大山海のレビュー一覧

  • 奈良へ
    まさにとんでもない傑作。
    東京、奈良、ファンタジーの世界を舞台にした群像劇なのだが、次々に登場する人物が、解説の町田康曰く、作者の分身ならぬ「分魂」となり物語が語り継がれフィクションと現実の境界も飛び越えられる。
    笑いの要素も自然とそこにあり一気に読み終えた。
  • 奈良へ
    古都・奈良を舞台に、勝者の側に回ることができない、いわば「冴えない」人々を通して、無常観や人間の弱さ、人間世界の虚しさを描き出す。
    地味で悲しい(しかしどこか一瞬だけ美しさを持つ)世界の描写が続く中で、作中作として、まさかの異世界転移モノが挿入されたときは目を疑った。そしてその異世界においてさえ、相...続きを読む
  • 奈良へ
    沁みったれた現代のつげ義春的などん底青春譚かと思いきや、凄い方向にカーブしていって目が離せなくなって、あっと言う間に読み切ってしまった。
    すごい。すごい!
    空の思想。
  • 奈良へ
    すきなコマがいくつも見つかった。ガッハッハという笑いではないが、じんわりくる笑い、そこに少しだけ痛みをともなう笑いが、自分にはしみた。
  • 奈良へ
    2021.8.6
    割り切れないことを割り切れないというままで表現しているのが良いと思う。
    久しぶりにこういうタイプの作品に出会いました。
  • 奈良へ
    この著者の作品は初めて読みました。
    書店で装丁が気になったのと、町田康さんが解説されていたことがきっかけです。

    自虐的とも言える辛辣なセリフがあり、思わずクスッと笑いました。
    あぁこの著者は生きづらそうだなぁと想像しながら、共感する部分も多かったです。

    全体的に独特のリズムがあり、テンポよく読め...続きを読む
  • 奈良へ
    ☆3.5 初めて読んだ時は昂奮した
     初めて読んだ時はすげーって昂奮したが、思ひ返してもどこがそんなによかったのかわからない。町田康の「きれぎれ」を読んだ時みたいだ。