SSヴァンダインのレビュー一覧

  • 僧正殺人事件
    劇的にどんでん返しがあるとかではないが探偵役ヴァンスの知識量がえげつない。
    つまり作者本人の知識量がえげつない。
    ヴァンスの頭の良さをこれでもかと説得力たっぷりにえがいてくれる。
  • ベンスン殺人事件
    先に後発のグリーン家・僧正を読んでしまってからの、原点回帰。
    登場人物の関係性や、ヴァンスが事件解決に乗り出すようになったきっかけがわかって、すっきり。
    作者の、美術を語りたいんだー!という思いが溢れている。
    大きな展開や波はなくとも、文章の表現や感情の描写が豊かで、推理だけでなく物語としてもじっく...続きを読む
  • 僧正殺人事件
    古典ミステリを読もう企画

    かなり面白かった。
    なんとなくヴァンダインは堅そうなイメージがあったが、キャラもコミカルで読みやすかった。

    見立て殺人の傑作として、マザーグースの詩になぞらえる不気味さとスリルが続きを読みたくさせる。

    警察陣と一緒に犯人はこいつか、いやこいつか…と最後まで振り回された...続きを読む
  • 僧正殺人事件
    この人が犯人かなあって予測はしてたけど、最後の最後で裏切られて爽快。
    探偵が被害者を助けるために犯人を殺した時に、自分が殺したって臆面もなく言うところや、結局犯人の自殺で片付けられたところが好き。
  • 僧正殺人事件
    もう30年近くも前から気になっていつつも、きっと「当時は名作でも今読むと退屈なのだろうな…」と決めつけて読んでいなかったこちらを遂に(笑)読みました。退屈だろうと思っていた理由は1929年という大昔?の作品であるということの他、「僧正殺人事件」などという題名のせいでもありました。(笑)
    いや、もっと...続きを読む
  • ベンスン殺人事件
    殺害されたアルヴィン・ベンスン。かつらをとり入れ歯を外したリラックスした格好での死。死の直前まで彼といたミュリアム・セント・クレア。恋人のリーコック大尉に容疑がかかる。被害者の金を使い込んだ友人リアンダー・ファイフ。ファイフが偽造した小切手と担保にした宝石。浮かんでは消える容疑者たち。地方検事マーカ...続きを読む
  • グリーン家殺人事件
    犯人は当たった!嬉しい!
    さすがのヴァン・ダイン、古典かつ本格のミステリで私好み。警察なんとかできるでしょ、はさておき、構想が素晴らしかった。訳も読みやすい。
    引き込む力、謎を際立たせる構想、読んで満足間違いない。
  • 僧正殺人事件
     小学生の頃から知っていたのにようやく読んだ見立て殺人の元祖。登場人物を覚えるまで読みにくかったが、事件が次々と起こるうちにのめり込んでいった。結末のヴァンスの行動は、コナン君で育った私にとって度肝を抜く展開。それアリなの?当時のアメリカ人の感覚ってこんなもの?と疑問符がいっぱい飛び交う。動機が理解...続きを読む
  • ベンスン殺人事件
    著者と相性が良いのか、ここまで読んだ長編3冊はいずれも意外なほど期待値を上回る読後感(そもそも期待値があまり高くないということもあるかもしれないが)。ファイロ・ヴァンスとDAマーカム、ヒース部長刑事などの丁々発止ながら品位を保とうとする掛け合いの好感度が高いのは、透明人間スマート・セット(笑)ヴァン...続きを読む
  • 僧正殺人事件
    全ての伏線が見事に回収される。名作古典の力を思い知る作品。
    古今東西の探偵が出てくる話において私個人としては法律に則らず探偵自身が裁きを下すことについては受け入れられない感情はある。けど洗練されていて気持ちよく読み進めた。
    家政婦や使用人が普通にいる話が何となくイギリスとかヨーロッパを思わせるんだけ...続きを読む
  • カナリア殺人事件
    捜査に行き詰まり、ポーカーで犯人を推察するシーンがハイライト。
    1920年代アメリカの上流社会が舞台ですが、時代の空気が感じられて興味深かったです。
  • ベンスン殺人事件
    【読書】なかなかに面白かったね。あと犯人は意外だったかな。そこにもっていくのも、それほど途中で引っかかることなく、結構すらすら読めたかな。まあマーカム地方検事もファイロ・ヴァンスに振り回されて酷い目に遭わされてるけど、よく我慢してるよなあとは思った。次のカナリア殺人事件は楽しみになってきたな。
  • 僧正殺人事件
    見立て殺人。探偵役のヴァンスの深い(何をいっているのか分からないくらいに専門的といってもいいくらいには)知識。「そうくるか!?」のような感動はありませんでしたが、全体的にまとまっていて読みやすく、事件の不気味な雰囲気、探偵の魅力ともに後年のミステリーに大きな影響を与えたことが分かる作品でした。
  • ベンスン殺人事件
    漫画家が初期の作品の時に絵が拙いのと同様に、『僧正殺人事件』や『グリーン家殺人事件』と比べるとやや拙くファイロ バンスも諸々しつこさや脂っこさが目に付く。
    しかし、名探偵の登場という瞬間に立ち会う事ができた事に感動しました。
    次の『カナリア殺人事件』も楽しみにして読む事にします。
  • 僧正殺人事件
    最後まで引っ掻き回されたが、しっかり終わった。数学のパートは全くわからなかったが別に分からなくても読める。分かるべきところはちゃんと明言されている。だから数学パートは読み飛ばしても大丈夫だ、安心して読め。
    誰目線の物語か最初はわからなかったが、特筆して書くようなことでもない。この作品の鍵となるヴァン...続きを読む
  • 僧正殺人事件
    マザーグースを多少知ってると、話の面白さがわかる。「おぞましく、狂気に満ちた」と書かれているけどずいぶんこじつけのようで、しかもトリックも簡単なわりに有名な本だと思ったら、どうやら初の見立て推理小説らしい。トリックや推理に主眼をおかず、読み物として殺人の方法に趣向を凝らすタイプの。
  • 僧正殺人事件
    ヴァンダインの代表作の一つに挙げられることが多い作品なので読んでみた。文学や数学についての肉付けが多くやや疲れるが、事件の進み方、解決パートについては全く古さを感じない優れた作品だと感じた。教授が罪をなすりつけたのはなるほどそういうことか、と。

    ワインを入れ替えるくだりは『バイバイ、エンジェル』を...続きを読む
  • 僧正殺人事件
    学術的な話や芸術作品の話が合間にちょくちょく出てくるので難しく、最初は読み進めるのに苦労したけど後半は一気に読んでしまった。

    確かにこれはミステリを読む上で読んでおかないといけない一冊、という感じ。
    そして最後のダークな終わり方が後味良すぎなくてよい。
    なるほど乱歩が絶賛した理由も分かるかも。

    ...続きを読む
  • カナリア殺人事件
    カナリアと呼ばれた元女優が密室で殺された謎を追う。
    探偵役のヴァンスは癖のある人物だけどそれがまた良い。
    心理学的見地で事件を読み解く様は面白く、特にポーカーの場面が興味深い。
    まさに精神分析学だなと。
    劇的な展開はないけれど、つい読んでしまう一冊。
  • 僧正殺人事件
    「ファイロ・ヴァンス」シリーズ第4作。見立て殺人の嚆矢として知られる作品ですが、確かに異様な不気味さを作り出しているものの、マザー・グースの詩に見立てなければならない理由は特に見当たらず、やや不満が残ります。
    それでも、教授同士の心理戦、犯人の動機、ラストのどんでん返しなど見どころ盛り沢山で、ミステ...続きを読む