小杉健治のレビュー一覧

  • まよい雪風烈廻り与力・青柳剣一郎
    八丈島から江戸へ帰る二人、鉄次と弥八。二人にはそれぞれの事情が。島にいる友を助けるため、人を殺めなければならない弥八。許嫁が待ってるはずの鉄次。

    ところが。。。

    小さな悪に手を染め始めたときに、間違っちゃいけないと諭して許してくれた青痣与力青柳。その面影を持ちながら、今の自分の運命に逆らえない弥...続きを読む
  • 黒猿 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    誰もう違うことを知らない純朴な青年が、50両をとったという罪で捕縛された。だが直ぐに主人が感近いしていたと訴えを取り下げた。20日あまり、大牢で過ごした伝助。無罪放免で出てきたその日に火事が起こる。

    付け火とわかると伝助が疑われた。
    ところが、純朴な青年の澄んだ目をみた青痣与力は、違和感を覚え事件...続きを読む
  • 花さがし 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    藤の花が満開を迎え、その香りと見事な花房に人の目も釘付けになる。風烈周りの同心たちとともに、見回りをしながら、思わず満開の藤に目がいく剣一郎。

    台車が崩れ、先を行く女中と女の子に大八車が猛烈な速さでぶつかろうとした矢先、同じ藤を眺めていた男がとっさに中に飛び込み、女の子は無事だった。

    そんな命の...続きを読む
  • 冬波 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    青柳剣一郎の息子剣之助が活躍。見習いから本役補佐となるが張り切った剣之助は他の同心に反感をかうが納得いかず調べる。そうすると、御法度の賭場を開催する場所に関わる御家人など武士も関わって。。。

    息子が一皮剝ける回。
    親として上司として後輩を育てる関わり方が秀逸。
  • 百万両の密命(下)~新九郎外道剣(九)~
    最終章から読み出したが、それでも面白かった。何と言っても主人公の無頼でありながら、人間味を徐々に帯びるという成長する物語に魅力がある。
  • 春嵐(下) 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    福井藩で、道場一の剣豪市九郎が下目付を切って奔走。追っ手を任されたのが下士のふたり。
    旅に出るが何やらきな臭い。
    江戸では原因不明の死因で女が簀巻きで遺体を発見された。しばらく、身元不明だったが、貧しい母、兄弟を持つ孝行な女とわかる、同じ時期に何人もの女が集められた。
    どうも旗本屋敷で女相撲をさせら...続きを読む
  • 朱刃 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    人を殺めず、犯さず、弱いものには迷惑はかけないを信念にしていた盗賊が江戸を離れ引退してから、3年。
    似た名前のまるで反対の盗賊が江戸の東部を荒らしていた。
    引退した盗賊の親分はすでに寝たきり。
    自分に似た名前の盗賊を見てきてほしいと、元の幹部に頼む。。
    そこには、元の親分を逆恨みする盗賊が。。。
    ...続きを読む
  • 夏炎 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    風烈まわり与力、青柳剣一郎は表向きは火つけなどの火事から江戸市民を守るという使命を帯びているが、その実影では、複雑な犯罪の追跡など秘密の捜査などに駆り出されている。頬に剣による痣があるので、青あざ与力とも呼ばれていた。

    今回、身のこなしが尋常でない老人の羅宇やを見つけた。浪人の言いがかりから番頭を...続きを読む
  • 秋雷 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    なんとも、読み応えのあるシリーズ。
    19でなくなった兄の夢を見た日、墓参りに行くと、そこで女にあった。その女といる間は静かな穏やかな気持ちになった。

    そんなころ、次々と殺人が起こる、ぼんのくぼを尖ったもので突き刺すという殺し方だった。

    初めは被害者の名前が分からなかったが、有名な強盗集団の仲間と...続きを読む
  • 辻斬りの始末 栄次郎江戸暦20
    辻斬りが続いた。
    事件の現場で、巡り合った商人と仲良くなり。。。

    僻みから、道を誤ってしまった三男。
    初めて犯した押し込み強盗。
    岡っ引きから逃れようと、殺人を依頼し、
    知るほどに栄次郎が好きになり、自分の身を守ることに、苦しくなった犯人。

