高校生の時から何かとライバルとして競い合ってきた藤堂哲明と伊織真幸。
だが、卒業間際に、藤堂とした賭けに伊織が負けて、大学卒業と同時に藤堂が起こしたイベント企画会社に誘われて入社してから、二人の関係は変わった。
伊織は、以来十年近く秘書として公私共に藤堂をサポートしてきたのだった。内心の想いを
...続きを読む秘めたまま。
ワンマンで破天荒な社長を支える冷静沈着で、有能な秘書――誰の目にもそう見える伊織だったが、実は、藤堂への想いをずっと隠していた。
そんな藤堂に伊織は、会社を大きくするための手段として、結婚を薦める。
相手に選んだのは、今は引退したものの大きな影響力を持つ、元政治家の孫娘。
相手にとっては不足はなく、伊織にとっても納得の上の結論だった。
ところが、藤堂に、その孫娘の友人と結婚するよう言われたことから、伊織の今まで築き上げてきたものが崩壊する。
という感じの話でした。
実は、賭けに伊織が負けたのもわざとで、藤堂の傍にいたいがための伊織の選択だったわけですが。
藤堂が結婚することは想像ができても、藤堂に気持ちがある自分が結婚することを想像できなかったのが、伊織の大きな誤算。
確かに、藤堂からしてみれば、有能で自分に逆らったことのない秘書の結婚についても、自分の結婚と同じように手段の一つだったんだろうなー……とは思いますが、伊織にはその荷が重くて、逃げ出してしまう、と。
そして、自分の気持ちを吐露してハッピーエンド。
男くさい話、というのが感想でした。
でも、それでいて、伊織は自分で言うほど割り切れてなくて、結局はペースを乱してガタガタになってしまうあたりが、やっぱり男の人ってロマンチストなのかなー……と思う要因だったりもします。
そういう意味でも、男の話。
働く男の話が好きな方にはオススメだと思います!