ジェイン ハーパーのレビュー一覧

  • 渇きと偽り
    これはおもしろい。
    処女作というからこの作家の次の作品が楽しみ。

    設定としては過去の事件と、それが尾を引いて起きたかのように見える現在の事件というありがちなものではある。
    決して新しさはないが、過去の謎と現在の謎をうまくオーバーラップさせているし、そこかしこにあやしさをちりばめながら徐々に真相にせ...続きを読む
  • 渇きと偽り
     原題は"The Dry"。なので邦題も『渇き』だけの方が良かった。完結なタイトルは好みなのだ。

     オーストラリア発の邦訳作品は滅多に手に入らないので、南半球ミステリとはかなり興味深い。ここでの『渇き』とは、ずばり乾燥のことである。オーストラリアでは雨に恵まれず長期的な干魃に身まれた挙句、大規模な...続きを読む
  • 渇きと偽り
    面白かったー!今年のわたし的ベストミステリ暫定1位に、突如躍り出てきた。オーストラリアと言われたら、コアラとかアウトドアスポーツとか大自然とかのステレオタイプなイメージしか持ち合わせていない貧弱な私の脳にとって、衝撃の旱魃。
    暗さと重さも大変に素晴らしい。人物造型○、ストーリー展開○、余韻○。
    閉塞...続きを読む
  • 潤みと翳り
    前作より面白かった
    前作とのつながりを感じる部分が散りばめられていたのと、結末が前作よりすとんと落ちた
    各登場人物の背景なんかも前作より練られていたように思った
  • 潤みと翳り
    アーロン・フォークの第二弾。
    最後に何かどんでん返し的なことがあるかと思ったが、そうでもなかった。
    現在と、キャンプの話が交互に出てきて、最終的に謎がとける。
    母と子の関係、SNSでのトラブル、そっちの方が気になってしまった。
    レベッカ立ち直って!
  • 渇きと偽り
    オーストラリアの作家さんのお話。
    オーストラリアは、乾燥して、燃えやすいんだと、思った。
    犯人が最後までわからなかったが、分かった後からは展開が早かった。
    過去の事件は結局自殺だったのかなーと思ったが、最後に犯人がわかり、ちょっとスッキリしたけど、つらい話だった。
    ストーリー自体は面白かった!
  • 渇きと偽り
    オーストラリアのミステリーを読むのは初めてでした
    なかなかに面白かったので「オーストラリアもなかなかやりおるわい」とどこから目線なのか本人もよくわからない目線で偉ぶっておりましたが
    書いたのはイギリス人なんですよね

    しかしながらオーストラリアがもつ特殊な気候風土「渇き」が作品の基幹ともいえ
    「渇き...続きを読む
  • 潤みと翳り
    オーストラリア発のミステリーは、数が少ない割に面白いものが多いと思っています。
    自然の容赦の無さも独特ですが、オーストラリアものは人間関係のドロドロ具合が濃い印象。

    謎解きのある『ピクニック・アット・ハンギングロック』…といった感じかな。
  • 潤みと翳り
    私は好きだった。女性の描き方にはイラッとしたけど、実際にマウントしたい人とか、集団の中でも個を主張する人とか、いるんだよね、と共感出来た。謎解きの面ではご都合良く‥と思った。
  • 渇きと偽り
    初めてのオーストラリア発ミステリー。

    日本で生まれ育った者としてはなかなか考えにくいのだが、オーストラリアでは干魃は珍しくなく、十年から二十年に一度は大規模な干魃が起こりそんなときに起こる山火事は大惨事になるらしい。
    日本のように毎年どこかで豪雨や台風の災害が起こる国とは真逆だが、これもまた自然が...続きを読む
  • 潤みと翳り
    シリーズ第2作。職場の研修キャンプで山に入った5人の女性が遭難し動きが取れなくなり、1人が姿を消す。そのキャンプの様子と捜索する刑事たちのパートに分かれる。キャンプでなにがあったのか。それぞれに対する不満、苛立ち、追い込まれていく心理状態。そのなかにある伏線。謎解きの面白さとそれぞれの駆け引きの面白...続きを読む
  • 渇きと偽り
    馬鹿な酔っ払い1人のせいで、どれだけ大勢の人間が人生を狂わされたことか…
    可哀想なエリー、アーロン、そしてルークもグレッチェンも。
    殺人事件の方の犯人も意外すぎてビックリ!!
    ぱっと見のイメージより読みやすくておもしろかった。
  • 渇きと偽り
    現代で起きた一家惨殺事件と20年前の殺人事件が交差しながら展開していく。テンポもよく、とても面白かった。あとがきをみると次回作もあるとのこと。期待。
  • 渇きと偽り
    まず邦題が秀逸だと思った。
    旱魃によってより一層疲弊してしまった田舎町・キエワラ。
    その町に20年振りに帰郷するアーロン・フォーク。
    「ルークは嘘をついた。きみも嘘をついた。」という手紙と共に。
    ルークの事件の真相、そして20年前フォークが町を出なければいけなくなったエリーの死の真相。
    過去と現在を...続きを読む
  • 潤みと翳り
    イギリス出身でオーストラリア在住の作家「ジェイン・ハーパー」の長篇ミステリ作品『潤みと翳り(原題:Force of Nature)』を読みました。
    イギリスの作家の作品が続いていますね。

    -----story-------------
    CWA賞受賞『渇きと偽り』続篇!
    企業の研修キャンプで森に入っ...続きを読む
  • 渇きと偽り
    青春時代のほろ苦さなんてものではない、町民のまとわりつくような視線が全編に根付いて、この物語に重くのしかかっている。

    “キエワラ”このオーストラリアの小さな田舎町は、干ばつが続き人々はギリギリの生活をしている。
    それは、全てが乾ききっていて、何かのきっかけさえあれば燃えてなくなってしまうほど。

    ...続きを読む
  • 潤みと翳り
    前作「渇きと偽り」は主人公アーロン・フォークのパーソナルな物語だったが、今作では一歩引いた立ち位置から事件に介入する。山中での合宿研修に参加した女性グループのメンバーが行方不明になるというシンプルな筋書きながら、彼女達の一色触発な人間模様は中々サスペンスフルだし、フォークと亡き父の確執に決着がつくの...続きを読む
  • 潤みと翳り
    企業の合宿研修で森に入った五人の女性。道に迷い、やっとの思いで脱出したとき、そのうちの一人が忽然と消えていた。手がかりは消えた女性が連邦警察官フォークの携帯電話に残したボイスメッセージ。遭難か、事件か。外界から隔絶された大自然は、女たちの虚飾を容赦なく剥ぎ取っていく。オーストラリアの豊かな森を舞台に...続きを読む
  • 潤みと翳り
    森林の密室感作りとそれを反映した陰湿な人間関係、現在と過去を交互に展開させる展開の方法は非常に面白かった。主軸の密室に囚われた人間関係に加えて、連続殺人犯の存在と経済犯罪捜査を入れることでミステリーとしての展開の可能性を読者に提供し、ミステリーとしての完成度が非常に高く、また殺人事件捜査ではなく森林...続きを読む
  • 潤みと翳り
    どこの国の母親同士の嫉妬、いがみ合いは同じなんだと感じた。海外のミステリーを読んでの感想にしては意外な展開。
    前作よりこなれていて読みやすかった。次回作にも期待。