年代的に「太陽にほえろ!」を夢中になって観ていた世代なので、著者の名前は記憶にあった。だからこの本を見たときは、ただのタレント本、回顧録と思ったのだが、出版社の紹介文で「あの世とこの世のしくみ」「人生を生きる意味」が書かれていることを知って興味を持って読み始めた。
読後の感想としては、その直感は当た
...続きを読むっていながら、ある意味でがっかり感もありという感じ。
その理由として、今まで読んだ「あの世」の解説の中で、ある部分において一番腹落ちしたこと。「あの世」が存在することは信じているが、この世の良質なエネルギーがあの世を生成するから、あの世はこの世にいる私たちを応援してくれるというところが腑に落ちた。
また、あの世とつながり、応援を受けるためには、母親とのつながりを大切にするという部分。1日に1度、母を思い、「大好き」と思うことで母親とつながれるというところに意を得た。これは私に取って、この先来るであろう母との別れを、やみくもに恐れず肯定的に受け取れるようになることにつながると思う。
ほかの本では、「魂を磨くために輪廻転生してくる」と書かれているものが多いけれど、この本では転生してくるのは「愛のエネルギーが足りない人」。落第生なのだそうだ。この解釈も初見。言ってみれば、あの世は誰も行ったことがない(行って帰って来た記憶のある人はいない)ので、この解釈は著者のお母さんの知見。いろいろなとらえ方があっていいのでは。
私に取ってスピリチュアルとは、大切な人に先立たれたとき、この世に残された人がただ悲嘆に暮れるだけでなく、よりよく生きていけるような考え方のこと。そういう意味で、この本を読む意味はあったと思う。
がっかりした部分は、中盤の自叙伝的な記述。全体的に見た時に必要なのかもしれないが、私には興味が持てなかった。いわゆるタレント本じゃんという感じ。