冨谷至のレビュー一覧
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韓非→始皇帝→焚書坑儒。この図式は儒家にとって嫌悪するものでした。漢籍を学ぶもの(儒家)は韓非をことさら貶めてきました。
韓非子のなかに老子が収録されているのも、ことさら法家(韓非子)の宣伝工作のようなものだと批判してきました。
老子、韓非子の本文を精査するのではなく感情論が先行していたのではな...続きを読むPosted by ブクログ -
紹介文に「その冷徹な思考は秦の始皇帝をも魅了し・・・」「究極の現実主義」などと書いてあって興味を持った。今まで全然知らなかったのだが、読んでびっくり、ロジカルですばらしい考え方だ韓非子は。これは著者の説明もうまいかも。
「君主は法に従って、臣下は法を師として、あたかもメジャーをあて、量を測るごと...続きを読むPosted by ブクログ -
蔡倫=紙の発明者ではなかったということが語られます。
そこから始まる古代の紙発見の流れ、そして紙が
発明されたのになぜ木簡、竹簡を使うのかという
疑問(本題)へと話は移っていきます。
木簡、竹簡にも様々な種類や用途があるということを
図や写真で分かりやすく提示してくれています。
また、書写材料の変...続きを読むPosted by ブクログ -
まず序文にある古代中国における法医学の現代性に驚く。
人間とは何ぞやという点は無視して、法の整備で社会を回していこうやという韓非子の先見性にも驚かされる。Posted by ブクログ -
韓非は性悪説の立場に立っている。非違の行いを礼による徳化で矯正するとした 荀子の考えに対し、法によって抑えるべきだと主張した。
徹底した現実主義者で現代の多様な価値観の中でも十分通用する内容をふくんでいる。
自分の主張が自分の国に受け入れられず、敵対する秦の始皇帝に重用され、秦が大陸を統一...続きを読むPosted by ブクログ -
[ 内容 ]
紀元前三世紀、韓の王族に生まれ、荀子に学んだ韓非は、国を憂えて韓王を諌めるも容れられず、憤慨して著述に向かう。
その冷徹な思想は秦の始皇帝をも魅了し、「この人物に会えたら死んでもよい」と言わしめた。
人間の本性は善か悪か。
真の為政者はいかにあるべきか。
『韓非子』五十五篇を読み解くの...続きを読むPosted by ブクログ -
サブタイトルにある「不信と打算の現実主義」がそのまま韓非子の思考。
性善説と性悪説は聞いたことあるけど、韓非はそこに与せずそんなことよりも人間の性に注目し、自分に利益がある方に行動すると定義する。それが正だとも悪だとも言わない。はなから人間など信用しない、とでも言っているようなドライで分かりやすい思...続きを読むPosted by ブクログ -
焚書坑儒を経て、紀元前3世紀の考え方が現代に蘇る。その時代にそれぞれの考え方がどう、政治、経済、学問として捉えられてきたか?悠久の時を経て、残っている考え方を知るには良い書物だと思う。両端を見て、今の自分のポジショニングを考えさせられる一冊。Posted by ブクログ
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韓非子そのものというより、性悪説、性善説の主義主張を参考にわかりやすく書かれている。
人を信頼せず、評価で縛るやり方は現代のビジネスの参考にはなるが、全てではないと思う。Posted by ブクログ -
中国古来の礼と法の考え方を、様々な儒家の言葉を用いて解説し、日本人が感じる中国への思想の違和感を考察したものである。違和感の部分を詳細に、というよりは先人の礼への姿勢を多く分析することに重きを置いている。(その分析こそが一番違和感を知るために筆者が大切であると考えているのであろう)中国思想入門書のよ...続きを読むPosted by ブクログ
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国内の悪を阻止し、秩序を安定させるため法や刑罰を厳重にすべきだ、人間は利によって動く生き物であり、それは血縁、君臣の関係であっても例外ではない、などと冷徹に現実主義を説く韓非子の思想の解説書。キーワードは「不信」と、「打算」。他人を疑うのは恥と考える傾向のある多くの日本人には耳が痛くなる思想かもし...続きを読むPosted by ブクログ