ジーン・ポーターのレビュー一覧

  • リンバロストの乙女 下
    母からの愛情をほとんど受けられないで育ったエルノラは、町の高校に入学するが、進学に反対していた母は学費のことも教科書のことも教えてくれず、さえない通学服で初日から大恥をかいて帰ってくる。
    最初からもう可哀想で、継母かと思ったし、訳したのが村岡花子だけにもしかして孤児?と疑ってしまった。
    しかし、エル...続きを読む
  • リンバロストの乙女 上
    赤毛のアンの翻訳者、村岡花子の名訳が光る作品。赤毛のアンが大好きなので、すっかりはまってしまった。
    ストーリーもさることながら、リンバロストの森の自然の表現が素晴らしい。また、蛾の羽化の様子が本当に美しく描かれている。
    主人公エレノアの美しい心とリンバロストの自然に囲まれ、私も浄化された思いがした。...続きを読む
  • そばかすの少年
    「リンバロストの乙女」を読み始めてから、こちらが先だった、と気づき、慌てて電子図書で購入して同時並行で読んだが、どちらも良かった!
    主人公のそばかすはシカゴの孤児院で育ち、独り立ちするために材木屋に自分を売り込む。片手がないことから、支配人マックイーンは断るつもりだったが、そばかすの真っ直ぐな心意気...続きを読む
  • リンバロストの乙女 下
    大学に行けなくなってしまったエルノラは博物学の教師となる。
    あるとき授業のための標本採集にいつもの森に出かけるとフィリップという青年に出会い、恋に落ちる。
    ここからは2人がゴールインする道のりが描かれる。
    なんか訳した村岡花子の半生がきっと反映されているからだと思う。特に前半とか。
    だから好きだった...続きを読む
  • リンバロストの乙女 上
    美しい少女のエルノラが高校に入学するところから始まる。
    入学する、しかし母はお金は一切出さない。
    前半は母との戦いで、母がお金を出さないので自分で稼がないといけない。
    エルノラはそんな状況にも負けず、近所のおじさん、おばさん、鳥のおばさんの協力を得、同級生に囲まれながら成績優秀で卒業する。

    前半は...続きを読む
  • リンバロストの乙女 下
    六月は夜蛾の誕生の季節。リンバロストの森で出会ったエルノラと青年フィリップにも恋の予感が…。

    下巻では沼地に息づく植物や様々な鳥たちが生き生きと描かれている。採集される珍しい蛾には、ルーナ、リーガル(詩人の王)、 プロメシア、そしてあの黄色い帝王蛾。蛾は生まれてたった数日で死んでゆく。森の湿った空...続きを読む
  • リンバロストの乙女 上
    翻訳者、村岡花子さんと言えば「赤毛のアン」シリーズだが、この物語は知らなかった。グリーンの森と黄色い帝王蛾が描かれた上巻から読み始める。

    「骨折り仕事だけで、無知のまま一生を暮らすのはいやだ」リンバロストの美しい森に母と住むエルノラは、町の高等学校へ進学した。
    初日に教科書もなくみすぼらしい身なり...続きを読む
  • リンバロストの乙女 上
    1909年に出版されたアメリカ小説。女性作家ジーンポーターは生物学者としても優れていたが、この小説は彼女ならではの作品となっている。
    (ネタバレ)
    主人公エルノアは虫愛ずる姫君。蛾の収集オタク。シングルマザーに育てられるが、その母親が鬼母。愛する夫をなくしたことから立ち直れず、娘を可愛がれない。ドの...続きを読む
  • リンバロストの乙女 上
    少女の頃、何度も繰り返し読みました。
    懐かしいです。
    今になって、きれいな新刊で、しかも村岡花子の訳で読めるなんて、朝ドラ効果に感謝します。

    今読んでみると、母親がちゃんと娘を愛してるんだと分かる描写がそこかしこに或る。
    母親も頑固ですが、娘もたいがいだと思う。
    『うちはお金無い!』と言われたら、...続きを読む
  • そばかすの少年
    子供向けの物語。といっても子供騙しというのではなく
    子供に正直さや誠実さや善良であること、
    自分が主人公でなくても、主人公の側の脇役としてでも
    他者への愛情について感じてもらいたいから子供向け。
    完全に勧善懲悪であるけど、意外にも悪の化身にも
    愛嬌があり、と思ったら思いがけない報いが・・・
    また主人...続きを読む
  • リンバロストの乙女 下
    アンでもパレアナもそうだけど、ヒロインが美しく育ったら次はロマンス。
    相手も非の打ちどころのないぼっちゃんです。
    ただし、超わがままで美少女な婚約者がついてますけど。
    結末はハッピーエンドというのは分かってるので、消化試合を見ているような感じ。

    完全無欠なヒロインって微妙に面白くないときもあるのね...続きを読む
  • リンバロストの乙女 上
    昔、何かでタイトルを見て読みたくてたまらなかった小説。
    いいですよねこの『リンバロストの乙女』って邦題。
    イメージ的には表紙のまんまです。

    が、可憐な乙女は虫を集めてました…。
    そりゃまぁ、日本には『虫愛づる姫君』という超ぶっとんだヒロインが千年前にいましたけどね。
    この可憐な乙女はそれをドレスや...続きを読む
  • リンバロストの乙女 下
    母娘の確執、物語の展開についていけない部分も、自然への造詣の深さ、当時の生活描写の細やかさは素晴らしく、特筆すべきはエルノラのお弁当!
    描写が優れているだけで物語はどうでもいいというか、納得できなくてもまあいいやって思ってしまえるからすごい。
    下巻におけるエディスには同情を禁じ得ない。
  • リンバロストの乙女 下
    懐かしい本、下巻。
    上巻が“母と娘”物。
    下巻は“恋愛物”
    海外文学の恋愛物は、どうも私の肌には合わない。
    ヒロインよりも、ライバルのエディスに同情してしまった。
    生まれてこの方、自然に親しみ、生物学の知識を深め、なおかつ、母との人間関係に置いて苦しみの中で人間性を磨いてきたヒロイン。
    20年あまり...続きを読む