読書ができる年齢って、実は限られているのではないか。
自分の場合、70歳を越えて、きちんと読める気がしない。
だから、残りの人生で、あと1冊、哲学書をよめたら、と思う。
本書を、「最後の1冊」を選ぶためのカタログとして利用しようと思い、手にする。
しかし、最初の1冊目の「超要約」に打ちのめされる。
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「ソクラテスの弁明」に付されたものだ。
師のソクラテスが裁判で自ら死を選ぶまでのプロセスを描いた弁明の記録。しかし、プラトンによる脚色がなされているため、ドラマチックな物語としての側面もある。哲学の父ソクラテスはこうして誕生した。
もちろん、100字での要約などそもそも「ムリゲー」なことは、わかる。
そこをあえてやってみせたのが本書だということも。
とはいっても、これは要約なのか?
もうちょっと中心となる概念とか、特徴的な考え方とかわからないのか?
一瞬、ここで本を置こうかと思った。
が、近現代になっていくと、もう少し内容が充実してくる。
「補足解説」や「エピソード」のコーナーを併せて読んでいくと、自分にとって面白いと思える本かどうかの判断の手掛かりは得られたように思う。
そうしてみると、筆者の意図は十分届いたと言える。
今日現在の「候補書」を以下の通り選んでみた。
・ラッセル「幸福論」
・ポンティ「知覚の現象学」
・ネグリ「帝国」
・ガブリエル「なぜ世界は存在しないのか」
・九鬼周造「「いき」の構造」
我ながらぜんぜん方向性が定まっていないのが笑える。