    自訴を促し、せめて身ごもった妻は逃がしてあげようとする...続きを読む
  • 明日の膳 浅草料理捕物帖五の巻
    さすがに最終巻だから、今までほとんど進まなかったなみ川の話が一気に進むので面白く一気に読めた。しかし、いつも寺にいけば誰かに切られそうになるんだから、呼び出された時点で、気づいて手をうっといてくれ…、とか、孝助は、なみ川を取り戻しても樽屋をやるはずでは…?とちょっと思っちゃいました。
  • 影なき刺客 栄次郎江戸暦19
    栄次郎はある夜、高樹清四郎という瓜二つの武士に間違えられて待ち伏せされ襲われた。すぐに、間違いはわかったものの、あくるよ襲った武士が遺体になって見つかった。
    そんなことからあるお家騒動に首を突っ込む。

    鳶の娘おゆうの恋心、気づかなかった栄次郎はおゆうが、近くからさってゆくことで、初めて心を知ること...続きを読む
  • 微笑み返し 栄次郎江戸暦18
    大店の主人に色仕掛けで近づき、押し込み強盗に入るという事件が続いていた。
    崎田孫兵衞からの依頼で、ある若旦那の事件の相談に乗る。
    調べが進むと、続く押し込み霞小僧の一連の未遂事件ではないかと思われた。
    また、栄次郎の弟弟子になる商家の主人にも、事件が起ころうとしていた。

    人々の愛憎の影が、平穏な暮...続きを読む
  • 空蝉の刻 栄次郎江戸暦14
    今回栄次郎は、ある藩の藩主の毒殺未遂現場に遭遇してしまう。その後、その毒殺を試みた女中に似た遺体を見つけてから事件に関わることになる。
    藩主には双子の弟がいて、双方ともに双子の存在に気づいてから悶々と人生を生きていなかったのだった。

    さて、今回は栄次郎のお節介は大きな大きな事件になるのだが、気持ち...続きを読む
  • 涙雨の刻 栄次郎江戸暦15
    栄次郎の師匠吉右衛門に罠が。。。。
    突然決まっていたはずの舞台の降板。その裏には、愛憎の深さに吉右衛門の元師匠の娘が関わっていた。
    徐々に、活動範囲を狭められ、弟子の引き抜きまで始まった。何が起きているのか?
    失意の吉右衛門に色っぽいおはまが近づく。
    栄次郎は師匠の苦難に立ち向かう!

    ハラハラドキ...続きを読む
  • 正直そば 浅草料理捕物帖三の巻
    結末は読めていたが、昔の人には想像できなかったという設定だと思う。
    なみ川の話は全然進まなかったのは残念だけど、次巻に期待。
  • 老剣客 栄次郎江戸暦13
    栄次郎は、気配を消して釣りをしている老人を見かける。しかも、釣り上げた魚は皆、川に返しているのだ。なぜ?
    なんども見かけるうちに、どうしても気になり、住まいを見つける。
    ある日、料理屋で女中を追い回し大きな声で文句を言い、刀を手にかけた武士たちを見つける。部屋住みの次男三男を中心にする「刃桜組」とい...続きを読む
  • 永代橋哀歌 栄次郎江戸暦12
    川開きの花火大会を見ようと老朽化した永代橋を渡ったオボ正しい江戸町民が橋の落下とともに命を落とした。
    それから十数年後、その時の孤児になった男たちから、一橋家が脅迫された。
    その事故で、商家の主人が丁稚と手代三人で落下。主人はなくなり丁稚と手代は生き延びたが。

    その手代が跡取り娘と今の主人となった...続きを読む
  • 明烏の女 栄次郎江戸暦8
    名取のなった栄次郎はこの頃師匠と一緒に舞台の地方として出演が多くなっている。
    座席では、役者ではなく、栄次郎こと仵屋吉栄に女達からの熱い視線が集中するほど、人気ぶりだ。
    ともすると常軌を逸した贔屓筋がいる。
    このところ、後をつける女がいたり、度々会う機会を作る女も出てきた。
    そんな中、栄次郎から呼び...続きを読む
  • 火盗改めの辻 栄次郎江戸暦9
    今回は、栄次郎の兄弟子で、旗本の次男坊坂本東次郎の事件。
    東次郎の父親は清廉潔白な作事奉行坂本東蔵。今上野寛永寺の本堂修繕の作業を任されている。それが、事故が多く滞っていた。
    実は裏には大きな悪事が潜み勘定奉行と収賄関係にある山川屋が関係していたのだった。

    東次郎は町人に身をやつして、盗賊の親方「...続きを読む