阿井幸作のレビュー一覧

  • 邪悪催眠師
    『死亡通知書』の前日譚で、刑事羅飛が登場。
    ゾンビのように人の顔を食いちぎる男、鳩の群れを追ってビルから飛び降りた男…怪事件を裏で操るのは催眠師だった。ネット上で犯人を名乗る人物が数日後に開かれる催眠師大会に参加すると表明したことで、羅飛は大会主催者の協力を仰いで捜査を進めるが…
    催眠の力がチートす...続きを読む
  • 知能犯の時空トリック
    官僚体質が甚だしい中国警察VS謀殺を企てる犯人! 一風変わった倒叙ミステリ #知能犯の時空トリック

    ■きっと読みたくなるレビュー
    中国の人気ミステリー作家先生の新作とのことで、気になって読んでみました。
    いや~、確かにこれは面白いです。

    本作、独特のプロットで物語が進行します。
    いわゆる倒叙ミス...続きを読む
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    SF短編小説集、というよりは、著者の膨大な知識や興味から編纂された空想小説集といった趣きで、その知識量にまず驚かされました。

    少女と吟遊詩人の巡り合いの旅路を描くファンタジックな「物語の歌い手」に、まさに頷かされてしまいそうになる『異常論文』たる「インディアン・ロープ・トリックとヴァジュラナーガ」...続きを読む
  • 時間の王
    『穴居するものたち』と『成都往事』がお気に入り。タイムトラベルと恋物語が相性抜群なのは言うまでもないけど、この2本は設定やスケールの壮大さ、SFとしての辻褄も合っていて読んだ後にため息が出るほど良かったです
  • 時間の王
    三体の二次創作小説からデビューしたことを後から知った。
    個人的には三国献麺記と成都往事が好き。
    三国献麺記は最後にやっぱり…!?となるのが良かったのと、成都往事は昔観た中国ドラマの「美麗的神話」や恩田陸の「ライオンハート」を思い出す感じが好みでした。
    また、どの作品も(三国献麺記以外?)ハッピーエン...続きを読む
  • 時間の王
    「三体」の二次創作小説(三体Xとして2022年に日本語版発売予定)が好評となり、SF作家としてデビューすることになったという逸話を持つ著者による「時間」をテーマにした7編収録の短篇集。どれも面白かったが、タイムスリップが可能なちょっと先の未来が舞台で、三国志で有名な曹操にラーメンを食べさせに行く「三...続きを読む
  • 時間の王
    最初のタイムトラベラーは、ゾッとする話。これほど嫌なタイムループ、あまりない。これが一生続くのは、地獄〜。
  • 知能犯之罠
    中国の警察ミステリ。官僚たちが次々と狙われる連続殺人。防犯カメラの死角を掻い潜り、目撃者も決定的な証拠も残さない恐るべき知的な犯人。事件を追う高棟と、彼の友人でありながら実は事件の犯人である徐策との攻防を描くサスペンス感溢れる倒叙ミステリでもあります。
    まあ中国に限らずなんだろうけれど……官僚の勢力...続きを読む
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    2024-04-29
    思ったよりも純文寄り。意識してなのか、だんだんSF濃度が上がっていく感じ。いや、冒頭の「サンクチュアリ」もかなりか。自分には、詩歌をテーマにした2篇がよく分からなかった。美しい物語だとは思うのだけど、SF短編集への収録理由がよく分からない。
    どの作品もそのまま長編に出来そうな煌...続きを読む
  • 時間の王
    中国の歴史を織り交ぜたタイムリープSF集。
    ロマンチックなお話が多い中で、三国志の曹操に魚介麺を食べさせようとする「三国献麺記」のバカSFっぷりが楽しい。
  • 厳冬之棺
    中国の「密室の王」と呼ばれる作者の作品。
    舞台設定や人物もまずまず面白く、若干怪奇的な部分もあり、漫画家が探偵で、第二の密室の謎をあっさり見破るところぐらいまではテンポもよく、面白かったが、、、。
    第一、三の密室は大掛かりだし実現可能かどうか理解が追い付かない。また犯人の行動も実現可能かかなりあやし...続きを読む
  • 厳冬之棺
    湖のほとりに建つ陸家の半地下室で、当主陸仁(ルー・レン)の遺体が発見された。地下室の入り口は大雨により数日間水没していたが、内部の床は乾いており、完全な「水密室」状態だった。そして殺害現場には、なぜか嬰児のへその緒が。梁良(リャン・リャン)刑事は捜査を開始するが、陸家ではこれ以降も新たな密室殺人が起...続きを読む
  • 厳冬之棺
    上海の作家さん。中国のミステリーを読む機会が増えてうれしいです。
    作者さんが1987年生まれだからか、日本のミステリーからしたら若手さんの作風に感じました。私がトリックの整合性を考えないタイプ(トリックはわからんが犯人はこいつタイプ)なので、キャラクターに重きを置いてしまうのですが、それで言うとあま...続きを読む
  • 厳冬之棺
    舞台は現代の上海で、探偵役は売れっ子漫画家。対象的に密室殺人事件が起こったのは、人里離れた洋館。何か訳ありの陸一族は、まるで横溝正史か、サスペンスドラマの世界のようで、読んでいてどこか懐かしく感じた。もともと、本格ミステリと言われる手のこんだ殺人トリックは好みではないので評価は低めだけど、意外と日本...続きを読む
  • 厳冬之棺
    密室ものでストーリーも密室トリックも素晴らしくてあっと言う間に読んだ。アンジェンとジャンクゥとのコンビでの続編が読めるのか、ラスト一文が気ががり。伏線そのものはかつて読んだミステリー作品で使われた様なデジャブ感が強くて☆3つ。
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     陸秋槎さんを知ったきっかけが早川書房の「アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー」だった事もあり、再び「色のない緑」に出会う事が出来、感動しています。

     歴史や宗教、言語や文学など様々な知識が盛り込まれており読み応えのある短編集でした。
  • 知能犯の時空トリック
    シリーズ2作目と知らず先に読んでしまったが、たぶん大丈夫。
    計画停電の夜に県検察院のトップが殺されたことから始まる官僚の連続殺人。捜査の指揮をとることになった高棟は自殺に見せかけた犯罪を他殺と見破っていくが、犯人は次々と犯行を成し遂げてゆき…
    捜査側と犯人側の視点で交互に描かれているので、両者の息詰...続きを読む
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    8作品のSF短編集。読みやすい作品と読みにくい(なかなか頭に入ってこない)作品の差が大きいように感じた。私の好みの問題なのかもしれないけれど。
    個人的に好きな作品は3つ。スマホゲームでシミュレーションされる物理現象を矛盾なく成立させるためにいろいろ考える「開かれた世界から有限宇宙へ」と、手品のトリッ...続きを読む
  • 邪悪催眠師
    最後まで、肝となる「催眠術」に馴染めず…。
    羅飛が、凌にも白にもやられっぱなしでもどかしく。最後は伏線も回収できてよかったけど…。

    歪んだ野望を持った人間が、催眠術の力なんて持ってしまったらとんでもないことになる、ということは、よく分かった…。
  • 時間の王
    時間の王になりたいかー!?
    え?大丈夫ですって?
    そんなこと言わずにちょっとだけですから…。

    ●○●○
    人生は選択の連続で、それゆえ人は選らばなかったもう一つの結末を知りたがります。SFでタイムトラベルものが好まれる由縁でしょう。

    あの時、別な学校を選べば…。
    あの時、あんな事を言わなければ…。...続きを読む