松本健一のレビュー一覧

  • 畏るべき昭和天皇
    本当に昭和天皇畏るべしであった。官僚や政治家や軍人よりはるかに物の見方・感じ方のレベルは超越していて、時々刻々の世界情勢を見据え、国家と国民と皇室の存続と「君臨すれども統治せず」というイギリス風の立憲君主制を貫こうとしていたことが判然とした。 2・26事件の決起将校たちや近衛文麿首相や杉山元・陸軍参...続きを読む
  • 畏るべき昭和天皇
    本当に昭和天皇畏るべしであった。官僚や政治家や軍人よりはるかに物の見方・感じ方のレベルは超越していて、時々刻々の世界情勢を見据え、国家と国民と皇室の存続と「君臨すれども統治せず」というイギリス風の立憲君主制を貫こうとしていたことが判然とした。 2・26事件の決起将校たちや近衛文麿首相や杉山元・陸軍参...続きを読む
  • 畏るべき昭和天皇
    本書は昭和天皇についてのイメージを一新する著作である。とくに、「カゴの鳥」からの脱却の章が面白かった。この章は大正十年(1921)三月から半年かけて行われた皇太子時代にイギリス、フランスなど欧州視察旅行にまつわる話である。
     皇太子時代の昭和天皇に対してなされていた教育を「箱入り教育」として激しく批...続きを読む
  • 畏るべき昭和天皇
    本書は昭和天皇についてのイメージを一新する著作である。とくに、「カゴの鳥」からの脱却の章が面白かった。この章は大正十年(1921)三月から半年かけて行われた皇太子時代にイギリス、フランスなど欧州視察旅行にまつわる話である。
     皇太子時代の昭和天皇に対してなされていた教育を「箱入り教育」として激しく批...続きを読む
  • 畏るべき昭和天皇
    昭和天皇という人物が持っていた、強さや聡明さ、政治的合理性については、保坂正康氏の著作などで、既に知ってはいたのですが、本著では史料として残された多数の証言に基づき、昭和史の様々な場面で現れた、その類稀なる「畏るべき」パーソナリティが多面的に検証されます。

    「近衛は弱いね」だとか、杉山参謀総長に...続きを読む
  • 畏るべき昭和天皇
    昭和天皇という人物が持っていた、強さや聡明さ、政治的合理性については、保坂正康氏の著作などで、既に知ってはいたのですが、本著では史料として残された多数の証言に基づき、昭和史の様々な場面で現れた、その類稀なる「畏るべき」パーソナリティが多面的に検証されます。

    「近衛は弱いね」だとか、杉山参謀総長に...続きを読む
  • 「日の丸・君が代」の話
    日の丸は日本人が古くから日本という国を対外的に表現するために用いてきたものなのに対し、君が代は明治以降に天皇礼賛歌として作られたものであり、そもそもの歴史が全く異なるため、国旗・国家として法に定めるにあたって、一緒くたにして考えられるものではない。
    国旗・国歌法も十分な議論がなされたとはいえないため...続きを読む
  • 「日の丸・君が代」の話

    もうそろそろ平成の世が終わり改元ですね。
    日の丸が国旗として使われてた歴史は意外と古いんだな。戦国の世に存在していたのか。
    国歌の歴史は近代に入ってから。天皇礼式曲がその起こりで、天覧調練に使われ、万葉集の歌詞に非日本人が作曲したと。
    黒船来航、明治維新、一次大戦、満州事変、二次大戦。これらの節目...続きを読む
  • 日本のナショナリズム
    中国在住経験のある著者による、よく調べられた面白い本である。ただし、マルクス主義ではないにしろ左翼的な反帝国主義に固執した発言が気になった。「幕末に、ヨーロッパ列強の覇権争いに日本もいち早く参加するため開国した」「日本の植民地政策により、収奪されたアジア諸国から恨みがずっと残った」は、誤りであると思...続きを読む
  • 「日の丸・君が代」の話
    国歌・国旗問題をここできちんと勉強しておく。どーでもいいけど、人によってはどーでもよくないことだから、リスクマネジメント。


    ______
    p19 湾岸戦争
     イラクのクウェート侵攻に対して国連多国籍軍が平和維持活動を発動した、戦争。冷戦終結後のナショナル・アイデンティティを問う戦争。アメリカの...続きを読む
  • 「日の丸・君が代」の話
    「日の丸」「君が代」が、日本の国旗・国歌となるまでの経緯を詳しく紹介しています。国旗と国歌に焦点を当てることで、日本の近現代史における「国民国家」樹立の道のりをたどることができたという意味でも、おもしろく読みました。

    さらに、テリトリー・ゲームからウェルス・ゲームを経て、アイデンティティ・ゲームの...続きを読む
  • 日本のナショナリズム
    [ 内容 ]
    近代日本のナショナリズムはどこで道を誤ったのか。
    一九一五年の対支二十一カ条の要求や、統帥権干犯問題、斎藤隆夫の粛軍演説の問題、北一輝の思想などを題材に、戦前日本のナショナリズムが迷走し、暴走した原因を追究する。
    さらに、現代の東アジアにおけるナショナリズムが惹き起こしてきた領土や歴史...続きを読む