デイヴィッドベニオフのレビュー一覧

  • 卵をめぐる祖父の戦争
    悲惨な戦争の描写もあるが比較的読みやすい。
    過酷な状況の中で生きていく当時の人々の様子が思い浮かぶような作品でした。
  • 卵をめぐる祖父の戦争
    読んでよかった。タイトルはダサいがピッタリとハマったタイトルでもある。詩的な部分も感じるがとても読みやすい
  • 卵をめぐる祖父の戦争
    語り手のレフが17歳の時、独ソ戦の最中に親友と出会い、卵を調達する特別任務を大佐から与えられ、その先で彼女に出会った時の話。

    独ソ戦という悲惨な戦争の描写の中にも、ユーモアや生命力(下ネタ)をふんだんにちりばめ、人間の愚かさと強さという真逆の要素がストーリのコントラストになっている。
  • 卵をめぐる祖父の戦争
    レニングラード、スターリングラード、「ソビエト連邦」を作った「革命家と独裁者」の名前を付けた二つの町と、革命、その後の戦争。

    レニングラードはロシア帝国時代ピョートル大帝(一世)により建設された帝都で文学や音楽の豊かな文化都市。
    大帝にちなんでサンクトペテルブルグと呼ばれていたが、革命時に首都のモ...続きを読む
  • 卵をめぐる祖父の戦争
    映像化にピッタリの非常に面白いお話だった。
    コメディとアクションとシリアスとヒューマンドラマの配分が抜群で、どれもしびれるほど良い。
    残酷描写と下ネタに抵抗のない人なら100%お勧め。
  • 卵をめぐる祖父の戦争
    とても面白かった。
    痛快でいながら、戦争の悲惨さと意味のなさをよく伝えている。
    卵をめぐる冒険の仲間がどうでも良いようなことでなくなったときは
    悲しくて本当に残念だった。
    冒険の道中で出会った人々、
    その後も主人公のように生き抜いてほしいと願わずにいられない
    (ほど一人ひとりをユーモアと愛情をこめて...続きを読む
  • 卵をめぐる祖父の戦争
    レニングラード包囲戦という凄惨な戦争が舞台の小説。
    ユーモアに溢れるコーリャと、彼に振り回されるレフとの掛け合いに笑いつつも、戦乱による悲惨な情景描写に圧倒された。

    何よりも、作者のバランス感覚が素晴らしい。
    ユーモアの明るさと戦争の暗さを絶妙な塩梅で配分し、展開に飽きさせない構成。
    最後、読み終...続きを読む
  • 卵をめぐる祖父の戦争
    下品で笑えて切なくて辛くて怖くて爽やかな話だった。

    人肉食、地雷犬、足を切断される少女など、あまりにもひどい場面にばかり出くわすものの、コーリャの明るさとおちゃらけた物言いにだいぶ救われていると思う。
    下ネタが思ったよりすごい多かった。

    娘の結婚式で使いたいというそんな理由のために命懸けで卵を調...続きを読む
  • 卵をめぐる祖父の戦争
    大傑作である.
    コソ泥として捕まったレニングラードの少年が,お調子者の脱走兵とペアを組まされ,卵を1ダース手に入れてくることを命令されるのだが,折しも900日にもわたった「レニングラード包囲戦」のさなかである.飢えに苦しむレニングラード市からドイツ軍の包囲網を突破し,どこかから期限までに卵を入手して...続きを読む
  • 卵をめぐる祖父の戦争
    良いとは聞きながら何となく読んでなかったのよね。たまたま古本で見かけたのでこれも何かの縁かと思って。
    岩波新書の「独ソ戦」読んだ直後に読むと何というか同じ時代、同じ場所をテーマにしてるのに視点の縮み方がスゴい。
    まぁ「900日包囲されたが、陥落することなく解放された」って一文の裏にはいろんなことがあ...続きを読む
  • 卵をめぐる祖父の戦争
    まるで凸凹コンビの卵をめぐる戦争の話。辛いこと苦しいこと、残酷な描写は当然あるけれど、友情や恋、そして全体を包むユーモアが決して悲壮なものにしていない。戦争の愚かさをやさしく訴え読後感はさわやかでもある。多くの人に読んで欲しい。
  • 卵をめぐる祖父の戦争
    米国人気TVドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の共同プロデューサーで脚本家・小説家でもあるデイヴィッド・ベニオフが書いたベストセラー小説。

