村瀬秀信のレビュー一覧
-
コロナ前のデフレがずっと続いていたころの気分が泣けそうに懐かしい。こういう感じが続きそうに思えた。時代の空気がみっしりと戻ってくる。書き手の力というのはこういうものか。いやいや違うだろに始まって言いたいことはいろいろあるし、おいおいというのも少なくないけれど、それらを吹き飛ばす喚起力がある。Posted by ブクログ
-
面白い!
タイトルも野球用語だしサブタイトルにも「野球短編」とあるんだから、当たり前のようにプロ野球選手もしくは甲子園の話ばかりかと思ったら、ほぼ「その周辺」の人々の話で構成されている。
硬軟使い分けた文章はどちらも読みやすく、一行目からついつい引き込まれてしまった。Posted by ブクログ -
NumberWEBで読んだ記憶があるものもあるけど、こういう群像劇を集めた短編集にはそれ相応の良さがあると思う。「ヤクルト弁当屋」とか「宮本武蔵、大谷二刀斎を語る」とか、なんといっても茶化し方が絶妙だし、最後にもってきた表題作のインパクト(特に前半)は凄まじい。どうやら少なくとも一回は著者に会ったこ...続きを読むPosted by ブクログ
-
この人の本はクセがある。クセがあるぶんテーマ設定や読み手であるこちらのコンディションによってはピンとこないこともあるにはあるのだが、この本の多くはおもしろかった。
まず「止めたバットでツーベース」って題名からして秀逸だ。軽く常軌を逸した題名だが、一発で覚えられるし、想像力が掻き立てられる。これ自体が...続きを読むPosted by ブクログ -
人の観る野球のど真ん中にいない者にも,人生があり,生き様がある.プライドや生きがいなんて前向きな言葉では表せない,怨念とか意地みたいなものが突き動かす人生があることも見逃せない.そんな事実にひたすらスポットライトを当てた短編集.シリアスさだけでなく,村瀬さんならではの滑稽さも織り交ぜながら,何もなく...続きを読むPosted by ブクログ
-
食べ歩きコラムにチェーン店を持ってきたうまさだよね。盲点だったなあ。みんなチェーン店利用してるし似たような感想も持ったりはしてるんだけど、不用意にブログとかで書くとディスってる感が出ちゃう。そこを、もう力技で「文芸」を成立させてしまう筆力。面白かったしこの人じゃなきゃ書けないとも思う。団塊ジュニアの...続きを読むPosted by ブクログ
-
本書に取り上げられている中で、以下は食べた事あり。
ぎょうざの満洲 … 読んだら無性に食べたくなり二週連続で行った。
桔梗屋 … 桔梗信玄餅がここまで全国区になるとは。
炭火焼きレストランさわやか … 子供の頃はさわやかでステーキばかり食べてた罰当たり者も、今は地元を代表するものと言えばさわや...続きを読むPosted by ブクログ -
自分の記憶にあるお店をかいつまんで読んだけれど、それでもチェーン店っていいよね!って気持ちにさせてくれる一冊。私もチェーン店大好き。Posted by ブクログ
-
チェーン飲食店を紹介する連載集の第二弾。
当然だけど、チェーン店の数にも限度があり、数店しかなかったり、まさかの一店舗だけのお店も掲載されている。また、地方にしかないようなお店も本来であれば対象外だったのではなかろうか。
とは言え、掲載されているのはどこも興味を惹くチェーン店であり、近くにあるなら寄...続きを読むPosted by ブクログ -
「散歩の達人」連載の人気エッセイの第2弾。ネタ切れしつつあることを作者も自覚してる感じがほのぼのとしている。さすがにローカルなチェーン店が多い。
最近のプロ野球に関する作家としては五本の指に入るだろう筆者。ほぼ同世代ということもあり、小ネタに思わず笑ってしまう。
第二弾ともなると残念ながらネタ切...続きを読むPosted by ブクログ -
チェーン店の食レポなんてどうやってやるのだろう。
と思っていましたが、これが非常によく出来ています。
各店毎にその時の紹介文にテーマを持たせて、おもし
ろおかしく読ませます。
「オリーブの丘」という東京の武蔵野あたりだけで
展開しているイラリアンレストランを紹介する回は
「サイゼリア」という巨大...続きを読むPosted by ブクログ -
主役になれない人たちにもドラマがある。人生、誰でもドラマチックに生きることができる。野球に関わる熱い脇役たちの物語がバカバカしくも羨ましく思えてくる。Posted by ブクログ