチルダ」という題名だったらしい。映画「レオン」に登場する女の子。久しぶりに「レオン」を観たくなった。ただ小説の題名は今の方がしっくりくる。
    時制が行ったり来たりしてややこしいが、しっかりコントロールされているところは流石である。
  • 稲荷町グルメロード
    何となく手にとって読んでみたら、予想外に面白かった。

    最近グルメ小説なんてジャンルもあるらしく、美味しいものに溢れた話なんだろうなって思ったらメインは街の復興。
    シャッター街になった街をグルメをメインにして、また栄えさせようって話。

    死んだ街ではない、ちゃんと生きていて、人が生活していて…
    ただ...続きを読む
  • 立ち上がれ、何度でも
    小学校でのいじめ事件を経て成長した二人はプロレスのリングで再会する。天性のスターか不遇のヒーローか。多くの人の想いを乗せたゴングが鳴る。困難に立ち向かう全ての人に贈る青春小説。
    自分の技をかける相手を信じ、相手の技を全て受ける。強い男の象徴がプロレスラーだ。勝ち負けよりも大切なことが、四角いリングに...続きを読む
  • スパイの妻
    映画「スパイの妻」の小節版。ちなみに、映画は観てないです。

    夫の優作さんを大好きな聡子さんが、戦争と旦那とに振り回されて「スパイの妻」になってしまうまでのお話。
    聡子さん側からどうしても読んでしまうので、優作さんの人でなし具合がね、もう腹が立ってね。泰治さんがいてくれて本当に良かったです。それでも...続きを読む
  • ヒーローの選択
    面白い事は面白いけどストーリーが複雑で感じ読み難かったですね。
    もう少し単純な方がいいじゃ無いかと思います。
  • 稲荷町グルメロード
    お店のリニューアルや新商品開発までには苦労するが、そこを乗り越えればびっくりするくらいスムーズに話が進むのでちょっとびっくりした。
    乗り越える山が全部前の方にあるというか。
    逆にそこまではとんとん拍子に進むけど、その後に問題が起きるというパターンも見たかった気がする。

    考え方が真逆とまではいかない...続きを読む
  • 稲荷町グルメロード
    "ゾンビロード"と呼ばれる寂れた商店街・稲荷町商店街。復興を賭け、商店街活性化アドバイザー・クリスと女子大学生・幸菜が奔走するグルメ小説。
    地方都市の商店街はどこも青息吐息なのが現状だ。立地条件が良いか、しっかりとしたコンセプトがある所だけが生き残れる。活気ある商店街は、通りすがるだけで元気を貰える...続きを読む
  • 名も無き世界のエンドロール
    映画を観てから読みました。
    自分としては映画の方が良かったです。
    先に映画を観たせいかな。
    プロポーズ大作戦はベタ過ぎる気がします。
  • スパイの妻
    1940年、太平洋戦争前夜の神戸。
    福原聡子は、貿易商の夫・優作が海外へ渡ると、
    無事の帰りを祈りつつただ待つだけ。
    そして、優作が動き出すと、聡子と同じように読者の私も落ち着かなくなる。
    彼を信じてもいいのだろうか。
    終盤に向けて謎が次々と解けていく。
  • 僕らだって扉くらい開けられる
    よく似た小説があった気がする。
    増山超能力師事務所だったかな。
    シリアスに超能力を扱わないとこんな感じなるのかな。
  • スパイの妻
    面白かった、けど、もしかしたら映像の方が迫力があって面白いのかも。
    いつもなら、映像より本!だけど。
  • スパイの妻
    ドラマのノベライズ。映画にもなっているとか。

    ハラハラしながらあっという間にページをめくってしまった
  • スパイの妻
    映画+α。映画では想像するしかなかった心情も知ることができた。それが良かったのかどうかはまた映画を観直したときに考えたい。

    戦時下の人々の狂気を、ただひたすら夫に添うことに執着する妻という形で表現するという狂気。
    お見事です、黒沢清監督。

    ドラモンドをいちいちドラえもんと読んでしまう自分の脳が悲...続きを読む
  • KILLTASK
    二人の殺し屋の元で殺し屋修行をしている主人公。彼が裏の世界で生きることになった、家族が殺された事件と殺し屋たちに届いた殺人案件(キル・タスク)に繋がりが見えて来て…。

    ノワールとミステリーの融合のような作品。ただミステリー部分のからくりについては途中で何となく分かってしまう。
    殺し屋や情報屋など裏...続きを読む
  • KILLTASK
    キルタスクだウィルだ、天使だ悪魔だ、みたいのが鼻につく。今までも行成作品てこういう感じで、それが好きだったはずなのに今回はなぜかはまらなかった。嘘や隠し事がもやっとしたせいかも。
  • スパイの妻
    この作品の人物たちの選択が正しかったのかは分からないけれど…娘(八重子)家族の視点があるから主人側の視点が際立つなと思いました。やるせない。
  • スパイの妻
    満州から帰国した貿易商の夫にかかるスパイ容疑。妻・聡子が辿り着いた驚愕の真相とは?戦争に翻弄される男女の愛憎を描く究極のラブ・サスペンス。NHKBS8Kにて放送されたドラマの小説版。
    "ヒーロー"を追求する行成薫さんが、何故この題材と最初は思ったが読み終わり納得。愛する者を幸せにする為には、世界を変...続きを読む
  • バイバイ・バディ
    謎の男たちに追われる大学生の三咲の前に現れたミツルという名の変人。理由が分からない彼女だが、追う側にも守る側にも過去の約束と因縁があった。それぞれの切ないまでの友情が胸を打つ青春群像劇。
    行成作品のテーマは"今そこにいるヒーロー"である。"トモダチ"という定義が曖昧で個人差のある言葉に、束縛された人...続きを読む