稲生平太郎のレビュー一覧

  • アクアリウムの夜

    悪夢に似た光景。

    ラジオドラマ、青春アドベンチャーを聞いて初めて知ったお話です。ラジオの最終回を聞いたあと、原作小説を読みました。
    はじめの方はほとんど普通の日常で、見世物小屋で見た地下への階段が気になる、というくらいでしたが、そこから徐々に非日常が忍び寄ってきます。おかしくなった友達、まともだと思っていた人が怖い...続きを読む
  • アムネジア
    『入り混じった記憶の中で、彷徨い続ける』

    個々の出来事は鮮明に語られるが、出来事同士の繋がりは不鮮明で、所々、現実離れした出来事が起きるため、全体を通して何が事実で何が夢なのか、最後までわからなかった。なんとも不思議なミステリーでした!
  • アクアリウムの夜
    途中の手記はちょっと疲れますが、全体通せば面白かった!
    ラノベは初めてで、今まで先入観あって手に取る気が起きませんでしたが、この本に出会ってラノベの印象変わりました。
  • アムネジア
    編集プロダクションに勤務する島津伶は、ある会社の社史を編集中、そこに登場する人物の死亡記事を目にするのだが……。
    M資金や永久機関など、断片的なキーワードのみが与えられ、その核心は明示されない不可解な存在に日常が浸食されてゆく描写が秀逸。複雑な入れ子構造もあいまって、その不安定な酩酊感にゾクゾクさせ...続きを読む
  • アクアリウムの夜
    出版社がマイナーで、相当長い間日の目を見なかった作品だったと聞いたけれど。それはあまりにもったいない話。角川スニーカーで復刊されたのは実に喜ぶべきこと。
    水族館は、とても素敵。だけれども夜の水族館(もちろん営業時間外)となると、話は別。異形のものがうごめいているイメージがして、ひどく幻想的だけれども...続きを読む
  • アムネジア
    稲生さんの作品を読むのはこれで2作目ですが、海にドボーンと落とされたような、宇宙にドスーンと打ち上げられたような、そんな不安感に襲われます。
    なんや知らんが、怖い。
  • アクアリウムの夜
    どこかノスタルジックな雰囲気を感じさせる導入部から一転、ありふれてはいるが愉しいはずの日常が徐々に徐々に不穏な何かに侵食されていく描写が見事。カメラ・オブスキュラ、こっくりさん、霊界ラジオ、市松人形……などの魅惑的な小道具も効果的に物語を盛り上げる。圧巻の夜の水族館探索シーンに続く、読むものを不安に...続きを読む
  • アクアリウムの夜
    一見、ごく青臭い学園青春ジュブナイル・ホラー風の展開でスタートするこの作品だが、そこで軽い評価を下してはいけない。作品にちりばめられた黒魔術的オカルティズムの底知れない悪夢世界が結末には待ち受けている。アクアリウムの底に眠るモノ、それに飲み込まれる主人公。クトゥルー神話譚を彷彿とさせるような現実を一...続きを読む
  • アクアリウムの夜
    (注意)このレビューはネタバレを含んでいるかもです。ごめんなさい。
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    本書はあちこちに知的なしかけがしてある。英語のアナグラムを説明している...続きを読む
  • アムネジア
    「ミステリ」として売り出したのがそもそもの間違いな気がするなこれ。
    主題はあくまで、現実がドロドロに融けていくような幻想的な恐怖だと思う。
    タイトルの意味が分かった途端全ての見え方が変わってゾワッとした。
  • アクアリウムの夜
    水族館を舞台にした物語を探していて、入手困難な中、ようやく手に入れた。カメラオブスキュラ、こっくりさん、霊界ラジオなど、ゴシックロマンとホラーか混ざり合う。ぺダンティックに畳み掛けるかと思えば、少し流す緩急さ。もう少し背景の深さと水族館であることの必然性が欲しい気がした。作者名も、例の怪異ものからか...続きを読む
  • アクアリウムの夜
    昔のnhkラジオより。

    これは最初、ラジオドラマとして聞いた。
    時間帯は23時前の15分間で、その前の枠はクラシック。
    静謐で湿った管弦楽により冷やかさを増した深夜のひとりぼっちの部屋で、ノイズの多かった古いステレオから流れるはホラードラマ。
    一人部屋の、背中の後ろが、それを聴いている間妙に気にな...続きを読む
  • アクアリウムの夜
     この本を買ったのはいつのことだったか。実はどこに行ったか分からなくなって、手元にはないんですけど。 「得体の知れない怖さ」というのを感じられる本だった。全然関係ないのに、クトゥルーっぽさを感じちゃうくらい。ラヴクラフトが書いてた頃のクトゥルーってのはこういう「怖さ」を表現する物だったんじゃないかな...続きを読む