忠平美幸のレビュー一覧

  • 精霊に捕まって倒れる――医療者とモン族の患者、二つの文化の衝突
    2019年にSlate誌「この四半世紀の最も優れたノンフィクション50作」に選ばれた作品。初出は1997年で、15年後の改訂版を日本語訳したもの。
    長距離フライトの往復で読み切った。初めて飛行機の中の時間が速く過ぎたと感じた。

    モン族という現在のラオスやタイ、ベトナムの山岳地帯を起点とする家族と、...続きを読む
  • サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」

    「サードプレイス」という言葉自体はよく聞きますが、自分の職場と家庭から離れて過ごすことができるという位置付けで捉えていました。

    この本における、「サードプレイス」とは、単なる場所のことではなく、そこに集まった人たちが、互いに会話をしたり、意見を言い合ったりするコミュニケーションの場であって、すな...続きを読む
  • 精霊に捕まって倒れる――医療者とモン族の患者、二つの文化の衝突
    とてもおもしろかった。前のめりで読んだ。

    最新刊、と思って読んでいたけど、これは「15周年記念版」の訳で、最初に出版されたのは、1997年なんですね。
    帰化や難民受け入れについては、ずっとほぼ鎖国の日本ではまだまだ実感すら追いついていないテーマなんですが、アメリカではもうおなじみのテーマなんだろう...続きを読む
  • 精霊に捕まって倒れる――医療者とモン族の患者、二つの文化の衝突
    アメリカにはラオスやベトナム、タイ北部に住むモン族が難民となって住んでいる。
     モン族は中国では苗(ミャオ)族として知られる山岳民族である。無文字で、山地で農業、狩猟をして暮らしている。
    家も自分達で建てる。薬草で病気を治療する。
    そして精霊信仰をしており、生活の節々で精霊が顔をだす。
    この本はアメ...続きを読む
  • 歯痛の文化史 古代エジプトからハリウッドまで
    いつぞやの奇奇怪怪明解辞典で「歯は誰も貶さないのになぜかめちゃくちゃ滑稽」という話があって、本当にその通りだった

    アメリカの植民地総督に対してアメリカ人記者が「あいつは入れ歯でとんでもなくグロい口内をしている」という記事を書いたせいで牢屋にぶち込まれたんだけど、裁判の際総督に事実確認したらその通り...続きを読む
  • 戦場から生きのびて ぼくは少年兵士だった
    私の好きなポッドキャストの番組、The Mothで著者のイシメール・ベアがトークに出た回があった。話し始めた途端に「なんでこの人の声はこんなに悲しみを湛えているんだろう」と気になった(実際はユーモアたっぷりのお話で、写真を見ても笑っているのだけれど)。
    そして本書を購入。
    想像を絶する体験が綴られて...続きを読む
  • サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」
    サードプレイスとはなんだろう?
    なぜ今注目され、必要とされているのだろう?
    が知りたい人は読んだらいい。

    サードプレイスっていろんなものがあるんだなぁと思ったし
    そもそも風土の関係もあるんだろうし、
    こうゆう関わり方が合う人も合わない人もいる。
    多様な人が混じり合う場所、常連客が集まるカフェとか居...続きを読む
  • 精霊に捕まって倒れる――医療者とモン族の患者、二つの文化の衝突
    精霊に捕まって倒れる。この不思議なタイトルは、モン語の〈カウダペ〉の直訳だ。突然けいれんして失神する事象を指す。それはつまり、医学用語でいう「てんかん」のことである。

