デイヴィッドグランのレビュー一覧
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2024年1冊目
映画を見て、レビューからこの本に辿り着いた。
3つの時代に区切られてて、オセージ族、FBI、現代の構成になってる。翻訳者も書いてるけど著者の取材量がすごい。この原作からあの映画へ構成したスコセッシ監督もすごいな。当初、ディカプリオはトム・ホワイト役をやる予定だったらしく、あの脇役?...続きを読むPosted by ブクログ -
現実の歴史を辿るノンフィクション。ネイティブ・アメリカンに対する白人の入植者の横暴さ、卑劣さが際立った。しかも解明されない多数の殺人事件。その為に組織されたFBIの誕生など、凄過ぎて読後に虚脱感があった。嫌なアメリカの始まりが見えてくる。Posted by ブクログ
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映画のほうは評判良いらしいし、題材も連続殺人でミステリーとしても面白そうだなと軽い気持ちで興味持って読んだら打ちのめされた。これが人間のやることか。絶望する。
面白かった。と軽々しく言えない。読むべきではあるが、安易に楽しんではいけない辛さがある。
1章。語り口は小説というよりドキュメントで、読...続きを読むPosted by ブクログ -
1920年代アメリカ、埋蔵されていた石油資源によっての資産家になった先住民オセージ族の連続不審死事件を追ったノンフィクション小説。2人の他殺死体発見から話が始まるものの被害者がインディアンってのもあってか捜査が進まない。被害者一族は私立探偵をダースで雇って自力で解決に挑むものの上手くいかず、そこに現...続きを読む
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19世紀、アメリカ。ネイティブアメリカンのオセージ族は広大な土地を所有していたが、トーマス・ジェファーソン大統領に数百万エーカーの土地を手放すよう命じられ、カンザスへと移った。その後、結局政府は土地を割り当てることにした。その中でオセージ族が代わりに割り当てられたオクラホマの土地から、石油が出ること...続きを読むPosted by ブクログ
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書架にあると、つい目を留めてしまう、美しくミステリアスなタイトル。
前のめりでイッキ読みしてしまった。(それでも二日かかった)
オセージ族のお金に群がる白人たちが、含みをもって口にする「インディアン・ビジネス」という言葉。あまりに端的にすべてを表していて、怖すぎる。
そうか、彼らにとってはビジネス...続きを読むPosted by ブクログ -
ちょうど一年ほど前にコルソン・ホワイトヘッドの『地下鉄道』を読んだ。南北戦争より30年前に逃亡する黒人奴隷たちの物語だ。
人間が人間に対してどうしたらあのように残虐になれるのかと慄然したものだが、本作は『地下鉄道』よりさらに100年も後の話である。それなのに、本質的なところがなんら変化していないこと...続きを読むPosted by ブクログ -
衝撃的の一言。
この本が書かれたこともだが、この本に書かれたことが本当にあったとは。
西部開拓時代の白人たちの優越感や差別意識が高いことは容易に想像できるが、原住民(いわゆるインディアン)に対する迫害の酷さは言語に絶する。
正に米国(の白人社会)の欺瞞を象徴する黒歴史だし、これは克服する・しな...続きを読むPosted by ブクログ -
読後感は、やりきれない思い。となるだろうか。殺害された人も、した人も多くて、名前と立場がうまく繋がらないこともある。この本が売れているということが、すごいけど、読まない人も多いのだろう。Posted by ブクログ
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映画鑑賞後に読んだので、スコセッシの脚色のすごさ、ドキュメンタリーとしての堅実さ、と様々な角度から読みごたえのある本だった。あとはヘイルの実物写真を見ると、なんだか余計にエグ味が増して本物の闇を感じた。Posted by ブクログ
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映画鑑賞前に読んだ。
映画はこの原作の3分の2あたりまで描いている。だが、この3部の部分が特に怖ろしかった。
映画は作劇上の問題でしょうがないのだが、この事件はアーネストやヘイルだけに限った話ではないのだということが原作を読むとわかる。
100年前の事件ということで確証はないらしいが15年間に600...続きを読むPosted by ブクログ -
なかなかにえぐい。
著者の強い執念が感じられる情報の多さ。
ノンフィクション作品を書く上でまさにお手本のような本。
利益を得るためならクズにもゴミにもバカにもなる近代的合理主義の人間たち。Posted by ブクログ -
力作だね。丁寧な取材・検証とその量からすればもっと詳細に書くこともできたろうにと思うが読むには妥当なページ数かもしれない。アメリカだけではなかろうが、こうした理不尽な歴史を考えると、正義、「自由と民主主義」は誰のためのものなのかと疑問に思えてくる。Posted by ブクログ
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1920年代のオクラホマ。オセージ族は、石油を算出する土地のリース権やロイヤリティで、全米屈指の裕福な部族だった。そんな下での「連続」殺人事件。人種的な偏見に基づく後見人制度。それを利用し、財産をねらう白人たち。周囲に人々は皆「共犯者」。恐ろしいことだ。Posted by ブクログ
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読後、世の中知らない事ばかりと己の無知に途方にくれる。
物語のような大げさな展開はないが著者の緻密な調査、根気強い取材がリアルで文章が刺さる。
特に最終章…衝撃。
当時の白人の中には油田と同じようにインディアンも採掘すりゃいいぐらいに考えていたのだろうか?
大草原のローラも複雑な闇がある。
Posted by ブクログ -
豊富な原油を埋蔵する土地に居住するオセージ族は、油田を開発する権利を石油会社に売り巨万の富を抱え、全米でも屈指の富裕層となる。その利権を狙う白人たちの手により、オセージ族の人々が次々と殺されるのだが、犯人はつかまらない。当時は、科学捜査が確立しておらず警察制度も未整備のまま。被害者遺族たちは自費で私...続きを読むPosted by ブクログ
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映画を観てから原作へ。
1920年代のアメリカで起こった先住民虐殺事件を取材したノンフィクション。
同じ頃、日本では関東大震災。関東大震災といえば福田村事件。
両者には呼応するものがあるような気が。Posted by ブクログ -
1/3ほど読んだところで映画を観た。
ドラマチックに進む206分のスコセッシの力作に比べ、
集められた事実が淡々と述べられるノンフィクション。
事件から長い時間が経ったのちの調査には執念を感じるし、当時の入植者(主に白人)の欲深さがこんな連続殺人まで起こすのかと思うと恐ろしい。
greedyって言葉...続きを読むPosted by ブクログ