この宇宙には生命が充満しているのだろうか。それとも、生命は地球という奇跡の上にしか存在しないのだろうか。
水が液体で存在するためには、太陽に近すぎても遠すぎてもいけない。地球はこの絶妙な位置にある。そして、生物の進化を知れば知るほど、人類のような知的生命が育まれる確率は低いという。それゆえ、生物学者
...続きを読むの多くは、地球外生命の存在に否定的である。
しかし、物理学者の視点は異なる。コペルニクスが地動説で、地球が特異な存在ではないことを主張したように、地球がこの宇宙で唯一の生命を育む得意な惑星とは考えない。地球に生命が存在する以上、地球外生命が存在するはずだと説く。
全ての生命のルーツはどこから来たのだろうか。地球で誕生したという説と、宇宙からやってきたという説がある。後者はとっぴなアイデアのように思われがちだが、そうではない。ホイルやウィクラマシンゲらが唱える「パンスペルミア説」がそれだ。
地球外生命の可能性を探究するには、生物学、物理学、地球科学、惑星科学など、様々な分野の知を統合する必要がある。各分野の研究が進み、最近、ようやくこの議論ができるようになったが、結論はまだまだ見えない。