斎藤忍随のレビュー一覧
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博覧強記の愛書家は、なにもかも二番煎じで、複製品をまた複製したかのように、どんよりと色あせている。博覧強記の愛書家は、この人はこう言った、あの人はこういう意見だ、それに対して他の人がこう反論した、などと報告する。議論の余地ある問題に権威ある説を引用して、躍起になって性急に決着をつけようとする人々は、...続きを読むPosted by ブクログ
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『思索』『著作と文体』『読書について』の三編からなる本。タイトルの『読書について』と『思索』が各々約20 頁程度。『著作と文体』が約100頁。この『著作と文体』にショーペンハウエルの感情が爆発してると言いますか…出版社や匿名批判への恨みや、ドイツ語が衰退していく事についての危機感など、とても辛辣な言...続きを読むPosted by ブクログ
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本の量を増やしても、自分で考えて得た知識じゃないとその価値は怪しい。自分で考えて考えて得た真理が本に載っていたとしても、その真理は本で読むより100倍の価値がある。
読書は一種の思考を放棄して、神聖なる精神に対する反逆罪ともいえる。Posted by ブクログ -
著者が現代に生きてたら怒り狂ってるだろうな
金稼ぐための文章は全てクソっていうのは世の中を斬りすぎな感じはするがほぼ同意
最近のネットとりわけSNSにはそういった文章が溢れ過ぎ
またGPTの普及に伴い今後さらに増えるんだろうな
本著を読んで気付かされたがこれらの文章って接種しても全く栄養になってな...続きを読むPosted by ブクログ -
interestingかつfunnyな本だった。読書とは他人に考えてもらうことであり、そこから得た経験に真理と生命は宿らない。あくまで自らの思索の補助として用いるものであり、その対象も良書に限るべきである。
言われてみれば当たり前なことなのだが、読書に限らず映画や音楽についても「量」を一つの指標とし...続きを読むPosted by ブクログ -
読書しない人が多い世の中であるが、御仁はこの世を見たら何を思うだろう。彼の思想は極端であるが、その毒を批判するだけの人間は知性の敗北者として名を馳せよう。哲学書の中でもかなり読みやすい(斎藤先生の翻訳が素晴らしく綺麗である)本書は文学部の生徒のみならず、本を嗜む全ての人に読んでほしいものだ。そして取...続きを読むPosted by ブクログ
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岩波文庫に収録されている古い哲学者の論考とは思えないほど明快な語り口で、現代の我々、それも読書記録サービスを利用しているような人々に対するある種の警告を与えてくれる。Posted by ブクログ
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自分はこの本の伝えたいことは、「他人の考えばかり見ていると、自分で考えることができなくなる」ではないかと考えた。
思索の大変さや文体についてなど様々な要素があるが、表紙にもあった「読書とは他人にものを考えてもらうことである」がメインだったと感じた。
この本の指す読書は現代におけるSNSみたいなも...続きを読むPosted by ブクログ -
読書好きな人にこそ読んでほしい本。文章が簡潔で、例えが分かりやすく、ハッとさせられる言葉に溢れている。
本編は「思索」「著作と文体」そしてタイトルにある「読書について」の3編に別れている。もともと表紙にある「読書とは他人にものを考えてもらうことである。1日を多読に費やす勤勉な人間はしだいに自分でもの...続きを読むPosted by ブクログ -
高3の時、塾の先生にこの本を勧めていただき、読みました。「本をいっぱい読む前にこの本をまず読んでほしい」
当時、先生から言われた言葉意味が読み返してわかりました。漠然と知識と情報を得るための読書ではなく、まず行動し、課題にあたり自分の知識ではどうにもならない際、読書にて知見を得て、問題解決に挑む。
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2021年積読整理の旅に出発したばかりなのに、
出会ってしまった本。
大事なのは目的。
えーっと少しずつ修正していきまーす^^;Posted by ブクログ -
あとがき含めての読書体験でした。
深く理解するためには当時のコンテクストも含めて見ないとならず、浅学にして理解できないと感じた部分も多かった。
一方で、エッセンスは鋭く本質を抉ってくる箇所があり、気づいたら読み終わっていたという感覚。Posted by ブクログ -
読書とは他人にものを考えてもらうということ。多読するな!ー最近意識的に多読をしていたが読書の内容が頭に残らないことが悩みだったのだが、この文句が心に響き読んでみた。
全体的にかなり辛辣で笑えたが、繰り返しも多くとっつきにくい例を出すので難しい印象だったが、それでも著者の主張はしっかり伝わった。
今...続きを読むPosted by ブクログ -
なんか作者の人モテなそうってのが第一印象。流行りのものが大嫌いで、昔のヴィジュアル系とかイギリスのメタルを絶賛してる高学歴陰キャのイメージ。
でも文書自体はとても読みやすくて、難しい言葉を使おうとしない所が良かった。同じ内容が何回も繰り返されて少しくどい所もあったけど、その分言いたい事は伝わって...続きを読むPosted by ブクログ -
ショウペンハウエルによって書かれた「思索」「思索と文体」「読書について」の3篇である。以下に、本書のまとめと自分の考えを述べる。
読書は、自分の思索を他人に預けることであり、本を読んでもその考えに至った経験や過程を得られるわけではない。得られるのは、結論のみである。そのため、読書をしても内容を...続きを読むPosted by ブクログ -
読んでる最中、厳しい〜でも分かるかも〜ってずっと思ってた。本に書いてあるのに読書すると思索が止まるから読むなって冒頭から書いてあって笑った。
書評の匿名性や言語の文法的な変化など現代にも通じる事が多いと思う。
ただ、言語は時代と共に変化していくものだからずっと同じ文法や単語を使っていくのは難しいと思...続きを読むPosted by ブクログ -
かなり簡潔に本についての考えを多く述べている本。
読みやすい構成になっており、合間に自分の中で消化しながらゆっくり読み進めるのが良いと思います。
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ショウペンハウエルによる「思索」「著作」「読書」に関する短編集。
ショウペンハウエルは19世紀に活躍したドイツの哲学者で、その厭世的な思想はニーチェ、ワーグナーなどに広く影響を与えた。
しかし本著ではそのような思想はあまりみられなくて、単純に「人間はどのように考えて生きるべきか」が一貫したテーマに...続きを読むPosted by ブクログ -
【ショーペンハウアーの主張】
3段階のロジックで捉えた。
第一。多読は有害である。いくら栄養があるといえども、食物をとりすぎれば胃を害し、全身をそこなう。精神的食物も同様に、とりすぎれば、過剰による精神の窒息を招きかねない。身の丈にあった量を反芻することではじめて、書物はわれわれを養う。
...続きを読むPosted by ブクログ -
読書とは他人に物事を考えてもらうことである。1日を多読に費やす勤勉な人間はしまいに自分でものを考える力を失ってゆく。
読書を本格的に始めた時に見かけたこのメッセージが衝撃的で、ネットで即購入した。
つまりは、本を読んで満足したり、そこで得た知識を単純に並べたり、少し言葉を入れ替えたりするだけのもの...続きを読むPosted by ブクログ