修論を「木密改善をテーマにした、行政の地域介入アプローチのあり方」とするにあたり、関連書として。
木造密集地域という日本の課題に対して、
“木密はとにかく危険で、一刻も早くクリアランスすべきだ”と、
“魅力ある木密はそのまま残していくべきだ”という2つの相反する立場があります。
そのあいだにうまく
...続きを読む立ち、
木密の魅力を考察しながら、その危険性に対しても厳しい指摘がされているのが前半です。
データや事例の丁寧な紹介で、説得力があります。
後半では地域防災性を高める多くのツールの紹介。終章は自発的な活動のススメで結んでいます。
おそらく対象読者として想定されているのは、地域で防災まちづくりをしようと考えている人。
彼らを啓蒙し、正しいリテラシーをつけてもらうことで、
「魅力を残しながら地域防災性を高める」防災まちづくりが広まっていくことが狙いなのだと思いますが、
書籍として少し厚いので、彼らが手にとるのかということだけ疑問でした。普通の書店で置いていないような…
でも内容としては平易で、一般の方にもとてもわかりやすい説明で書かれているので、そのうち新書のような形で出ることを期待します。