高橋繁行のレビュー一覧

  • 土葬の村
    よくぞ書いてくださった。
    とても貴重な歴史的、民族的資料です。
    奈良県出身者としてお礼が言いたいです。

    祖父母は明治生まれ、昭和30年代の初め頃まで土葬は一般的だったように聞いていました。埋葬地不足で、なくなったのだと思ってました。確かに儀式に要する手間というのは、大変なものでしょう。

    それでな...続きを読む
  • お葬式の言葉と風習 柳田國男『葬送習俗語彙』の絵解き事典
    全国各地のお葬式にまつわる言葉と風習の解説。
    三津田信三さんの著作の参考文献から本書を知り購入。
    もし自分が子供の頃、ここに書かれていたような風習が身近にあったらどう感じていただろうか…。
    そう想像してみると、田舎の風習が出てくる怖い話に強く惹かれるあの気持ちになる。

    京都府南山城村のタタリの山と...続きを読む
  • 土葬の村
    人は死んだら焼かれて骨になります。

    当たり前と思われていますが、それは最近
    のことです。日本でも20世紀までは、土
    葬が一般的でした。

    現在では火葬率は99.9%だそうです。つま
    り100%ではないのです。

    土葬が行われているところがあるのです。

    この本はそのようなわずかに残る伝承と言
    って...続きを読む
  • 土葬の村
    「死んだら故郷の土に還りたい、それだけや」

    火葬以外に弔いの選択肢があるということ、またそれを選ぶこともできるということ。風葬や土葬は海外の文化だと思っていた。日本でもそういう弔いを選べるんだなあと。
    そういう選択肢を残そう・広げようとしている「土葬の会」もいい活動だなあと思う。
    死者の死後の幸福...続きを読む
  • 土葬の村
    本書が発売される以前、WEBで公開されていた著者の記事がとても印象的で、書籍化されたと知ったときは嬉しかったです。この記事をきっかけに、知人の実家で土葬が行われていたことや、土葬の村ならではのお墓参りのエピソードを聞くことができました。日本の、しかもとても身近なところで土葬の風習が残っていたとは想像...続きを読む
  • 土葬の村
    一章では奈良などに残る土葬の風習について、2章はほぼ消滅した野焼きの風習について、3章では風葬など沖縄諸島における葬送の風習について、最後の4章は土葬や野焼きにまつわる怪談や奇談をまとめたもの。
    まず、現代、しかも近畿地方に土葬の風習が残っていたことに驚く(とはいえ風前の灯火という感じみたいだが)。...続きを読む
  • 土葬の村
    現代の葬送の99%は火葬。しかし、火葬が主流になったのは明治以降。もっといえば、終戦以降と、ごく最近。

    本書がテーマにしている土葬は、最近まで(といっても、半世紀ほど前まで)普通に行われていて、現在でも、ごくわずかではあるが、土葬の風習があるという。

    もちろん、憲法や法律でも、土葬は禁じられてい...続きを読む
  • 土葬の村
    座棺いいな
    死後硬直が始まる前に膝を折るのが子供の最後の親孝行ってすげー!かっちぇー!
    でもきっつきつの棺に納めるために腕が体にめり込んだり頸骨が砕けるぐらい縛るとかこわすぎそれは無理
    しかも野焼き火葬だと燃えやすいように腸に炭を詰め込むとかそれもう死体損壊じゃんえっっっぐ

    くっそ不謹慎だけど野辺...続きを読む
  • 土葬の村
    帯の通り。
    湯灌、葬式、土葬、野辺送り、仏式、神式、風葬…さらに奇譚まで。
    無くなりゆく土葬を通して、今、変わりゆく弔いのかたちがみえてきます。

    memento mori
    送った者もいずれ送らる
  • 土葬の村
    民俗学の本というよりも、どちらかといえばルポや民族誌に近い。著者は直接その村を訪ね、現地の人たちから生の証言を得た上で、この本を書いている。
    中には一度埋めた遺体を掘り返したり、埋葬する前に傷つけたり、燃やしたあとに焦げた脳みそを食べる風習をもった村もあったそうで、日本の習俗の裏に隠れた奇妙な世界を...続きを読む
  • 土葬の村
    ■ Before(本の選定理由)
    いまだに土葬を続けている場所なんてあるのか?
    ちょっと気持ち悪いし、怖い。

