丹野顯のレビュー一覧

  • 「火附盗賊改」の正体――幕府と盗賊の三百年戦争
    書影についている帯はイカれているけど、本の中身は案外ちゃんとしていた。
    江戸時代を通じた火附盗賊改の歴史的変遷と全体像がだいたい網羅されている。
    戦国時代の名残りだった敗残浪人の野盗化への対応として始まり、幕末には不良旗本や討幕派が盗賊になったが幕府の力ではもはや対応できなくなっていることまで。
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  • 江戸の名奉行 43人の実録列伝
    必ずしも名奉行ばかりではないが、江戸幕府の要職である寺社、勘定、町奉行などで特徴のある人物を紹介した本書はなかなか興味深い。時代小説で熱中した鬼平、時代劇で有名な遠山(金四郎)の意外な一面も伺えたが、それよりも私の知らない奉行、例えば矢部定謙の名裁きのような逸話を知ると、落語の政談を聞いたようで気持...続きを読む
  • 「火附盗賊改」の正体――幕府と盗賊の三百年戦争
    火付盗賊改といえば鬼平=長谷川平蔵くらいしか知らないが、本書は江戸初期から末期に至る歴史を、かいつまんで語ってくれる。

    最近江戸時代を懐古する論調をしばしば見るが、本書を読むと、江戸時代の関東近辺は予想外に治安が悪かったことがわかる。

    鬼平は確かに名火盗改であったようだが、鬼平に匹敵する存在もい...続きを読む
  • 江戸の色ごと仕置帳
    世に男と女あらば、そこに色事がらみの問題が起こるのは、今も昔も人の世の常。しかしそれをどう裁くのかには、時代の特徴が反映されて興味深い。江戸時代の色ごと仕置きがどのような考え方でなされていたかを、資料に基づく豊富な実例に沿って考察してゆく。
  • 江戸の色ごと仕置帳
    厳しい刑罰が待っていた、江戸の色恋沙汰。つい読みふけってしまいました…江戸時代って、ホントに男性社会だったんですねー。法律が男の味方。レイプの刑罰なんて噴飯もの。自由恋愛も不義密通が発覚したら死刑だし。ちょっと何だかなーな気分になりました。それでも面白かったのですが(笑)
  • 江戸の名奉行 43人の実録列伝
    江戸を通して、町奉行、寺社奉行、火付盗賊改などを務めた多くの人が取り上げられていて、その時々の大事件を知ることができて、面白かった。大岡越前や遠山金四郎、長谷川平蔵以外にも、多くの名奉行がいたことが分かる。また、拷問には手続きや奉行・老中による許可が必要であるなど、決して支配層として自由に執行できた...続きを読む
  • 江戸の名奉行 43人の実録列伝
    鬼平、大岡越前、遠山の金さん・・・。時代小説や時代劇で知られる実在した町奉行、勘定奉行、火付盗賊改など名奉行43人の実像とは?「名裁き」から生まれた泣ける人情話から、過酷なる取り調べ、火あぶりの拷問、島流しの実態まで豊富な史料から明らかにします。読めば時代小説がさらに深く楽しめるファン必携の一冊。(...続きを読む
  • 江戸の色ごと仕置帳
    仕置帳とは事件簿?裁判記録だろうか?
    まず、男尊女卑という時代背景があるものの、倫理観を現代と違うと感じた。「密通」≒現代では不倫など日常茶飯事、刑事罰となることはない。(春の)売買については、時代が変わっても、大本は変わらず。公認(公娼)は現在はいないということだろう。破壊憎、女犯については、権力...続きを読む