中村冬美のレビュー一覧

  • 海馬を求めて潜水を――作家と神経心理学者姉妹の記憶をめぐる冒険
    人間に宿るタツノオトシゴ…脳にある海馬を、つまり記憶のしくみについて書かれた本。
    タイトルと表紙の雰囲気に惹かれて手に取った。
    神経科学や認知心理学など、科学の本でありながら歴史、文学、心理学、建築学、神話学、生物学、環境問題などいろいろな分野の話題を組み合わせながら、情緒的でユーモラスでもある。
    ...続きを読む
  • 海馬を求めて潜水を――作家と神経心理学者姉妹の記憶をめぐる冒険
    海馬から始めて記憶への考察実験が始まる。お決まりのラットに電流を流すものからMRIや不幸なきっかけで海馬を除去したヘンリーの記録、ダイバーによる記憶やイルヴァ自身による100日間の実験など実に多方面から記憶を見つめる。そして未来との関係、鬱との関連など興味は尽きない。
    忘れることにも意味があり、忘れ...続きを読む
  • 海馬を求めて潜水を――作家と神経心理学者姉妹の記憶をめぐる冒険
    人の脳に棲むタツノオトシゴ——海馬。作家のヒルダと心理学者のイルヴァ姉妹は、地理と記憶の関係性や、他人の記憶を捏造することは可能かどうかなどを過去の研究に基づいて自らも実験し、記憶を司る器官の謎を探っていく。また、警察官、タクシー運転手、チェスプレイヤー、俳優、テロ被害者でもあるテロ研究者など、幅広...続きを読む
  • きのこのなぐさめ
    ノルウェー で文化人類学者をやっているマレーシア人のエッセイ。ノルウェー 人の夫を失った悲しみのケアときのこの喜びへの目覚め。

    きのこの匂いセミナー
    教科書的に語られるきのこの匂いは実情とことなる。

    香水の研究をしている知人にきのこのアロマの嗅ぎ分けについて相談。きのこの匂いもハーモニーのように...続きを読む
  • 幸福についての小さな書
    人間の寿命が伸びたこと、また産業の入れ替わりのサイクルが早くなったこともあり、働き方に大きな変化が生じていると、感じています。
    従来の人生モデルが成り立たなくなってきている中で、日々の生活でより、「幸せ」を感じられるようにするにはどうしたら良いのかな?と、継続して考えています。
    今の時代を踏まえた「...続きを読む
  • 幸福についての小さな書
    ●幸福について以前から興味があり、わりと真剣に追い求めてきましたが、まさかそれが逆効果だったとは…。早めに気づけて良かったです。

    ●しっかりとした調査に基づいているからか胡散臭さもなく、勉強になりました。漠然としている「幸福」がどういったものなのか、少し掴めたような気がします。

    ●過去や未来を想...続きを読む
  • きのこのなぐさめ
    きのこと喪失と。

    メイ・サートンを思い出した。あちらは詩と庭の花々。


    きのこが特に好きだ!という訳でもないけれども楽しんで読んだ。きのこ狩りは難しいけど料理したりして、生きることへの意力と食の喜びとの繋がりを実感したなあ。
  • きのこのなぐさめ
    長年連れ添った夫を亡くし失意のどん底にいた著者は、生前の夫と「いつか一緒に参加しよう」と話していたきのこについての講座に申し込む。初めて出会うきのこの深淵な世界は、彼女をノルウェーの森へ、山へと連れだした。喪失感に寄り添う趣味の世界を語り、いつしか優しい光が心に差し込んでくるようなエッセイ。きのこの...続きを読む
  • 予測脳 Placebo Effect 最新科学が教える期待効果の力
    丸善の医療コーナー付近で見かけて、購入。

    プラセボのことは、医療に関わるものとして当たり前の知識のように感じていたが、この本を読んで歴史的に知らないことが多かったと、実感した。
    プラセボや心理的効果が薬の効果に上乗せされてしまうというのも、概念としては分かる感じがしたが、実際にデータとして見ると影...続きを読む
  • きのこのなぐさめ
    最愛の夫を失った著者が、キノコと出会い、一つみつけ一つ喜びを噛み締めていく姿にじんとなりました。
    出てくるキノコの料理が食べたくなります。
  • 海馬を求めて潜水を――作家と神経心理学者姉妹の記憶をめぐる冒険
    記憶と脳の働きについて書かれた本。神経心理学者と作家の姉妹の共著ということで、海馬をタツノオトシゴに、記憶を真珠に例えて、読みやすくうつくしく様々なエピソードを紹介している。今まで読んだ「情動はこうしてつくられる」「私はすでに死んでいる」などに比べると専門性はそんなに高くなくて、実験や研究の軽い紹介...続きを読む