ウルリケ・ヘルマンのレビュー一覧

  • スミス・マルクス・ケインズ――よみがえる危機の処方箋
    経済学の3大巨人の物語 著者の造形の深さも巨人並み
    近代経済学が問われている
    経済体制論はケインズで封印してしまった
    現在は「静的最適経済論」
    中世の宗教学と同じ、呪文の世界
    時代は間違いなく「資本主義経済体制」を問うている
  • スミス・マルクス・ケインズ――よみがえる危機の処方箋
    アダム・スミス、マルクス、ケインズの生涯をたどり、彼らが見据えたものを再確認しながら経済の捉え方を考え直す試みである。現在の経済学が全くの無用の長物とは思わないが、あまりにもそれが幅を利かせすぎているのが問題だ。そういった意味で、著者の主張には一見の価値がある。
  • 資本の世界史 資本主義はなぜ危機に陥ってばかりいるのか
    資本主義経済体制の世界史 産業革命を機に未曾有の経済発展を実現した
    その成功ゆえに「地球環境の制約」という新たな本質的課題に直面している
    加えて「コロナ禍」が加わり、経済体制の見直し・改革論が噴出してきている
    マルクス資本論ブームはその象徴である
    著者は軽々に資本主義経済体制の終焉論には与しない
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  • 資本の世界史 資本主義はなぜ危機に陥ってばかりいるのか
    経済史の概説を通して資本主義を丁寧に再定義している。資本主義と市場経済、実体経済と金融経済、金融危機と経済危機といった概念間の明確な分離の上で、資本主義の本質を洞察しようとする試みは秀逸で、個人的には靄が晴れるような体験であった。終盤では未来についての記述も、資本主義の枠組みの内外でそれぞれ数頁ずつ...続きを読む
  • スミス・マルクス・ケインズ――よみがえる危機の処方箋
    新古典派経済学がいかに現実離れした前提に基づいて構築されているかを、やや戯画化している印象もあるが、鋭く指摘、批判して、主流派経済学において忘れられた3人の巨匠(タイトルの3人)を現代に甦らせようという警世の書。
    新自由主義を強力に推し進めて世界をグローバリズムに引き摺り込み、とてつもない格差社会へ...続きを読む
  • 資本の世界史 資本主義はなぜ危機に陥ってばかりいるのか
    ギリシャやローマでは、生産の効率化のために資金を借りるという発想がなかった。
    遠隔地貿易は昔からあった。
    労働力が安かったため、ローマやギリシャでは、技術革新をする必要がなく、資本家は育たなかった。

    中国は海洋帝国になれる力はあったが、商業には興味がなく皇帝への貢物だけに興味があった。

    馬にでき...続きを読む
  • 資本の世界史 資本主義はなぜ危機に陥ってばかりいるのか
    読書は私の趣味の一つで、歴史モノを読むのが好きです。かつては歴史の事件が中心でしたが、ある分野に絞った歴史(通史)も面白いことをこの数年で見つけました。この本は「資本主義」の通史について書かれています。

    ドイツの方が書かれた本で、資本主義は、なぜイギリスの片田舎(ロンドンではなく、マンチェスターp...続きを読む
  • 資本の世界史 資本主義はなぜ危機に陥ってばかりいるのか
    この手の本にありがちな理想論の誤魔化しが比較的少なくて好感が持てる。
    持続可能な成長は無い、なんてなかなか言えないですよ。
  • 資本の世界史 資本主義はなぜ危機に陥ってばかりいるのか
    基本的に経済史から説く立場なので、読んでいて安心感がある。産業革命がなぜイギリスで起こったのかという答えとして「労働者の給料が高くて、機械化がワリにあった」というシンプルなもので、わっかりやすーい。貯蓄は悪! なぜなら「全員が貯蓄」するのは不可能だし、貯めれば貯めるほどお金がまわらなくなって不況にな...続きを読む
  • 資本の世界史 資本主義はなぜ危機に陥ってばかりいるのか
    流読。
    具体例がやや長く散文的な文章であるが、資本を軸とした通史の復習として。

    資本主義は成長を必要とし、持続的な成長はなし得ない。
    新たなシステムが予期せぬ形で生まれる。