しらこのレビュー一覧
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Kの昇天について、「私」が「あなた」に、ただ話している。綺麗で幻想的な挿絵と共に唯一無二の日本語で述べられた「私」の語りは、吸い込まれるように美しい。
ドッペルゲンゲルに魅入られ、影が立ち上がって月へと昇天して行ったKの魂は、飛翔し去る。Posted by ブクログ -
梶井基次郎文学忌、結核の為死去。
1926年の作品。
イラストレーターは、しらこさん。
魂が影に移り 月へ向かう そんな情景
去年も「Kの昇天」レビューしている記憶が。同じような事書いてしまうな。
Kと療養地で知り合った「私」
満月の夜 海岸の砂浜
Kは、影が人格を持ち月へ昇るという
Kは、溺死...続きを読むPosted by ブクログ -
作者が結核を患っていて、いつも死を意識していたかと思うと、この作品も本人の心境、様子を反映したものだと思えてきて切迫した気持ちになる。きっともう、病気で苦しみすぎたのだろう。作者の安らかに死にたいという思いが映し出されているようで、いたたまれなくなった。
普通の元気な人なら、夜、海に出ても、自分の影...続きを読むPosted by ブクログ -
影にみいられた人。墜落しなかったのは、本人にとってよろこびだったのだろう。言ってしまえば溺死だけど、精神は昇天したというのが心にくる。
月夜に海辺で自身の影を踏みながら歩くkの姿を想像した。不気味とも綺麗ともつかないものだろう。
楠本まきさんの漫画で、Gの昇天 という作品があったな。この作品へのオ...続きを読むPosted by ブクログ -
乙女の本棚3連発、の一つ目。
正直、よくわからんかった!
純文学と言われるものを桃ちゃん読むと、本当に昔はすぐ隣に死があったのだな、とよく思うのですが、今回もそこに着地しました。
2024.3.24
51Posted by ブクログ -
乙女の本棚シリーズから、梶井基次郎さんとしらこさんのコラボ作品「Kの昇天」です。全体的に青を基調としたイラストは、この作品にぴったりです。
私はK君と満月の夜、療養で訪れた地の砂浜で出会った…。K君は自身の影に魅せられていた…。K君が他界したと知ったとき、「K君はとうとう月世界へ行った」と…。...続きを読むPosted by ブクログ -
溺死したKの死の謎を問われたわたし。
わたしは「K君は月へ登ってしまったのだ」と感じた。
それほどにK君は月光による影に魅入っていた。
短いけれど印象に残る話だった。Posted by ブクログ