    ■ 気づき
    文化人類学というか民俗学というか、日本各所の「弔い」研究の集大成。土葬したり屍人の枕を蹴ったり赤子を取り出したり、ある種の「祈り」なんだな、と感じた。

    ■ Todo
    何よりも...続きを読む
  • 土葬の村
    現代人にはあまり馴染みのない土葬や全国の弔いの風習について、わかりやすく勉強できました。筆者による切り絵も雰囲気が出ていて味がありました。
  • 土葬の村
    土葬と聞くと、昔の葬儀方法という印象があった。そして、怪談という印象も。
    しかし、棺桶の寸法や死者をどの方向に向かせて弔うのかなど、人を送るための最期の儀式なのだとひしひしと感じた。
  • 土葬の村
    ベースは民俗学だけど、終活に興味がある人が読んでも面白い。現代の視点から語られているので、単なる昔ばなしではなくどのように今にいたるのか、今、葬式や埋葬方法についてどう考えるかというヒントを投げかけているように感じた。民俗学は今をいかに生きるかという学問なんだというわかりやすい例かも。

    印象に残っ...続きを読む
  • 土葬の村
    死んだら火葬ではなく土葬にしてほしい
    長らく食物連鎖に加わってこなかった罪悪感みたいなものを払拭したいと思い
    そもそも日本で土葬はまだできるのかとぼんやり悩んでいたところこの本を知ることができた

    土葬はできるが、どんどん減っているらしい
    ただ、土葬の会という民間の保存会のような会が存在するという情...続きを読む
  • 土葬の村
    「土葬」と銘打たれているが、一般的な火葬以外の葬送も併せて紹介されている。
    例えば風葬、火葬でも「野焼き火葬」といって屋外で遺体を火葬する場合など。
    丁寧に聞き取りがされているため、紹介されている証言は非常に生々しい。
    携わった人だからこそ言える証言というか。
    座棺の場合、遺体の足を曲げなくてはいけ...続きを読む
  • 土葬の村
    99.8%と、世界的に見ても火葬率が高い現代日本。しかし、昔ながらの土葬で死者を送りだす風習を残した村が奈良と京都にあった。1990〜2020年の30年に渡る聞き取り調査の記録と、土葬と同じく実施が難しくなった野焼き火葬や風葬などの伝統の実態を知る人びとへの取材など、施設での火葬に一本化されていく前...続きを読む
  • 土葬の村
    私設の葬祭研究所を主催するルポライターでもある著者が、滅びつつある日本の土葬文化や、野焼き火葬(近代的な設備を持つ火葬場ではなく、住民自らが操作する超小型のボイラー設備等で行うもの)、風葬など、様々な弔いの風習をまとめあげたルポルタージュ。

    正直なところ、本書を読むまでは土葬というのは何かしらの法...続きを読む
  • 土葬の村
     日本人の精神性は、戦前あたりと現代では大きく違うものだと、本を読んでいるとそう思う。
     例えば今回本書を読んで、かつての日本の葬儀とは今とは全然異なっていることが分かる。
     死者と向き合うということを、現代日本ではその機会が無いことに気が付かされる。
     
     かつて日本人が持っていた風習、文化という...続きを読む
  • お墓は、要らない
    流行りに便乗したタイトルはいただけないが、中身は特にお墓無用論というわけではない。むしろ、お墓のことを真面目に考える人ほど、お墓を持とうと思わなくなる、という認識を起点に、その背景を丹念に分析した書。