西村亨のレビュー一覧
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太宰治賞受賞作というだけあって、最初から最後まで、え、この主人公は私では?と思わざるを得ない作品だった。
ここまで思い詰めてしまっていると、こわいけど笑える。主人公の彼(私)は一貫して大真面目なのだから。
タイトルを見て衝動的に購入した後、取り憑かれるように一瞬で読み終わってしまった。Posted by ブクログ -
主人公の生死感が自分と似ていて、共感しながら読んだ。他者を傷つけるのが嫌だから自分を抑圧して生きているところも。他人はどこまで行っても他人。でもそんな他人の中で一握りの知己を得られたら、人生をもっと前向きに生きていけるんじゃないかと思った。Posted by ブクログ
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「ただ、死ぬならなるべく人に迷惑をかけない形にしたいとは思いますけどね。取り込みとか飛び下りはもちろん、その姿が発見者にトラウマを与えるようなことにならないように。そうゆう配慮の無い自殺はみっともなくてダサいと僕は思います。」Posted by ブクログ
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コロナ下という閉塞感のある社会状況の中、マッサージ師として日々を過ごす主人公。吐き出せずにいる不平不満が心の中から溢れ出す最後の瞬間、これって誰にでも起こり得るような気がして怖くなった。Posted by ブクログ
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人生の歯車が狂うと、見るもの感じるものが悪い方向に引きずられ、気にかけてくれる人すら理解してくれないと拒絶する。なにかのきっかけでこの悪循環に入りうる恐怖を感じた。Posted by ブクログ
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憤怒、苦笑、悲愴、共鳴…人間のあらゆる感情を次々に提供してくる物語。柳田の美点である真面目で繊細、洞察力の鋭さが自身の心を蝕んでいく。駐輪場のスプレー場面は、理性を失うも冷静な柳田を見事に表現。
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