津田篤太郎のレビュー一覧
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単行本で読んで良かったので再読。
一番初めに上橋さんが、
「生物は命をつなぐために生きているから、生まれてきたことの意味を問うても仕方ない」
というようなことを言っておられ、
私もずっとそう思って生きてきたから共感したんだけど、その続きに、
「でも、人はどうしてそのような問いを生む脳を持って生まれた...続きを読むPosted by ブクログ -
お二人の言葉の選び方が美しく、とても気持ち良く読み進められました。時節の挨拶ひとつにしても、なんて鮮やかな表現なんだろうと感動の連続。
生と死という、一番身近でありながらどこか考えることを避けてしまうことについて、様々なお話を交えながら対話されています。興味深い話がたくさん出てきて、一気に読み進めて...続きを読むPosted by ブクログ -
文庫化にあたり、2章追加されています。
これまでの章を踏まえて、この度のコロナに関するお二方の視点が書かれています。自分と同じ考えへの共感もあり、新たな捉え方の発見もあり、とても興味深いものでした。Posted by ブクログ -
上橋さんの書簡は星5。
津田氏の書簡は星無し。
(どこが嫌かは面倒だから省略。)
生きるということ、言葉の限界、一見関係なさそうなもの同士の相似。
上橋さんの、いろいろなことへの洞察により、混沌とした世界がクリアになり、いろいろ腑に落ち、落ち着く。
よき物語を紡ぐ人の文章は、書簡の形式をとっても変わ...続きを読むPosted by ブクログ -
新聞を読み、テレビを見、内容によって気持ちが動くことがある。ふと湧いた想いを捕まえることなく流してきた私にはその想いを言葉にすることはとても難しい。こうやって言葉にできる人たちがいることが嬉しい。
一つずつ頷きながら読み、辞書を引きながらゆっくりと読み返し、お二人と共にいる世界を感じた幸せな時でし...続きを読むPosted by ブクログ -
私も上橋さんとほぼ同時期に母を亡くしましたので、その部分では一年半も看病できた事が羨ましい。私の母は原因不明で入院し、直後、意識不明。一か月も面倒を見てあげる事ができませんでしたので。
それもまた生命力というものですし、色々と思う事が多い読書でした。Posted by ブクログ -
副題に「生と死をめぐる対話」とあるが、対談ではなく往復書簡という形式になっている。テーマは重いが、エッセイとして読むこともできる。
上橋氏が他界されたお母様を心から愛しておられることが文章、行間から伝わってきた。
無論悲しい話なのだが「これほど親を愛せるのか」という点では羨ましいとさえ思った。Posted by ブクログ -
お母様の晩年の過ごされ方とその支援をなさる上橋菜穂子さん、生物としてのヒトの生死にまつわる内容を語られる医師、おふたりの往復書簡。文章が美しく内容は興味深い。Posted by ブクログ
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蓑虫の雌の生態は、悲劇なのだろうか・・・。女性である上橋さんはふと考える。昆虫が4億年かけて選択したかたちが、あの生態なのだと考えたら?上橋さんにそう語りかける津田先生は優しい。
患者の看取りを重ねてきた津田先生と、向こう側とこちら側を考える上橋さん。なぜ人は死を恐れ、受け入れ難いのか。
答えのない...続きを読むPosted by ブクログ -
死生観のみならず、二人の往復書簡の話題は多岐に富む。年長者で作家である上橋氏は勿論、津田医師が実に泰然自若とした雰囲気を感じさせる。
掛かり付けの医師を持つならこういった方になって貰いたい。
これからの読書の秋の夜長に味わいつつ読むのにオススメ。
丸善京都本店にて購入。Posted by ブクログ -
『守り人』シリーズや『鹿の王』の作者として知られる上橋菜穂子さんと、聖路加国際病院の医師である津田篤太郎さんとの往復書簡。上橋菜穂子ファンとしては、物語の背景となる作者の思想を知ることができる貴重な本です。
タイトルに「生と死を巡る対話」とあるように、人間の生と死や身体について、文学、医学はもちろ...続きを読むPosted by ブクログ -
2015年1月、上橋菜穂子さんの母親の肺ガン罹病がわかります。その後の数ヶ月間は、娘はありとあらゆる手立てを尽くしてかけがえなのない生命を救おうとしますが、80代の身体とは思えないほど進行は速く、半年ほどして彼女は絶望の縁に立ちます。その時に出会った漢方医学の津田医師との、お互い看護と治療をしながら...続きを読むPosted by ブクログ
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164ページの「私は身体が喚起してくる感情をコントロールできないのだ」と言う言葉が深く印象に残りました。自然に、生物学的なレベルで生じる反応は本当に生々しくて扱いづらいけれど、それを含めて自分だと、コントロールしようとしすぎずに受け入れていくことは大切だなあ、と感じ入りました。Posted by ブクログ