中村高康のレビュー一覧

  • 東大生、教育格差を学ぶ
    教育社会学の入門としても読めるし、東大生の実態への野次馬根的な本としても読める。本書内で学生が、知ることと実践することには乖離がありつつも、知ること自体に意味を見出しているのが素晴らしいと感じる。
    自分が東大卒なので、学生の感想や議論には違和感を持たなかったが、他の人の感想を読むとそうではないようで...続きを読む
  • 東大生、教育格差を学ぶ
    自分自身が首都圏の公立進学校出身で現在も都内の大学に在学中で、実際にこの講義を受けていた学生と環境が近く、語られる経験が似通っており、学生の意見に共感したりしなかったりしながら読んだ。
    教育社会学をテーマとした本書だが、登場する学生の中には教育に関心があった訳ではなく、これからも教育関係の仕事に就く...続きを読む
  • 東大生、教育格差を学ぶ
    私は東大生ではないが、偏差値の高い大学で学んだので、教育格差を学ぶ学生たちの感想が自分とすごく近く、共感しながら読んだ。
  • 暴走する能力主義 ──教育と現代社会の病理
    本書は、能力主義について、その「再帰性」という観点から、社会全体を分析対象にして論じている。国内外における近年の大学や就職に係る能力観の議論は、やや食傷気味の感があったが、本書はアプローチの方法も結論も大きく異なる。能力主義は再帰的な性格を帯びるものであることを、明瞭に示したこの仕事はとても重要であ...続きを読む
  • 暴走する能力主義 ──教育と現代社会の病理
    新しく求められる能力が求められる社会的な背景が詳細に説明されている。頭が冷める。

    特に能力をめぐる議論は英語教育関係者として読んでおいたほうが良いと思った。
  • 暴走する能力主義 ──教育と現代社会の病理
    本年度一番のヒットの新書であった。再帰性によって問い直し続けられる能力について、論理的かつ非常にわかりやすく書かれている。
  • 東大生、教育格差を学ぶ
    まず、東大生の言葉の運用能力が高いと思った。
    印象的だったのは、他者の合理性と異質な他者への想像力。
  • 東大生、教育格差を学ぶ
    男子は上半身裸で体育、黒髪最高、生まれながらの犯罪者はいない。
    今も昔も変わらない問題を生徒が考えるのに意義があります。
    経済だけでなく教育も30年変わらないのかと涙出ました。私たちの責任ですね。
  • 東大生、教育格差を学ぶ
    ぼんやりと感じていた教育格差について深く考えるきっかけになった。同世代の人の意見を元に話が展開していくが、共感する意見も、ハッとさせられる意見もあっていろいろな気づきが得られた。
    対話形式なのでスルスルと読める。
  • 東大生、教育格差を学ぶ
    特別SESが高い家庭ではなかったが、親が教育熱心だったお陰で(隠れた意図的養育)学業に困ってこなかった。一方で、大学進学、就職と周囲の環境が変わるにつれて、周囲に優秀な人が増え、自分の家庭との経済格差を感じるようになった。塾に行くこと、浪人すること、幼少期の種々の習い事等に制限のあった自分と裕福な家...続きを読む
  • 東大生、教育格差を学ぶ
    学生の感想パートを通読すると、何とはなく、いかにも東大生だったらこう答えるよな、という臭みが目立つような気がする。といっても、きれいに視点や論点を敷きならべているので、標準的な教材としての価値はあるのだろう。
    中学校、高校の部活動は、教科学習以外の軸で生徒の自己実現のチャンスを用意するとか、生きてい...続きを読む
  • 暴走する能力主義 ──教育と現代社会の病理
    人間の能力は、基本的に測定不能であり、社会で必用とされる能力の変遷に伴い、教育内容を変えるべきということを「メリトクラシーの再帰性」という言葉で説明した。
    ◆Aiの発展で単なる暗記に偏った勉強だとAiに仕事奪われるよ→マークシートによるセンター試験(共通一次)の廃止、
    ◆記述式の共通テストへ、英語は...続きを読む
  • 暴走する能力主義 ──教育と現代社会の病理
     タイトルは著者が理論的にインスパイアされたギデンズ『暴走する世界』にちなんだもの。現在の「教育改革」を席捲する「コンピテンシー」論を理解する補助線として。

     著者の議論の要諦は、21世紀に入って以降の日本で次々と提案されている「新しい能力」論は、後期近代における「メリトクラシーの再帰性」のあらわ...続きを読む
  • 暴走する能力主義 ──教育と現代社会の病理
    非常に読みやすい。スルスル読める。

    階級、学歴の次に基準となる「新しい何か」は見つかるのだろうか。メリトクラシーを俯瞰で見たときに今、学校教育で行うべきはなんなのだろう。「自分の中の答え」みたいなものがまた遠くにいった気がした。
  • 暴走する能力主義 ──教育と現代社会の病理
    なぜ新しい能力が求められるのか?コミュニケーション能力、非認知能力がなぜこんなにも叫ばれているのか、教育改革がなぜ成功しないのかということをメリトクラシーの再帰性という現象から説明している。
    メリトクラシーの再帰性とは、メリトクラシー(業績主義)が常に自己反省的な性質をもっているということである。必...続きを読む
  • 東大生、教育格差を学ぶ
    まず、知ることが大事だと感じた。
    偏差値の高い東大生でも自分が恵まれた環境にいることにさえ気付けない人がいるのだなと。
  • 東大生、教育格差を学ぶ
    興味深いテーマではあったが、良くも悪くも結局は「東大生」という枠組み(もちろん彼らも皆それぞれ多様な人生を歩んでいるのだが)の中でのディスカッションなのだ、と感じた。しかし、このような学びの機会によって、先ずは自分たちの育ちの環境について思いを馳せることができたのは、学生たちにとってとても有益だった...続きを読む
  • 暴走する能力主義 ──教育と現代社会の病理
    確かに、「これからの時代に必要な能力」みたいなものってめっちゃ抽象的でありふれてることが多いと納得してしまった。

    考えてみると、プログラミング教育みたいなものも、プログラマーである自分からしてみてもなんでやってるのかよく分からないので、本で説明されている、再帰性の現れなのかもしれないと思った。

    ...続きを読む
  • 暴走する能力主義 ──教育と現代社会の病理
    構造は非常にわかりやすく、①能力を厳密に測定することは難しい、②身分が属性によって規定されない、オープンな社会では何らか能力により身分の配分をせねばならず、社会的要請として暫定的な能力の尺度を決めねばならない、③上記により、測定される能力には常に反省すべき点が必ず含まれる(メリトクラシーの再帰性)、...続きを読む
  • 暴走する能力主義 ──教育と現代社会の病理
    <目次>
    まえがき
    第1章   現代は「新しい能力」が求められる時代か?
    第2章   能力を測る~未完のプロジェクト
    第3章   能力は社会が定義する~能力の社会学・再考
    第4章   能力は問われ続ける~メリトクラシーの再帰性
    第5章   能力をめぐる社会の変容
    第6章   結論:現代の能力論と向き...続きを読む