佐野広実のレビュー一覧

  • 誰かがこの町で
    今年読んだ中で最も面白かったかもしれない。
    間違いなく今年のベスト5に入ると思う。
    ものすごく面白かった。最初から最後まで惹きこまれた。

    閑静な新興住宅街で起こった一家失踪事件の真相に迫る物語。
    一家失踪事件の生き残りである娘が、とある法律事務所を訪ね事件解決の調査を依頼します。
    そこで働く弁護...続きを読む
  • 誰かがこの町で
    同調圧力こわ〜という感想に尽きる
    みんな人間らしくて怖い
    事件の内容や顛末などは普通に胸糞悪いが、ラストが爽やかなおかげで連ドラとかでできそうな作品になってる
    私はこういうバディもの(?)結構好き
  • 誰かがこの町で
    【あらすじ】
    人もうらやむ瀟洒な住宅街。その裏側は、忖度と同調圧力が渦巻いていた。
    やがて誰も理由を知らない村八分が行われ、誰も指示していない犯罪が起きる。
    外界から隔絶された町で、19年前に何が起きたのか。
    いま日本中のあらゆる町で起きているかもしれない惨劇の根源を追うサスペンス!

    【個人的な感...続きを読む
  • 誰かがこの町で
    全体を通じて大きいテーマがしっかりとしてる。
    人間の弱さ。
    その場を収めるために流されてしまうことは、程度の差こそあれ、誰にでもある。
    ただ、そういう自分の弱さとひたすら向き合う作業は、本当に辛いだろうな。
    気持ち悪い町の描写も田舎ならありえそうな感じがするのがまた怖い。
    自分の頭で考えず、従うだけ...続きを読む
  • シャドウワーク
    4日に1人、妻が夫に殺される。声を上げられないDV被害者たちが、今日もどこかで心と体に瀕死の重傷を負っている。
    暴力夫から命がけで逃れ、江ノ島を望む風変わりなシェルターにたどり着いた紀子。
    その家には、ある一つの「ルール」があった。

    命すら奪われかねない状況に置かれながら法に守られず、絶望の果てを...続きを読む
  • 誰かがこの町で
    自分を正当化するために、“みんなが言ってる”を使っちゃうことってあるよなぁ、と思いました。
    みんなが言っているかに関わらず、自分はどう考えるか、を大事にしたいと思いました。
  • 誰かがこの町で
    人もうらやむ瀟洒な住宅街。その裏側は、忖度と同調圧力が渦巻いていた。
    やがて誰も理由を知らない村八分が行われ、誰も指示していない犯罪が起きる。
    外界から隔絶された町で、19年前に何が起きたのか。
    いま日本中のあらゆる町で起きているかもしれない惨劇の根源を追うサスペンス!
    江戸川乱歩賞受賞第一作。

    ...続きを読む
  • 戦火のオートクチュール
    フリーライターの結城真理は、母の大学時代の友人である松村弘子に母が古いシャネルスーツを持ち込んで本物かどうか、戦前に作られたものかどうかを調べてほしいと頼まれ、その件を調べにフランスへ行ってほしいと言われる。
    それは、祖母が遺した血に染まったシャネルスーツで、その遺品の謎を解くために母とフランスに赴...続きを読む
  • 戦火のオートクチュール
    「祖母が遺したのは、血に染まったシャネルスーツだった。」
    そこから始まる祖母、千代の痕跡をたどる旅。外交官の仕事は、戦争を回避するために交渉に力を注ぐこと。今、果たして外交官たちは、そのために動いているのだろうかということを考える。時代に翻弄された女性たち。ココシャネルという人物を知りたくなった。
  • わたしが消える
    静かなミステリと思ってたら、読み進むにつれ広まり絡まる展開に引き込まれてしまった。
    "クルーカット"の通称とか、渋いんだけど、ちょっとくすぐる感じもすごく好き。

    最後に残される記憶、私は何だろうな。
    それを不安だと考えてしまう"門前さん"の生きてきた日々を思うと、心がきゅーっとなった。
  • シャドウワーク
    初読みの著者さんでしたが、読みやすく、最初から最後まで面白かった。

    そして…表に出にくい、でもリアルなDVというテーマなのがまた気を惹く。
    シェルターという存在は現実にあるし、大袈裟でなく、命に関わるようなDVもあるのだろうと考えさせられる。

    何が正解なのか分からない最後だけど、加害者たちにとっ...続きを読む
  • シャドウワーク
    DV被害の女性の視点で書かれている。息を詰めて読んだ。読み始めてしばらくして大体の予想はついたが、文章が良くて違和感なかった。館山と稲村ヶ崎の景色も登場人物の後押しをしてくれていてハラハラ感が増した。
  • シャドウワーク
    相反する正義って世界にはあると思う。
    そうしないと救われない生活もあると思う。
    実際にこんな家があるのかはわからないけど、あると知ってもわたしは知らないふりをするんじゃないだろうか。
  • シャドウワーク
    DV被害に遭った被害者たちは、逃げ続けるしかないのか。
    地獄のような日々から命がけで逃れても、夫が生きている限りいつまでも怯える生活は続く。
    それを断ち切るのには…。

    シェルターであることを隠している辿りついたその家にはルールがあった。
    ルールに馴染んでいく頃には、立ち直ることができるのも近いとい...続きを読む
  • シャドウワーク
    ものすごいドメスティック・バイオレンスミステリーを読んでしまいました。こんなにもDVに苦しむ女性がいるなんて、巧妙な手口で夫を始末する連携プレイは見事につきる。もうドキドキハラハラ読む手が止まらず時間を忘れて読みふけってしまいました。あなたも読んで恐怖を感じて下さい。
  • 誰かがこの町で
    正直最初は「ん?今話変わった?」ということが多く、なかなか理解しにくかったです。
    ですが読み進めていくうちにサスペンス感が伝わってきて、ヒヤヒヤしながら、一体何が隠されてるの?!と夢中になってました。

    読み終わったあと、爽快!という感じで満足でした
  • 誰かがこの町で
    オーディブルで読みました。
    19年前の事件を調べる現在と,19年前の過去を振り返る内容と,交互に場面が変わり,次第にリンクしていく流れに引き込まれました。
    こんな町が実在していたらほんと怖いです。
  • 誰かがこの町で
    一気読みだった。
    特にその町に入ってから。
    登場人物の抱える傷が、善悪の判断を間違えてしまったことへの後悔に繋がっていて読んでいて苦しい。


    以下ネタバレ。




    何よりも孤独になった少女や過去の事件で被害にあった子は、その周りにいた大人たちの善悪の基準の被害者で、加害した大人たちは自分たちの悪...続きを読む
  • 誰かがこの町で
    先が気になり夜ふかししてしまった。度を越した同調圧力で殺人まで行ってしまう、閉鎖的な街の話だったが、登場人物は実際に居そうな人達ばかりでリアリティがあった。見て見ぬふりだったり、間違ってるよと言い出せなかったり。現実社会の問題をうまく取り入れてて、みんなチクリとされるところがありながらも読み進めたい...続きを読む
  • 誰かがこの町で
    話の筋は途中で読めてしまうけれど隠然たる街ぐるみでのいじめから犯罪へと暴走していく描写が恐ろしい。真実を告発するよりも自己保身を優先してしまう登場人物たちの弱さが新たな悲劇をうんでしまう。誰もが陥りがちなことでもある。尊厳をもった人間として生きるには勇気が必要なのだな。