ジェイコブ・ソールのレビュー一覧

  • 帳簿の世界史
    帳簿というか会計を締めて現状を把握しないと複雑な世の中を把握する事は無理だし、実態を把握しないと適確な施策を打つのは不可能だと思う。特に今の世の中は本当に複雑になっているから。そうした会計の重要な役割がどう認知されて、発展してきたのかを説明してくれるが、正直現在でも上手く回っていないというのが著者の...続きを読む
  • 帳簿の世界史
    営業時代は監査を受ける側、内部統制時代は監査をする側。両方の経験があるので他の人よりも興味深く読むことができたと思う。
    本書はお金の流れを人々がどのように管理しようかと考えた中で試行錯誤の中で生まれた複式簿記の歴史を中心に進む。
    そしてお金の流れを管理するための簿記と監査は歴史的な成り立ちからも表裏...続きを読む
  • 帳簿の世界史
    歴史学者 磯田道史氏が、オススメし帯を書き、
    公認会計士 山田真哉氏が解説(文庫版)を書いている本が面白くないわけないと購入。

    確かにタイトル通り、気軽に読めるような内容ではなく、読み進めるのに時間はかかったけど、歴史を会計という観点で読み解くと、こんなに面白いものなのかと。
    今の世の中の流れとか...続きを読む
  • 帳簿の世界史
     会計学の視点での世界史。中々に堅苦しさがある本だったが、集中を切らさずに読めた。訳が良いのだろう。
     複式簿記がこれほどの大発明だったとは知らず、その影響力の大きさに驚いた。少し学習した方が良いと思い、簡単に簿記の勉強を始めた。少し知識が増えた上で、あらためて本書の内容をトレースするとより良いだろ...続きを読む
  • 帳簿の世界史
    帳簿から見る歴史という切り口に興味を持って読み始めた。帳簿とはお金の流れであり、即ちあらゆる活動の記録であることから、帳簿がきちんと付けられていない=対象の全体像が把握できていないということだというのが学び。
    プロジェクト管理のように、帳簿による管理ができる組織とできない組織にどのような違いが発生す...続きを読む
  • 帳簿の世界史
    これを読んだから会計ができるようになるとか、ではないのだが、「教養本」として楽しく読めた。

    ニュートンが南海株に結構な額を投資していたとか、ウェッジウッドが帳簿分析に長けていたとか、簿記・会計をめぐる小ネタも満載である。

    さまざまな事件を経て、会計の技術やルールが進化してきたことはよくわかったの...続きを読む
  • 帳簿の世界史
    少し前に読み終わった本。『会計の世界史』を読んでいたら思い出したので、ついでにレビューする。

    一言でいうと、『美味しんぼ』の帳簿バージョン。美味しんぼが、あらゆる問題を料理で解決するように、この本の作者にとっては、世界のあらゆる事件はすべて、帳簿に端を発し、帳簿によって解決される。

    会計の知識を...続きを読む
  • 帳簿の世界史
    都合が悪くなると数字を見なくなる、自分の利益のために改竄を行う、集計手間がかかるため反対され頓挫する…今日では財務会計は細かく制度化されているのものの、制度化されていないものを扱うデータ分析の世界では、いまでも似たようなことは起きていると感じます。
    歴史を学ぶことで会計と監査がなぜいまの形になったの...続きを読む
  • 帳簿の世界史
    中世イタリアで複式簿記が生まれたことから、リーマンショックまで、会計と監査の重要性を時系列でおった作品。
    なぜ会計が広く用いられるようになるまで時間を要したのかをうまく説明できていると感じた。
    特に、ルネサンス期の人文主義に偏重した考え方や、絶対王政における秘密主義的な考え方が会計・監査の広まりを妨...続きを読む
  • 帳簿の世界史
    表紙買いして大正解よ!
    最近は、物流がらみを続けて読んでいたので、その背後にある「帳簿(会計技術)」の歴史ってのも関連してるしね。

    メディチ家の繁栄とあっという間の衰退、コジマの「帳簿(会計技術)」で栄え、栄えた果実としてのギリシャ文化かぶれが、以後の党首の「帳簿(会計技術)」離れを招き、あっとい...続きを読む
  • 帳簿の世界史
    時代背景は古代から始まり、歴史的な出来事も絡みます。フランスの負債について、そしてリーマンショックなんかはふむふむと思いますよ。
  • 帳簿の世界史
    あの陶器で有名なウェッジウッドは、最終監査役は自分であり、リアルタイムで監査を行う「毎週月曜日に帳簿を見られるように、これを永久運動のように継続して欲しい」と私設会計士に依頼した話。経営者にとって会計とこれを永久運動のようにする事が期待されてるって、自分も外資系企業の営業一員として動いてると今も同じ...続きを読む
  • 帳簿の世界史
    高度な数学を駆使する経済学の他にも、入と出を計量・記録する、現在のストックをきちんと把握して、自分たちが前進しているのか後退しているのかを認識するための「会計」という知的インフラが、社会を形作ってくることに貢献してきた。
    東インド会社については、高校世界史で覚えた記号的知識しかないので、もう少し知り...続きを読む
  • 帳簿の世界史
    会計が成立・定着した中世から近現代史。
    目から鱗。

    国家や企業の栄枯盛衰の要因に、実態を正確に捉えるツールとしての会計があると説き、全ての国家の歴史を網羅してはいないが、ポイントを絞った説得力が尋常じゃない。
    雰囲気ではなく、現実の数値を愚直に記録し、その記録を見て評価することの重要性を教えてくれ...続きを読む
  • 帳簿の世界史
    著者のジェイコブ・ソール(1968年~)は、歴史学と会計学を専門とする南カリフォルニア大学教授。
    本書は、2015年に単行本で邦訳が発刊され、2018年に文庫化。
    本書は、「帳簿(会計)」という斬新的な視点を軸に歴史の裏側を明らかにしたものであるが、一般に経済に大きな影響を与えると考えられている「帳...続きを読む
  • 帳簿の世界史
    ルネサンス期からはじまり現在まで続く会計の歴史について詳細に記述している。
    思っていたより大作で、少し冗長かと思う点もあった。

    特に後半は、このような長い歴史を経ていても会計は手に負えないものとなっていて、完璧な監査には程遠いと語る。確かに監査法人のビジネスには思い当たる部分も多い。複雑になりすぎ...続きを読む
  • 帳簿の世界史
    世界恐慌などの危機的な状況を何度も迎えながら、資本主義が未だに存続している一つの要因は、直面した危機からの学びとして様々なルールを市場が作り出し、同じような事態に陥ることを避けようとしてきた工夫にあるだろう(もちろん、市場は万能ではない故に同じ過ちを繰り返すことがないわけではないが)。そうしたルール...続きを読む
  • 帳簿の世界史
    中々興味深いですね。

    会計と言うものが、国家の存立にまで影響していたとは、この本を読んで初めて気づきました。言われてみれば当然で、この本でも触れられていますが、フランス革命も、宮廷の浪費に業を煮やした国民が蜂起したと言う事でしたね。

    アメリカが、その国家建国の頃から、会計を意識していたというのは...続きを読む