人間の条件
(和書)2012年01月17日 19:52
1994 筑摩書房 ハンナ アレント, Hannah Arendt, 志水 速雄
最近ハンナ・アレントさんの影響を非常に受けている。
去年、地震があった頃、大杉栄さんの本を読んでいた。そのあたりが奇遇ではあったが、政治哲学というものを自分
...続きを読む自身の関係性の中で考えることが必要だと感じるようになった。
僕は政治というものを軽蔑していた。なぜならばナザレのイエスもソクラテスも政治的敗北によって死んでしまったと思っていたからである。どうせ政治的には負けるに決まっていると半ば絶望だと認識していた。しかし自分が生きるなかの関係性において政治的に負けるとわかっていても、やらなければならないことがある。それはマルクスに言わせれば無条件的命令、カントだと至上命令、ナザレのイエス、ソクラテスなら何になるだろうか?
その中で僕は柄谷さんに言わせれば深刻な病に陥った。僕個人にとっては徹底的な政治的敗北を痛感した。それに対しどうすればいいか途方に暮れるばかりだった。イエスのように「何故神は我を見捨てた給うたのか」と言いたい状況だった。政治的敗北ではあったが宗教的には成功したのか?そういう見方もあるだろう。それは考えない。そんなことを期待すること自体間違っていると感じる。
そんな中で政治的敗北を考えるより政治哲学としてそれを止揚するというか乗り越えることを僕は考えるべきだった。実際、考えていた。しかしそれをもっと明確にして行くべきだと考えるようになった。そのためにハンナ・アレントさんの作品はずば抜けて有益である。
これからも他の作品を読んでいきたい。