    1982年、ラオス難民のリー家の末っ子で生後3カ月のリアが、てんかん症状で病院に運び込まれた。その日から繰り返される入退院。その度...続きを読む
  • 精霊に捕まって倒れる――医療者とモン族の患者、二つの文化の衝突
    難民としてアメリカに移住してきたモン族一家に生まれた赤ちゃんリアが、てんかんの発作を起こしたところからこの一家と病院との長い付き合いが始まる。医師は当然てんかんを脳神経の異常であり薬によって治療するものととらえていたが、両親は度重なるてんかんの発作を「魂を喪失した」ことによるもので、取り戻すためには...続きを読む
  • 戦場から生きのびて ぼくは少年兵士だった
    著者のイシメール・ベアは、1980年にシエラレオネの地方で生まれ、13歳からの3年間、シエラレオネ内戦(1991~2002年)において政府軍の最前線で活動した元少年兵士。その後、ユニセフにより戦場から救出され、1998年に米国に移住し、国連インターナショナルスクールを経て、米オバーリン大学に進み20...続きを読む
  • サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」
    本書の著者はアメリカの都市社会学者で、タイトルである「サードプレイス」の提唱者でもある。サードプレイスとは文字どおり、家庭(第一の場所)、職場(第二の場所)につづく「第三の場所」のことだ。家庭や職場ではない自分の居場所とでも言えるだろうか。サードプレイスはインフォーマルな公共生活の場の中核であり、人...続きを読む
  • サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」
    色んな人とその集団、そしてそれが抱える問題に出くわす度に「居場所」の役割を考える。論点が多過ぎて消化出来ずカオスやけど、久々に視座があちこち飛ぶ論考。89年に書かれたものがようやく邦訳、これもタイミング。個人としてのサードプレイスの必要性よりも、社会を維持していく上でのそれが気になる。生命体としての...続きを読む
  • サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」
    都市に暮らす人々が「心のよりどころとして集う場所」。家庭、職場、三番目の社会的な場所としての「サード・プレイス」という概念について。著者はアメリカの社会学者。イギリスはパブ、フランスはカフェ、そして現代におけるアメリカは?20世紀の海外文学を読んでいると話が展開するのは、雑貨屋だったりする。
    店に集...続きを読む
  • サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」
    ここで書かれるサードプレイスは探してる場所と少し違うけど、それほど親密でない自分の趣味嗜好と違う人の集まる場所だからこそ自分にないものを提示される意外性があるっておもしろいと思いました。
  • サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」
    サードプレイスの概念について学ぶことができる。
    事例が多く、その中から、該当しないものについても把握できる。
  • サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」
    郊外に一軒家を建てて休みの日は家族でショッピングモールにドライブへ、といったような生活が当たり前になっていくことへの危機感を強く感じる書。
    アメリカをはじめ産業化が進んだ地域では、家庭や仕事場での役割から解放されて色々な人とたくさんの話ができる場が失われているという。ここで提示される居酒屋やカフェで...続きを読む
  • サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」
    分厚いので、パラパラと斜め読み
    サードプレイス的な場所を自分から整えたいと思い、手に取りました。

    サードプレイスと呼ばれるものの魅力とはどこにあるのか?個々人にどんな働きがあるのだろう?そんな疑問を持ちながら読むととても楽しく読めました。

    ただこうしたら理想のサードプレイスが作れます!といった記...続きを読む
  • サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」
    会社と家の往復だけの生活から何とか脱したいという焦りの中、書評で興味を持った本。職場・家庭以外のコミュニティ、特に近所の飲食店での人間関係や西洋のカフェ・バール等の歴史について書かれている。

    最近は安いだけの均一的なチェーン店より、個人営業の家庭的な店(できれば近所でおいしくて、そんなに高くない)...続きを読む
  • サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」
    解説で述べられているように、著者の女性に対する考え方に違和感があるが、これがかの有名な書物の初邦訳。

    第?部のイギリスのパブやフランスのカフェなどについての言及部分が、それぞれの歴史的成り立ちを知ることができ、独立したものとしても読めて面白いな。
  • サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」
    『サードプレイス』を読む。今、翻訳されて読まれるべきものなのか? 初版は1989、第二版は1996である。翻訳はペトロスキー『フォークの歯はなぜ四本になったか』(平凡社、1995)でおなじみの忠平美幸氏。もともと原題は「The Great Good Place」でコミュニティの核となるカフェ、コーヒ...続きを読む