小倉孝保のレビュー一覧

  • 35年目のラブレター
    西畑保さん87歳は、和歌山県の山間で生まれ育ちました。
    貧しさゆえに盗みを疑われ、周りからはいじめられ、先生からも見放されます。
    小学2年生の途中から学校に通わなくなってしまいました。
    中学で働きに出てから、常に西畑さんの人生につきまとったのは、読み書きができないことでした。
    働いた飲食店では、電話...続きを読む
  • 踊る菩薩 ストリッパー・一条さゆりとその時代
    伝説のストリッパー、一条さゆりの評伝。
    今の時代に出すにあたり、ストリップの実態から、時代背景まで、わかりやすく説明。
    彼女は、ストリッパーとしては、客へのサービスに注力するあまり、周りに利用され最後は逮捕・収監される。
    社会運動のシンボルとして、利用されたことも本人にとっては悪影響となる。
    好きに...続きを読む
  • 中世ラテン語の辞書を編む 100年かけてやる仕事
    自分の仕事の結果が遠い将来にならないと分からない中で、「単に好きだから」という理由でずっと作業を継続する人々のエネルギーを感じた。他にも、時間をかけて丁寧な仕事をすることの大事さ、古典などの文化の伝承は時間と手間をかけてでも行うべきであるという考え方、日本語も滅びゆく言語になりかねないとの警鐘、など...続きを読む
  • 踊る菩薩 ストリッパー・一条さゆりとその時代
     かつて全国で300を超えたストリップ劇場は20を切っている。ストリップはパチンコと並ぶ、庶民向け娯楽の王様だった。歌謡界に美空ひばり、プロ野球に長嶋茂雄がいたように、ストリップには一条さゆりがいた。小倉孝保「踊る菩薩」、2022.8発行、371頁、ストリッパー・一条さゆりとその時代を描いたノンフィ...続きを読む
  • ロレンスになれなかった男 空手でアラブを制した岡本秀樹の生涯
    むちゃくちゃな男だけど、スケールがデカすぎで、やりたい放題で中東を駆け抜けたすっごい実話でした。おもしろい。
  • ロレンスになれなかった男 空手でアラブを制した岡本秀樹の生涯

    最後の豪傑

    期待した通りの内容。とにかく人間としてのスケールが大きい。明治維新の頃はこういう日本人が多かったと思うが、岡本氏は正にその時代の戦士たちの最後の末裔と言えるくらいの人物。人生に悩んでるやつはまずこの本を読め。
  • 空から降ってきた男―アフリカ「奴隷社会」の悲劇―
    なんとも切ない。貧困から脱したかった、賄賂が蔓延る国から出たかった、等々理由はあるだろうけれど、やっぱり彼女の元に行きたいというのが大きかったんだろうなあ。ロマンティック過ぎるかな。
  • 空から降ってきた男―アフリカ「奴隷社会」の悲劇―
    ・アイデンティティを保つムスリム
    様々な国の血が混じり、アフリカなど色々な国を渡り歩き、数カ国語を操れるジェシカは自分が何者であるか分からなかった。しかし最初の夫の影響でムスリムになり、イスラム教徒というアイデンティティを保つことができた。キリスト教徒だった頃は宗教的な自覚をあまり持たなかったようだ...続きを読む
  • 空から降ってきた男―アフリカ「奴隷社会」の悲劇―
    [その先を目指して]着陸態勢に入った飛行機から落ち,ロンドンのアスファルトに叩きつけられた一人の男。新聞のベタ記事を飾るようなそのニュースに興味を持った著者は,「空から降ってきた男」の素性を知ろうとするのだが,彼が直面したのは,移民をめぐる大陸をまたいだ一つの厳しい現実であった......。著者は,...続きを読む
  • 空から降ってきた男―アフリカ「奴隷社会」の悲劇―
    ある快晴の朝、着陸態勢に入った飛行機からロンドン郊外に転落し、命を落としたモザンビーク出身の黒人青年。無謀と見える密入国に駆り立てた背景に何があったのか。丁寧な取材が掘り起こす衝撃の事実と、アフリカの今を活写する傑作ルポルタージュ。
  • 柔の恩人~「女子柔道の母」ラスティ・カノコギが夢見た世界~
    ちょうどオリンピックの時期、女子柔道競技が華やかに開催されている今この本を読んで本当によかった。不覚にも涙しました。
  • 中世ラテン語の辞書を編む 100年かけてやる仕事
    ◯東京への遠征時に読むため、書店で購入。もともと大学で古典ラテン語を履修しており、ラテン語に関する文庫本だったので興味があった。(実際には往復の新幹線は眠ってしまい、この本は読み終わらなかった。)
    ◯まず最初に、「辞書の完成セレモニー」の場面から始まり、記者がイギリスのラテン語辞書編集者と日本の辞書...続きを読む
  • 中世ラテン語の辞書を編む 100年かけてやる仕事
    「一旦ラテン語学ぼうかな」
    「効率化や利益がなくても価値ある生活とは?」

