青木俊のレビュー一覧

  • 逃げる女
    逃亡者をあつかうサスペンスは、通常なら「逃げる側」か「追う側」のどちら側かに立つことでハラハラ感を味わうものだが、本作はどちらの側の視点からもそれを描いていて、あと一歩というところで逃げられ地団駄を踏む悔しさと薄氷の思いで間一髪窮地を脱出する、そのどちら側の立場からでも手に汗を握らせることに成功して...続きを読む
  • 潔白
    既に死刑執行済みの事件の再審請求を巡るお話
    冤罪で死刑にされた可能性が合った場合、検察、裁判所、警察はどういう方針で動くのか?を描いた作品

    実際の事件(飯塚事件)を元にしており、その事件をテーマにしたノンフィクション「殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件―」は、とある書店が表紙...続きを読む
  • 潔白
    面白すぎて1日で読んでしまった。前半をメインに占める主人公的存在が、正義感みなぎる人間ではなく、むしろ葛藤しながら動く検察側というのも面白い。最後まで犯人が想像できなかった。
  • 潔白
    30年間も無実の罪で死刑にされた父親の潔白をはらそうと奮闘する娘の強さに心打たれた。
    フィクションながら日本の法曹界はここまで正義が死んでいるのかと絶望感。
    正義よりみんな自分の保身ばかり。
    刑事や検事や裁判官になりたての頃は正義のためにと思っていたはずなのに、組織がそうさせるのか。
    裁判官によって...続きを読む
  • 潔白
    私水谷豊のドラマ見てから(大昔の)無罪で死刑になるのが怖かった。日々の行いさえよければ誰か助けてくれると思って生きてきたけどこの主人公のお父さん、悪いことしていないのに死刑になっちゃった。最後の真犯人はなくても良かったな。フランス行きなさいは安易だなって思ってた。
  • 逃げる女
    3ヶ月ぶりくらいに本を読んだ。
    やはり読書はいい。
    だけど最近、何が読みたいのか
    何を読んだらいいのか迷走してる。
    そんなことは置いといて...

    だいぶ前に予約していた本が順番回ってきた。
    それがこの「逃げる女」

    最初は素人の若い女を逮捕できないおマヌケな警察に苛立って読み進めたが
    どんどん
    ...続きを読む
  • 逃げる女
    まずタイトルがいい。最後に女は逃げるのではなく追っていたとわかるが、1章の逃亡劇は、道警とはいえ探偵事務所で働いていただけの一般女性が逃げ切るという部分が噓くさいといえば噓くさいが、その逃亡の疾走感でまずグッと惹きつけられる。どのような展開になるかハラハラドキドキしながら最後に巨悪の正体がわかるスト...続きを読む
  • 潔白

    スカッとした

    執行されてしまった死刑囚の娘が父の潔白を証明するための戦い。法治国家の威信をかけた検察、警察、裁判所という司法の手による偽造、隠蔽、証拠の廃棄・・・国家のもつ強大な司法権にはたして個人は抗することができるのか。
    大丈夫、スカッとできました。
  • 逃げる女
    2004年に起きた轢き逃げ事件、犯人がわからないまま捜査も中途半端に打ち切られた。

    2023年、元記者で翻訳家の名倉が殺害された。
    現場にいた久野麻美に逮捕状が出る寸前、逃げられる。
    そこから凄まじいほどの逃走劇が始まる。
    執拗に追う警察と必死で逃げる久野麻美。

    彼女は、逃げていたのではなく、絶...続きを読む
  • 逃げる女
    一気に完読。

    逃げる女を追う警察、ここまで徹底して捜査するのかと驚いた。ただの殺人事件ではなく、大きな背景があった。殺された男性が以前に友人に何気に渡したお土産から、警察が主要人物の関係性を見つけるのも凄かった。最後の方の展開も凄くて、よくできている作品だなと感心した。

    日米合同委員会の存在は以...続きを読む
  • 潔白
    冤罪死刑と、その後を描いたストーリー。
    終始飽きることなく読破できた。最後の意外性もあって非常に読み応えがあった。
  • 潔白
    死刑に追いやられた父の免罪を晴らしたい娘
    vs
    絶対に自分達の判決を覆したくない国家権力
    まず冒頭の処刑シーンが鬼気迫る迫力で、一気に惹き込まれる
    絶望的な力の前に孤独に立ち向かう心強き者
    そこに集っていく仲間達
    一丸となって判決の矛盾点、真犯人の可能性を探り出していく
    それに対して余りにも卑怯な手...続きを読む
  • 潔白
    最高の小説。死刑から始まるつかみが最高。
    真犯人はまさかの死刑立会の神父。
    ただそこは本筋ではなくて、本書の良さは読みやすさと死刑になったのに娘が冤罪を晴らすまでのテンポ。この本に出会えて良かったです。
  • 潔白
    死刑囚の刑執行シーンから始まる衝撃的な幕開け。

    口裏合わせの嘘の供述と、ずさんな捜査で逮捕され、不確かな鑑定によって事実が捻じ曲げられた末に死刑が確定し、お上の身勝手な事情によって刑の執行が早急に決まってしまう。
    巨大な国家権力の前では一個人が持つ正義感などちっぽけなものに過ぎず、簡単に揉み消され...続きを読む
  • 逃げる女
    逃走劇の先にある衝撃の真実とは――。

    人を殺しても、逮捕できないヤツがいる――。
    2023年、秋。北海道・札幌の葬儀場で、道警捜査一課の生方吾郎は、久野麻美という女を張っていた。
    8日前に起きた殺人事件の被疑者である彼女は、葬儀場を出た後、警察の追尾を受けながらもその姿を消してしまう。
    札幌、旭川...続きを読む
  • 潔白
    足利事件、飯塚事件、袴田事件と、現在も再審が行なわれている冤罪事件について、恐らくは飯塚事件を参照した内容で描かれた小説。とくにMCT118型と呼ばれるDNA鑑定について、その正確性が問われるものとなっている。

    冤罪を晴らすことは難しい。警察や検察、裁判所といった各司法機関の判断を根底から覆す事態...続きを読む
  • 潔白
    強大な国家権力に対して猛然と戦い続ける個人の力に圧倒された。冤罪事件を紐解いていくストーリーも、権力との攻防も目を離すことが出来なかった。とても骨太な作品で面白かった。
  • 潔白
    国家権力と市民の対決。
    これほどまでに卑劣な手を使ってでも、組織は自分たちを守ろうとするのか。
    殺人を犯した者よりも自らのために事実を捻じ曲げて、保身に走る国家権力の体制が一番恐ろしい。
    小説、エンターテイメントではあるが本当にこんなことが起きているのではないかと、疑いを持ってしまう。
    二転三転し、...続きを読む
  • 潔白
     FB友だちから紹介していただき、2日で読んでしまいました。
    母子殺人の罪に問われ死刑となった父親。その娘はある理由から父親の無罪を確信し、再審請求を求める。
    刑を執行してしまったあとで冤罪などあってはならない検察は、なりふりかまわず再審つぶしに躍起となる。果たしてどうなるか…。死刑の是非、検察捜査...続きを読む
  • 潔白
    ミステリーとして読むか、冤罪を考えるで読むかで印象が少し変わる作品。冤罪を描くのであれば、この倍の文量でもっと緻密に描いて欲しかったのが率直な感想。ミステリーとしては最初から真犯人がミエミエではあるが、展開の妙味はある。面白かったが重厚さが足らない印象もあった。