デイヴィッド・フィンケルのレビュー一覧

  • 帰還兵はなぜ自殺するのか
    湾岸戦争以降の現代における対テロ戦争の、末端の兵士たちが強いられる緊張や目的意識の無さ/虚しさ(HVTだと知らされていた対象を捜索しに、深夜一般住宅を襲撃して見たら実はココ違いました!というオチ)、そして『傷病兵』となって帰還してからの生きにくさ。
    複数兵士からの証言を基に克明に描いた作品。

    併せ...続きを読む
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか
    文学的なノンフィクション。良質な純文学を読んでいる気分になるが、これはノンフィクションなのだと驚く。
    戦争は多くの犠牲を伴うが、その犠牲とは人間の人生にほかならない。
    戦争は解のない問題だ。
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか
    著者のデイヴィッド・フィンケル氏はワシントンポストで23年間記者として働き、2006年にピュリツァー賞を受賞。その後退職して従軍記者としてイラクに渡り、そこで知り合った兵士の「戦後」の生活-帰還兵の生活-を具体的に描いている。
    戦争そのものが「不幸」だということ。そして、その不幸せな生活を送るのは決...続きを読む
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか
    国会で議論されている今だからこそ
    読んでほしい一冊!
    どんな戦争でも精神的に傷を負う兵士がいたに違いないけど、日本ではあまり注目されていないように感じる。
    というか、見ないようにしている…?この現実を…。
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか
    誤解を恐れずに言えば、今の政府は戦争をしても構わないと考えているのではないだろうか。為政者は絶対に戦場には赴かない、為政者より間違いなく未来への時間を多く持つ若者が行くのだ。突然、自己の未来が消滅する可能性だって勿論生じることになる。運よく戦場から生還できても、PTSDやTBIで人生がボロボロになっ...続きを読む
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか
    アメリカの対イラク戦争に派遣された兵士たち。

    イラク、アフガンで見た惨状。
    「敵」の攻撃(爆破)によりむごたらいい戦友の死…。幼児を抱えたイラク兵を撃つ…。

    帰国後、PTSDになり、自殺に至った者も多い。
    本書で取り上げるのは、自責の念にとらわれ、苦悩する元兵士本人やその家族の苦悩を、淡々とした...続きを読む
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか
    帰還兵の物語というとオブライエンの『本当の戦争の話をしよう』が思い出されるが、これはイラク戦争からの帰還兵を追ったノンフィクション。第二次世界大戦、ベトナム戦争からの帰還兵とイラク戦争の帰還兵は当然それぞれの苦悩があったかと思うが、帰還後の精神的ストレスについてはトラウマの症状が異なるという。前線が...続きを読む
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか
    主にイラク、アフガニスタンの戦争から帰って来た兵士は、PTSDや脳損傷により苦しみ、自殺してしまう。

    兵士や家族の日々を坦々と記録してある。

    戦争は、戦闘が終わってもなお、人々を苦しめ続けるもの。
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか
    イラク戦争に200万の兵士が行き、50万がPTDSになった。その兵士たちと家族の抱えた悲劇。
    自衛隊に何が起きるのか、その結果、本人と日本社会はどれほどの後遺症の負担に苦しむことになるのか。想像するに余りある。
    戦争はしてはいけないし、本来日本社会の持つ力ではできるものではないのだと痛感する。
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか
     表題の通りである。 
     非日常は人を狂わせる。(米軍においてはおそらく)心身無事に帰還する兵の方が多いわけだが、PTSDに悩まされる帰還兵は少なくない。
     「負傷兵の方がまだましだ」という見方もある。外傷は名誉の負傷であり、誰が見てもすぐにそれと分かる。
     「撃たれて死ぬ方がまだましだ」とすら言え...続きを読む
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか
    なぜ戦争をしてはいけないのか。よーくわかる本。登場人物で混乱しなければ比較的スムーズに読めるが、とても気が重くなる本。
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか
    戦場から帰還した兵士の苦しみが胸に刺さるが、兵士の妻の苦悩もまたいかばかりかと思う。夫は大変な仕事をしてきた。地獄を体験した。身心ともに疲れきっている。
    しかし、生きていれば嫌でも生活というものをしなくてはならない。なのに、夫はあてにできないどころか、夫がいることで負担が増す。家事も、育児も、生計も...続きを読む
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか
    やっぱりどんな理由があっても、戦争はいけない。人を殺すことは自分も殺すこと。自分の周りの大切な人の心も殺してしまう。正義の戦争なんて無い。
    では、どうやって戦争無き世界にするか?
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか
    たとえ、戦場で死ぬことがなかったとしても、無事帰国したあとに、自殺する兵士たち。
    なんとか、自殺の手前でとどまっていても、何年も苦しみ続ける兵士たち。そしてその家族。
    のこのこと海外まで行って、するべき戦争なんてないと思う。戦争を決める人たちは、決して最前線で戦うことはないのだ。やってられない。
    ...続きを読む
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか
    主にイラク戦争の帰還兵の生活や家族、心的療法プログラムなどについて、実際に起きたことをまとめ上げた内容で、非常に読むのが辛くなる
    海外には本物のジャーナリストがいるってことが分かる書籍でもある。 カタカナの名前が覚えきれなくて若干相関関係が分からなくなっちゃったりもする
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか
    イラク戦争でPTSDを発症した米兵や遺族のドキュメンタリー。感動的な脚色などはなく、ただ淡々と彼らの苦悩や悲しみを書き記している。登場人物が複数人いるので、散漫的で少し読み難い。心が戦場から帰って来れずにいる彼らの苦しみや、支える家族の不安は解消されそうにない。PTSDの治療法や解決策などもなく、読...続きを読む
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか
    久々に完読を諦めた本。
    イラク戦争などで精神的外傷を追って米国に帰国した軍人の実話。ドキュメンタリーで取材した事実を丹念に丁寧に追っていて、すんなりと日常生活に戻れない軍人とその家族の苦しみを書いているのだけど、軍人を4人か5人か追っていいっているのだけど、錯綜していて、どれが誰の話なのかわからなく...続きを読む
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか
    軍隊における医療は、一般の医療とは性格が異なる。
    なぜなら、一般の医療の目的は病気や怪我をした人を、治療し、元の生活に戻すことが目標なのに対して、軍隊の医療の目的は、傷ついた兵隊を、また戦えるように整備し、戦闘に投入することだから。

    本書には、主にイラク戦争で戦い、肉体的、或いは精神的に負傷した兵...続きを読む
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか
    戦場の過酷さと共に、雄々しくあらねばという考えも、帰還兵を苦しめているように思える。助けを求めることを不名誉と思い、苦しい思いを抱えることは自分の弱さと考え、何に苦しんでいるのか語ることができない。戦争は戦場にだけあるのではないということを、ただただ兵士たちの帰還後を辿ることで突きつけてくる。
    こう...続きを読む
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか
    アフガン・イラクに派兵された米兵士200万人中50万人がPTSDとTBIに苦しんでおり、毎年240以上が自殺している。5人の帰還兵とその家族の日常を描写することで見えてくる、本人だけでなく家族も苦しめる障害、経済的苦境。

    タイトルと中身がちょっと違うなと思いましたが、翻訳で変えたんですね。後遺症の...続きを読む