バルガス=リョサのレビュー一覧
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ひとつの文化に魅せられ、回心してその内部へと踏み込み"語り部"となるサウルと、文化を外側から物語にしようと試みる筆者(?)の2人の物語が交互に折り重ねられている。
初め語り部の物語が始まった時、なれない情景や言葉に戸惑いつつも引き込まれている自分がいた。
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いつも沖縄に出張にいくときにラテンアメリカの文庫を携えるようにしているが、最初、上巻だけ持って行った。
面喰らいながら書いたメモが、以下。
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複数の会話が入り乱れる。時間の混乱。しかし似たトピックを話していたり、連想的に響きあったりすることもある。
地の文においては、彼がいうのだった、と人称の妙...続きを読むPosted by ブクログ -
いつも沖縄に出張にいくときにラテンアメリカの文庫を携えるようにしているが、最初、上巻だけ持って行った。
面喰らいながら書いたメモが、以下。
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複数の会話が入り乱れる。時間の混乱。しかし似たトピックを話していたり、連想的に響きあったりすることもある。
地の文においては、彼がいうのだった、と人称の妙...続きを読むPosted by ブクログ -
「密林の語り部」(バルガス=リョサ)を読み終わりました。私は静かに目を閉じて密林に差し込む月の光を想い、密林に降る雨を想い、マスカリータを想い、そうして少しだけ悲しくなった。近代化という大きなうねりの中でしだいに失われていく神話や知恵について、痛みに似た喪失感を伴う静かな物語。Posted by ブクログ
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語りの手の語る過去や心情と、まったくそれとは別の場面の状況などが入り混じった文章になっており、読み進めるのにはじめは戸惑った。しかし、全く別の場面が交錯する箇所で、どちらの場所での発言ととれるセリフなどが出てきて、こういう表現はドラマや映画的でおもしろいなと思った。
始終ドタバタだが、最後の兄弟...続きを読むPosted by ブクログ -
語り部の物語を何故真実ではないと言える?100年近く前、宇宙が膨張している証拠が見つけられていなければ、ビッグバンは真実ではなかった。
そういうことだよ。
……そういうことではないか。Posted by ブクログ -
「緑の家」と比べて、ゆったりした印象に思えたが、通読するとやはり面白い。私小説的な著者の独白と、マチゲンガ族の語り部の独白となる章が交互に進行してゆくが、終章近くになってそれが重なってゆくところで、驚かせられる。日本では立松和平「ウンタマギルー」などが影響を受けていたのかもしれないが、どうだろう。Posted by ブクログ
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現代は西欧的なモノの見方を根底に判断するのが当たり前のように受け入れているが、認識したモノに対する解釈の与えかたや考え方の体系は文化や文明に因って様々で、優劣をつけるべきでもないのだということを再認識させてくれる。Posted by ブクログ
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好きなモチーフ満載なんだけど、思ったほどハマらなかった…。一瞬、盛り上がるポイントはあったんだけどな〜。やはり語り部の部分が最初、タスリンチって何?とかいろいろ考えちゃったらハテナだらけになってしまった。ま、そのハテナが徐々に気にならなくなっていくのが醍醐味でもあるんだが。Posted by ブクログ