2021年、1冊目です。
『選んだ道が一番いい道』大宅邦子(著)サンマーク出版
ANAのキャビンアテンダントを65歳まで、現役で勤められた方の著作です。
私は、あと4年少しで、この方と同じ年齢になりますが、
こんな素晴らし考え方を言葉として表すことは、到底できないなと感じました。
シンプルで説得
...続きを読む力のある文章であるだけでも素晴らしいが、
CAとしての学びの場から得られた人生における本質的な気づきが、
連綿と綴られていることに、大きな共感を覚えます。
読み終わった後に、頭に浮かんだ言葉は、「照一隅者是国士」です。
「一隅を照らす者、是国士なり」とは、この方の人生そのものを表わす言葉だと思います。
私は、憧れます。この言葉に。
自動車会社のマツダ(株)の3代目社長の座右の銘であったとも言われていますが、
こんな言葉を贈られる人間として、その責務を果たしたいものだと憧れます。
本の内容は、著者の大宅さんが、仕事を通して得た気づきについて、
説明をする形式で、40話ほどが載せられています。
その中で感銘を受けたいくつかのフレーズを紹介したいと思います。
「毎日という点こそ、ていねいに。線は点でできている」
この言葉は、長く地道に一つのことを続けることで、紡ぎ出される言葉ですね。
しかも、それを“ていねい”に行い続けることに意味があるとの気づきです。
誰でも、毎日を続けることができます。その繰り返される時間に“ていねい”に向き合うことで、
新鮮さが生れ、自分も少しずつ変わっていけるということでしょうか。
そして、それを振り返ると、途切れることなく続いている線となっている。
今からでも、毎日をていねいに、そして大切に生きたと思わせてくれる言葉です。
一番怖いのは、なんとなく、できていたということ。
なぜ、できたか。なぜ、できていないのか。そこに「意識」はありますか?
これは、突き詰めると、「なぜ、そうしたの?」という問いに、いつも答えられることが、
仕事をする上で、とても大切なことだと言われています。
仕事をしていたら、結果オーライ!という出来事に出くわすことが時にあります。
これが、最大の落とし穴だということですね。
同様なことは、過去の賢人たちも言葉を変えて唱えていたと思います。
すなわち、これは、意志を持って生きる人間にとって、
とても大切で普遍的な気づきだということですね。
選ばなかった道は忘れなさい。後ろを向いたままで、上手に歩ける人など いないのです。
本当に、心に沁みる言葉ですね。
後ろを向いていたら上手に歩けないという表現に感銘しました。
人生の先達だからこそ発することができる言葉であり、
目の前にある道を前を歩いていことする自分を、
最大限に認めてくれる言葉でもあると感じました。
今、前進しようとしているすべての人に贈ることができると思いました。
紹介した言葉以外にも、たくさんの輝く言葉に出くわします。
それは、透明な川底を眺めているとき、
ときどき川底のキラリと光る美しい小石を見つけた時の感覚を思い出させます。
それは、著者の気づきが、本質的で普遍的なものだからだと思います。
この本を読むことになった経緯について、最後に触れておきたいと思います。
年の瀬も近いある日、職場の人から「この本すごくいい本なんです」
読んでみて欲しいと、紹介して頂いたことが切っ掛けです。
お薦めの言葉通り、とてもよい本を読ませて頂いたと感謝したいと思います。
その方には、私が読んだ本を紹介し、読まれることをお薦めすることがありました。
それは、単にいい本だから読んでみたらということだけではなく、
この方が、その本を読むことでそこから得られる知見や考え方を、
ご自身の血肉に変えることができる人だと“感じ”ていたからです。
今回、この本を含む2冊の本を「読んでみてください」と紹介されたことで、
私の“感じ”は、”確信”へと変わりました。
その方の大きな進化を感じる嬉しい出来事となりました。
そして、ありがとうございました。
おわり