神家正成のレビュー一覧

  • 桜と日章
    ふだん知ることのない自衛隊のこと。令和元年台風で被災した(当方千葉県在住)とき、剥がれた屋根にブルーシートを張ってくれた自衛隊の皆さんには感謝しかないが、そういう姿からは想像もつかない世界が展開する。
    刑事ものとか推理ものとかが好きなら絶対に面白いと思う。
    残念だったのは、このお話が3部作の3作目だ...続きを読む
  • 七四
    陸上自衛隊少年工科学校、富士学校を経て戦車部隊に配属された経歴を十二分に表現した作品だと感じました。資料や文献に基づいて書いたものとは違いリアリティと臨場感に引き込まれました。国内では戦争による活動はないので前作の深山の桜のように海外派遣が舞台の作品が多い中、国内が舞台でここまでスリルとワクワク感が...続きを読む
  • 幕末 暗殺!
    非常に面白かったと思う。
    私の好きな歴史小説短編集の一つ、この本と同様の題材を扱った司馬遼太郎の『幕末』があるが、それに次ぐ面白さだった。
    油小路の変を描いた『裏切り者』が読み物として、秀逸と感じた。
  • 深山の桜
    同級生に薦められて読みました。自衛官を経験されているだけあり、専守防衛をベースに様々な制約の中での自衛官の葛藤を感じました。自衛隊をモデルにした小説を沢山読みましたがダントツです。ラストは泣いてしまいました
  • 桜と日章
    今作は舞台を警察に移しますが、植木の活躍は今作が一番かも知れません。
    前2作もそうですが、若者達が悩みながらも様々な人に助けられて成長してゆく姿はとても清々しく頼もしいものです。
    そしてまた後半怒涛の展開。悲しくも心打たれる結末。
    こちらでも前2作から続く言葉や音楽など、続けて読んでこそ、の楽しみも...続きを読む
  • 深山の桜
    『深山の桜』、『七四』、『桜と日章』という自衛隊三部作(今のところ)の1冊目。
    自衛隊の日常や武器、階級などに興味のない方にとって前半は少々しんどいかも知れませんが、後半からラストにかけてのこれでもかという展開。そしてすべてが明らかになった時の感動。落涙必至です。
    後半から登場するオネエ言葉を話す植...続きを読む
  • 七四
    前作の『深山の桜』で少しだけ登場する甲斐が主人公です。前作ではいまどきの若者風に描かれていたのは多分作者の狙いで、今作では一転、人間としての深み、重厚な過去が描かれます。前作から引き続き登場する人物や共通のセリフ回し、小道具も嬉しいところです。
    前半は戦車内の描写や、過去と現在を行き来するので、やや...続きを読む
  • 幕末 暗殺!
    幕末の暗殺者たちの物語。
    暗殺される人物が、主人公という作品が多いですが、
    このアンソロジーは、暗殺者側から書かれています。
    こういう理由で暗殺すると意図がはっきりしています。
    早見俊先生『刺客 伊藤博文』が一番わかりやすくて、
    好きです。廃帝の研究をしているという噂を信じて、
    塙忠宝を暗殺する話で...続きを読む
  • 幕末 暗殺!
    「桜田門外の変」「塙忠宝暗殺」「清河八郎暗殺」「佐久間象山暗殺」「坂本龍馬暗殺」「油小路の変」「孝明天皇毒殺」と幕末に起きた7つの暗殺を7人の作家で書き下ろしたアンソロジー。
    「孝明天皇毒殺」が入っているのでわくわくして購入。これについて書かれているのを読むのは、自分は初めてかな?
    毒殺に関わったと...続きを読む
  • 深山の桜
    世の中は、ほんの一握りのヒーローと
    大多数のクズからできている。
    そのことをまざまざと見せつけられる本(- -

    前半部分、ストーリー的にはあまり進展がなく、
    正直やや冗長な印象を受けた。

    が、そこで細かく描写される「自衛隊員の日常」、
    =一般人にとっての「非日常」が、
    あとからじわじわと効いてく...続きを読む
  • 七四
    まだ二作目ということも含めて五つ。描写がマニアックすぎて半分くらいしか情景を想像できてなかったかもしれない。自衛隊という特殊な存在に改めて興味が湧いた。他は千里眼シリーズくらいしか読んだことがなかったので
  • 深山の桜
    植木一等陸尉が登場するまでと登場してから、そして終盤の畳み込むような流れと、息をつくのも忘れて読んでしまいました。そして終盤は泣けて泣けて…
    リアルの中に現れる植木一等陸尉の場面転換力に惚れました。
    映像にするのは難しそうですが、できることなら植木をまったくイメージとかけ離れた玉木宏で見てみたい。
  • 深山の桜
    ディテールがリアルでとてもおもしろかったのだけど、リアルすぎて胸が痛いので私はやっぱりGATEぐらいぶっとんでるほうがのんきに楽しめていいな…。
  • 桜と日章
    警察と自衛隊の対比。似ているようで全然違う。それを描き分けて、しかもストーリーとしても穴がない。ちょっと驚き。
  • 七四
    装備品の開発評価を担当する赤川1佐が74式戦車の車内で遺体となって見つかった。遺書もあり初見で自殺として処置されそうな事件に自衛隊の警察、中央警務隊から警務職種の甲斐和美3等陸尉が派遣された。
    甲斐3尉は違和感を感じつつも自殺の線を崩すほどの証拠を見つけられないまま結論づけられようとしていた。
    一方...続きを読む
  • まもれ最前線! 陸海空自衛隊アンソロジー
    自衛隊で現場で日々勤務されている皆さん、毎日ご苦労さまです。

    三自衛隊それぞれの日常に焦点をあてた、画期的な1冊。
    ただ、それゆえに、各々の話が短くてやや物足りない印象。

    あと、できればコロナ以前に刊行してほしかったな、と。
  • 桜と日章
    私にとっては新しい発見でした。自衛隊と警察との交流?の物語。だから大変面白く読ませていただきました。又これがシリーズ物だったとは驚きでした。最後は予想通りで肝心な事は闇の中。犯人は射殺され何となく有耶無耶に。公安と自衛隊の情報部、警察と法務省、警察と厚生省、基本的な方向は一緒でもうだうだと縄張り争い...続きを読む
  • 幕末 暗殺!
    7人の実力は歴史作家が幕末史の暗部に迫る!
    定説は覆されるのか?真犯人は?驚きの動機は?・・・。今、こんな競作アンソロジーが楽しい。
  • 深山の桜
    自衛隊員の矜恃が描かれている。多くの感想にあるように、前半は読書スピードが上がらない。植木陸尉の登場からテンポアップし、終盤は怒涛の展開。多くの伏線がつながっていく快感。そして、深山の桜で感涙。
  • 深山の桜
    【桜と日章】で出逢った神家さんのデビュー作。
    自衛隊モノの中にミステリーという要素を取り入れるというバランスが凄い。
    そして圧倒的なスケール感。加えてミステリーとしても成立しているというのが本当に驚いた。
    植木さんの大活躍も見られて、とても楽しめた。