小川幸司のレビュー一覧
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世界史教育史および世界史/歴史総合教育の(史学系人文アプローチとして手堅い)トピック集・兼・エッセイ集だった。松本サリン事件の話から始まるところに面喰らいつつ、そのことが著者自身の実体験および教育実践経験と相俟って優れた導入になっていた。世の残酷さに対して歴史学のアプローチで立ち向かえるような優れた...続きを読むPosted by ブクログ
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冒頭の著者の実体験である松本サリン事件の話からグイグイと読ませます。結果的にその段階から本書の“歴史実践の実践”とも言うべき土俵の上にまんまと乗せられていた訳で、最後まで読み進めた結果大きな感銘を受けました。これぞ名著!という感じです。
また、本書の出版は2023年6月ですが今現在パレスチナの地を蹂...続きを読むPosted by ブクログ -
爆弾みたいな新書でした。読みながら自分の固定観念がぼんぼん爆発していく感じに驚きました。いきなりの松本深志高校の教員として「松本サリン事件」にどう向き合ったかというエピソードにも面食らいますがそれがファクトの曖昧さへの対峙の仕方に繋がりベンヤミンの「危機の瞬間にひらめく想起をわがものにする」という言...続きを読むPosted by ブクログ
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高校の世界史総合が実施されるにあたり、歴史総合における世界史と日本史の考えや学習について高校で教える立場から述べたものである。高校での実践が多いが、大学生も大学で歴史を学習する前に読んでおくことで、歴史とは何か、ということが考えられる本である。Posted by ブクログ
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日本史と世界史を共に学ぶ歴史総合を考える上で重要な一冊。世界史の中の日本というものを考えるうえで概念などが分かりやすく書かれている。世界史をほぼ学ばなかったわたしにも理解ができる内容。ある意味、これをもとに授業を展開することや、副読本として生徒に購入させるというスタイルをとっても良さそうな内容。Posted by ブクログ
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あの松本サリン事件の現場から、それほど離れていない松本深志高校で考える、松本サリン事件(特に河野さんを犯人扱いした報道等を中心に)に始まり、パレスチナにおけるNakba(ガザ回廊等)の物語へと至る、この本の内容(流れ等)を辿るのは、なかなか大変な事でありますが、★四つであります。Posted by ブクログ
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非常に内容の濃い本だと思った。ただ、序盤が少し読みにくいかもしれない。
歴史総合を教える立場なら、この本を読んでから授業するのと、読まないで授業するのとでは意識や視点の面で大違いだと思われる。
近年の歴史研究の動向がよく分かった。Posted by ブクログ -
ここで提唱されている授業計画は「なる程」と唸らされるものばかりで素晴らしい。現役の高校教員である著者の実践を通したものなのだろう。
ただ、これを実践していくには生徒側にそれなりのリテラシーが求められるし、展開のスピードにも制約があるだろう。どれだけの学校でこれが実現できるだろうか。Posted by ブクログ -
<目次>
第1章 私たちの誰もが世界史を実践している
第2章 世界史の主体的な学び方
第3章 近代化と私たち
第4章 国際秩序の変化や大衆化と私たち
第5章 グローバル化と私たち
<内容>
『歴史総合』という新しい授業に対する本の第3弾。より実践的な内容となっていて、『歴史総合』を効果的...続きを読むPosted by ブクログ