    ⚫︎英国人の文化と誇りをかけた中世ラテン語辞書について。日本で言う漢文=ラテン語、共通言語とした会話言葉はなくとも読み書き言葉として利用され続けてきたという点が面白い!日本ではアイヌ語が絶滅の危機にあるというが、日本のアイデ...続きを読む
  • 踊る菩薩 ストリッパー・一条さゆりとその時代
    一条さゆりという、いまから50年ほど前に活躍したストリッパーの評伝。現在、振り返られるとしたら神代辰巳の映画か、ストリップは娯楽か犯罪かで最高裁まで争った事件で名前が出るくらいかもしれない。

    一条は「特出し」と呼ばれる、陰部を見せるストリップで人気を博したらしい。それが逮捕の原因となり、最終的に実...続きを読む
  • 踊る菩薩 ストリッパー・一条さゆりとその時代

    波瀾万丈な生涯を送った
    一条さゆりさんというストリッパーさんのルポ。



    扇情的なコピーが並んでますが、
    この本の真髄はそこじゃありません。

    彼女はたまたま不器用で、
    転落人生を送ってしまったけど、
    心がピュアな女性こそ、
    彼女の気持ちや行動が痛いほど理解できると思います。

    打算的な気持ちが...続きを読む
  • ロレンスになれなかった男 空手でアラブを制した岡本秀樹の生涯
    「ロレンスになれなかった男」ということで、アラブに空手を広げるという使命感で活躍した人生が描かれている。また同時に、常識では測れない、ビジネスや様々な活動についても、事細かに記述されており、等身大の岡本英樹の生涯に接することができ、親しみを感じることができた。
  • 100年かけてやる仕事――中世ラテン語の辞書を編む
    本書を読んで強く思い起こされたのは、イソップ寓話にある「3人のレンガ職人」でした。
    中世ラテン語辞書プロジェクトにワードハンターとしてボランティアで参加した市民は、立場は違えど大聖堂造りに誇りを持つレンガ職人と重なりました。

    「仕事」とは?「生きる」とは?「幸せ」とは?
    目まぐるしく変わり続ける社...続きを読む
  • 空から降ってきた男―アフリカ「奴隷社会」の悲劇―
     これは貧困と搾取が生み出した、一人の男の悲劇的な恋の末路だ。

     ロンドン、ヒースロー空港近郊の道に頭から血を流した男が横たわっていた。
     近所の住人は朝、外で大きな音がするのを聞いた。
     現場検証に来た警察官は、ヒースロー空港へ着陸していく飛行機を見上げていた。

     男の名はジョゼ・マタダ。
     ...続きを読む
  • 空から降ってきた男―アフリカ「奴隷社会」の悲劇―
    「貧困は相対的なものである」この意味を正しく認識し直した。比較対象を認識しなければ、貧富の差に気付くこともなく、貧しさに悩むこともない。生きてていくのがやっとであったとしても、生まれ育ったコミュニティで生活していく、それが幸せだったのかもしれない。1日あたり何ドル以下の極貧生活という表現に意味はない...続きを読む
  • 空から降ってきた男―アフリカ「奴隷社会」の悲劇―
    2012/9/9-0750AM
    ロンドン警視庁に緊急通報が入る。
    ロンドン西部、リッチモンド・アポン・テムズ区、モートレイクのポートマン通りに人が倒れて死んでいるように見える、とのこと。

    普段は静かな住宅街に、多くの警察官が集まり、現場での捜査が始まった。
    しばらくすると、警察官は上空を気にし始め...続きを読む