鈴木創士のレビュー一覧

  • お前らの墓につばを吐いてやる
    ジャズを愛し、黒人を敬愛していたヴィアンの人種差別に対する憎悪が、凄まじい力をこの本に託していると思いまます。
    手足の震えが止まりません...。
  • 神の裁きと訣別するため
    「ほんのまくら」で買った一冊。非常に興味深くて驚いた。『神の裁きと訣別するため』と『ヴァン・ゴッホ 社会による自殺者』収録。
    アルトーの、精神と身体の乖離に対する煩悶が強く伝わってくる。訳も良い。狂っているのは、私か、あなたか。ゴッホは狂人ではなかったと言うアルトーは、果たして狂人でなかったかどうか...続きを読む
  • お前らの墓につばを吐いてやる
    文学作品としてめちゃめちゃ面白いかと言われればそうは思わない。レトリックも正直粗雑な印象だしスリラーとしての緊迫感みたいなものも特別ない。タイトルに勝る挑戦的な内容をどうしても期待してしまったわけである。
    ただ、フランス人がデビュー作としてアメリカ人を装い世に出したという本作にまつわるエピソードはま...続きを読む
  • 演劇とその分身
    アルトーってタメ?ってぐらい今に響く言葉ばかりだった〜曲解ばかりかもだけど。笑っちゃうぐらい言葉が回りくどいから友達になったらめんどくさそう!悪口めっちゃ言うし。
    でも超ありがとうだよー心強いです
    演劇とペストはもっかいよむよーサンキューアルトー
  • お前らの墓につばを吐いてやる
    仏人作家が米国の20世紀の人種差別問題をテーマにした小説。若い男が目的に向かって動きだしスピードを上げて一気にゴールに駆け込むような勢いがあり読みやすかった。印象的だったのは、肩のラインが黒人と認識されるポイントになり得るということ。いくら見た目白人でも分かる人には分かるらしい。今でも米国の人種差別...続きを読む
  • お前らの墓につばを吐いてやる
    絶対的な復讐心。狂えるほどの憎悪。酒と暴力とセックス。
    圧倒的な文体に飲み込まれ、読み進める。私が感情をはさむ余地などない。
    黒人の差別問題に恐怖をいだいた。ラスト2行にやっと複雑な気持ちが沸き起こる。ただただ、知ること学ぶことを私はやっていかなければ。ヴィアンの戦いの一書。
  • お前らの墓につばを吐いてやる
    黒人の血が混じった主人公リーの白人への復讐劇。
    アルコールとセックスとバイオレンスに彩られた物語の胸に迫る最後の一文。

    ジャズのスタンダード“奇妙な果実”が頭をよぎる。
  • ランボー全詩集
    抑圧するものを突き破るかの様なエネルギーに満ちた詩篇。奔放でエキセントリックで、あまりにストレートに怒りと侮蔑をぶちまけるのが痛快。鈴木創士の猛烈に圧縮された文章が大好きだが、原文のビートニックなリズムをできるだけ再現しようとしたと云う。俗語も多用されており中也訳などとは大分趣が異なる。“ある地獄の...続きを読む
  • 神の裁きと訣別するため
    言葉の圧力、とでも言えばいいのか。感覚で読む本、という印象。
    一つ一つの言葉に強い意思があって、それがどっと溢れてくる。
  • 神の裁きと訣別するため
    とにかくもがいている。まるで身体中を這いまわる蛆を無我夢中に払おうとするかのように。彼の表現しているのは、叫びそのものだ。その叫びに一生懸命に意味を加えようとしている。まるで、助けを求めるように、彼は叫び続ける。それは命そのものがそのトランスから、必死に逃げようとしている。いや、外界の絶え間ない何ら...続きを読む
  • ランボー全詩集
    すでに小林秀雄、堀口大學、中原中也、金子光晴、篠沢秀夫、粟津則雄、清岡卓行、宇佐美斉など錚々たる面々による訳があり、どれがすぐれているかより、どれが好きかでしか語れない領域の厄介な仕事に、『中島らも烈伝』の著者で、らも作品にたびたび登場する「エス」こと鈴木創士が挑む。
    文庫の帯には「突き抜けた訳」と...続きを読む
  • ランボー全詩集
    詩は「理解」するものではなく「感じる」ものかもしれないのだが、代表作とされる「ある地獄の季節」にしても「イリュミナシオン」にしても、ほとんど絶望的にその言語世界をイメージすることができなかった。原語で読めばそれなりにそのすばらしさを感じることができるのかもしれないが、残念ながらその能力もない。
  • 神の裁きと訣別するため
    鈴木創士さんは「ジャック・ヴァシェ大全」の帯文を書いておりその巡り合わせに少し驚いた。さてアルトーは大衆に向けてラジオで(ラジオ!)作品を朗読者を引き連れて番組にしたり、ゴッホは社会の犠牲者だと述べている。抽象的なので難解ではあった。
  • お前らの墓につばを吐いてやる
    内容・構成は凡庸。作品の最初を読んだところで、最後まで見通せてしまうし、特に面白いシーンもない。ボリス・ヴィアンの傑作『うたかたの日々』に比べると見劣りする。ただボリス・ヴィアンの「白人が不快になるような本を書いてやろう」という強い思いが全体に強く出ていてその怨念は面白い。『うたかたの日々』もそうだ...続きを読む
  • 神の裁きと訣別するため
    心ではなく魂からの言葉
    迸る光、怒り、錨のような言葉
    解説にあるようにグノーシスってこんなんなのかも知れない…

    素晴らしい!
    世界に呪詛を吐きかける者たちは必読。