    ベニオフが自分の祖父から聞いた戦時中の体験談という体裁になっているがフィクションだそうである。

    ドイツの包囲攻撃を受けているレニングラードに住む17才の少年...続きを読む
  • 卵をめぐる祖父の戦争
    傑作!この小説はいい。

    舞台は近代戦最長の900日に及ぶ包囲戦下のレニングラード。飢えと戦争被害に苦しむレニングラードの描写、その戦下日々を必死に生きる主人公が、ひょんなことからイケメンで下品で饒舌な脱走兵とコンビを組み、赤軍士官の命令で玉子1ダースを探すことになる。

    人間ってほんま愚かで、その...続きを読む
  • 卵をめぐる祖父の戦争
    本の雑誌オススメの中から。なるほど、卵をめぐる戦争ってそういうことでしたか。内容的には結構シリアスな戦争描写がいっぱい出てくるけど、タイトルからもうかがえるように、のどかな(に感じられる、か)言動も頻出する。ただ、茶化して誤魔化している訳じゃなく、物語を通じて訴えかけてくるのはあくまで、愚かな戦争に...続きを読む
  • 卵をめぐる祖父の戦争
    "That's four dozen now"
    あるとこにはあるねんなぁ この脱力感… "或る「小倉日記」伝" の読後感とかぶった

    ”No wonder your hand's on my ass?”
    いや、この訳し方…ウ、ウマイ  うん、レフならきっとこういう言い方するよな

    邦題がいい、でも表...続きを読む
  • 卵をめぐる祖父の戦争
    1942年、第二次世界大戦中のソ連、レニングラード。900日間にわたってナチスドイツに包囲され、市内は爆撃と飢餓のために悲惨きわまりない状況にありました。そんなレニングラードを生きた祖父に、映画の脚本家である男が話を聴くという形で物語は始まり、以降は祖父レフの「わし」という一人称で語られます。

    1...続きを読む
  • 卵をめぐる祖父の戦争
     俗っぽいけど敢えて言いたい。
     
     「やべえ、ちょー、おもしれえ!」

     出来ることなら、文字のサイズを倍にしたいくらい面白かった。

     以下、ブクレポ。
     
     主人公のレフはある日、落下傘で空から落ちてきたドイツ兵の死体を発見し、死体からナイフを盗んだことから、窃盗の罪で投獄される。そして時...続きを読む
  • 卵をめぐる祖父の戦争
    いや、面白かった。
    ナチ包囲下の飢餓の街で1ダースの卵の調達を命じられるという夢想的な設定。しかし、その探索途中で出会う戦争の断片は極めてリアルで残酷。その中での主人公レフと相方コーリャの掛け合いは妙にユーモラス。そうした相反する要素が見事に混じり合わせた作品です。
    そしてラスト。
    戦争の無意味さと...続きを読む
  • 卵をめぐる祖父の戦争
    どういうわけか、タイトルだけ見て遺伝子操作に絡むSFだと勝手に思い込んでいて、数ページ読んでビックリ!全く違うお話みたい。

    ただお話し自体はストレートで分かりやすく、類型的ではあるが楽しめます。

    もっともらしく書けば戦争の悲惨さやら、人間の業の深さやらとシリアスなことも書けると思うが、レフとコー...続きを読む
  • 卵をめぐる祖父の戦争
    歴史が苦手な私が第一次世界大戦から第二次世界大戦の背景をちょっぴり齧った状態で読むのにちょうど良い具合の本でした。

    ストーリー自体に複雑な点はないからです。司令を受けて、道行く先で色んな体験をする。ラストもきっちり収まります。

    そのシンプルな展開の中に順番に陳列されているかのようなエピソードたち...続きを読む